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村上虹郎、異彩放つ20歳の存在感 俳優めざした理由

日経エンタテインメント!

2017/4/13

 2014年、俳優デビューにして初主演作の映画『2つ目の窓』が、第67回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、初の地上波連ドラ出演作『仰げば尊し』(16年)ではいきなりメインキャストに抜てきされた村上虹郎。その場に立つだけで異彩な存在感を放ち、見る者の目を釘付けにする。村上はどのような経緯で、俳優をめざすようになったのか。

1997年3月17日生まれ、東京都出身。天賦の剣の才能を持つ少年を演じる『武曲 MUKOKU』が6月に全国公開。映画『二度めの夏、二度と会えない君』『Amy said』の公開も今秋に控える。(写真:中川真理子)

 「実は自分からは、全く目指してなかったんです(笑)。子どもの頃好きだったエンタテインメントは『トイ・ストーリー』! 特に1作目が好きで、何度も見てました。衝撃的だったのは、園子温監督の映画『ヒミズ』(12年)。中高生の時に見て、価値観が大きく変わりました。3.11の東日本大震災の現実を物語の中に取り込んで、原作からエンディングまで変えてしまう監督がいるんだって驚きました。でも、これもまだ俳優になりたいと思う前のことで。

 デビュー作で河瀬直美監督に声をかけていただいたおかげで、映画というものに出合いました。ただ、現場中は『とりあえず楽しもう』と思っただけで、『この仕事を続けよう』という意識は全くなかったです。実際の現場では役を生きることが難しすぎて『なんじゃこれ』って感じでしたし(笑)。でも完成した作品を見たときに『またリベンジしたい』と思っちゃった。それが運の尽きでした(笑)」。

■役者は「意義のある職業」

 2017年は既に3本の映画公開が控え、4月には舞台『エレクトラ』で物語の鍵を握る役にも挑戦するなど、俳優歴3年目にして順調な活躍ぶり。97年3月生まれの村上は、『仰げば尊し』で同学年の真剣佑(96年生まれ)や、学年は1つ下になるが97年生まれの健太郎、北村匠海らと共演。実力派ぞろいの同世代をどう見ている?

 「同世代では、真剣佑は(『ジョジョ』の撮影で)スペインに行ってていいなーとか(笑)。でも、横(同世代)だけでなく、上(先輩方)を見上げて、やがては向き合うつもりでいかないといけないなとは常に思っています。

『エレクトラ』 壮大なギリシャ悲劇を鵜山仁演出で。村上は姉エレクトラ(高畑充希)と共に実母のクリュタイメストラ(白石加代子)と義父に復讐すべく立ち上がるオレステス役。4月14日より東京・世田谷パブリックシアター他にて

 『エレクトラ』でもう3作目の舞台になるんですよね…早い(笑)! 舞台に限らず、いまだに作品に臨む際は1作目という気持ちで挑んでいます。今回は特に古典劇という未知の分野への挑戦なので、実際に演じてみないことには全く分からない。ただその分、飛び込むのが楽しみです。稽古では『もう俳優やめる!』と思うくらいコテンパンにされたいですね。

 俳優はたくさんの作品とテーマに出合えるじゃないですか。頂いた役柄の1つひとつと全力で向き合っていろんな人生を生きられるなんて、すごく意義のある職業だなと感じるんです。今後も僕は僕の道を極めながら、同時に人間としての気づきも見逃さず大切に蓄積していけるような時間を送っていきたい。その上で、どんな役にも恥じることなく演じられる俳優になれたらと思っています」

(ライター 松木智恵)

[日経エンタテインメント! 2017年4月号の記事を再構成]

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