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リーダーのマネジメント論

「人事は不公平」に挑むアイリス流の360度評価 アイリスオーヤマ社長 大山健太郎氏(中)

2017/3/21

 「イエローカード制度」「論文発表」など独自の社員評価制度を持つアイリスオーヤマ(仙台市)。今では広く普及している360度評価も2003年から取り入れるなど、大山健太郎社長は「社員にとってよい評価とは何か」を徹底的に考えてきた。シャープなどからベテラン技術者を積極採用し、家電事業にも本格的に乗り出す大山社長に、人の成長につながる評価とは何かを尋ねた。

■人柄、意欲、能力の順でチェックする

 ――人を新たに採用するときの、評価の基準はありますか。

 「アイリスオーヤマ(以下、アイリス)の新卒採用には、3つの基準があります。順に、1に人柄、2に意欲、3に能力。人柄が悪い、なんて人はそんなにいません。だいたい8割合格です。『入りたい』と思う人は比較的意欲が高いし、滑り止めとして内定をもらおう、という人は意欲が低いのだから、これもあまり問題がない。能力は、最後です。しかし、たいてい逆で、まず試験で選ぶでしょう。何々大学を卒業して入社試験の成績がよかった、といわれてもこの結果からは人柄も意欲も伝わらないよね。よくいうのだけど、能力があっても意欲がない人って結構います。これは組織が困ります。もっと困るのは、能力と意欲があっても人柄が悪いという例。意外といるんですよ」

 「組織はチームプレイです。野球でも、たいした選手がいなくても名監督がいて、チームの心の1つになると強くなるときがあるでしょう。どんなに能力の高い選手をそろえても、チームプレイである限り心が1つにならないとうまくいかないし、一人でも人柄が悪いのがいると組織は乱れます」

 ――能力は筆記試験でわかりますが、人柄の選別は面接でも難しいのでは。

 「わかりますよ。人事担当者はプロですから、人柄を見られないようではだめです。能力とは、結局学校の成績です。学校出てすぐ会社に入るわけだから。しかし、知っていることを伝えられるのが学校の成績ですが、仕事の現場では知っていても、できなければ何の意味もない。できて初めて『知っている』といえるのです。ですから、アイリスでは学校の偏差値や学部も参考にはしますが、合否の大きな基準にはしません。入社してから、業務や研修で育ってもらえばいい」

■徹底した360度評価

 ――従業員の評価は、どのような基準なのですか。

 「3つの基準があります。1つ目が能力。30歳前後で就く『リーダー職』以上の社員は全員、テーマを提示して、A4判、2ページ分ほどの論文を書いてもらっています。その論文と前年の成果について、役員や幹部の前で発表してもらうのです。テーマで一番多いのは、今の部署の課題に対してどうアプローチしていくのか、解決していくのか、今の自分の問題点と解決方法などですね。2つ目が実績。しかし、これは商品や得意先、景気などの環境要因で変わります。たまたま仙台支店で成績が良かった人が、他の地域でも好成績か、といえばこれはわからない。自分の扱っていた商品がヒットすれば、売り上げはのびます。3つ目が、360度評価です」

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