サーモン、サバに次ぐ戦略魚が「フィヨルドトラウト」

フィヨルドで育てられたニジマスのうち、特に品質が高い「プレミアム魚」。かつては「サーモントラウト」と呼んでいたが、チリ産などと区別するため、10年にブランド化を図った。サーモン、サバに次ぐ戦略魚で、日本では輸入の8割がレストランに流通する。

フィヨルドトラウト
フィヨルドトラウトのタルタル。鮮やかなオレンジの身は軟らかく、生のまま食べられ、サラダに向く

突如増えた「北極圏のカニ」

日本人が好んで食すズワイガニやタラバガニ。実は近年、ノルウェー産の存在感が高まっている。旧ソ連時代、オホーツク海のカニが北極圏のバレンツ海に放流されたのをきっかけに、急激に繁殖。毎年、ノルウェーとロシアの間で漁獲量を取り決め、輸出に回している。

ズワイガニ
タラバガニ

“シシャモ”として食卓に定着した「カペリン」

シシャモは北海道の太平洋沿岸のみに生息する日本の固有種。スーパーでよく見るシシャモはカラフトシシャモ(カペリン)で、ほぼノルウェー産だ。細長く、体高がほとんど均一なのが特徴で、子持ちのメスが人気。

カラフトシシャモ(カペリン)
焼いたカラフトシシャモ。日本産のシシャモは希少で、あまり市場に出回っていない

ニシンは禁漁で漁獲量回復

ノルウェー沿岸は世界的なニシンの漁場。70年代初頭に乱獲のため、資源が一時枯渇したが、禁漁措置を経て漁獲量が回復した。一方、日本では水揚げ量が激減しており、ノルウェーの冷凍ものが食卓で重宝されている。

ニシン

フィヨルドが産む高品質なシーフード

では、ノルウェー産の強みは何か。ヴィエ氏はフィヨルドの地形を挙げる。山からの雪解け水が海に混ざって魚が育つ絶好の塩分濃度となる。さらに漁船ごとに漁獲量を定めて乱獲を防ぎ、量より質の高収益な漁業を確立した。

ノルウェーはもともと欧米では数少ない捕鯨国で、日本との縁も深い。ノルウェーから届く海の幸も食卓に欠かせない存在となったが、ヴィエ氏はまだ満足していない。「北欧のデザインのように“ライフスタイル商品”として選ばれるようになりたい」。その言葉にシーフード王国の誇りを感じた。

(日経トレンディ編集部)

[日経トレンディ2017年5月号の記事を再構成]

日経トレンディ 2017年 05 月号

著者 : 日経トレンディ編集
出版 : 日経BP社
価格 : 600円 (税込み)


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