春は仕事も気持ちも新しく切り替わる季節。特に新年度の初めは何かとあわただしく、食事を用意する時間も惜しい……そんなとき、自宅に常備しておくと便利なのがレトルトカレーです。今どきのレトルトカレーは美容や健康に着目した商品が多く、忙しいときの救世主になってくれます。今回はヘルシーさに特化したレトルトカレー19種類(価格は170~660円)を集め、女性の食の専門家による食べ比べを実施しました。ランキングベスト3も発表します!
スパイスは体の巡りを良くする優れモノ
カレーに配合されているクミンやコリアンダーのさわやかな香りや、クローブや八角の深みのある風味は、気持ちをリラックスさせてくれます。また、唐辛子やコショウは刺激によって体の中からポカポカと温かくなる効果があり、冷え性の人にもおすすめ。実は、カレーにはこうした体の巡りを良くしてくれるスパイスが豊富。
今回は、スパイスや薬膳に詳しい専門家4人が集結し、味や香り、具材、価格、パッケージ、利便性などを総合的に審査しました。


では、さっそく試食してみましょう。
元気が出る薬膳・漢方カレー
まずは、薬膳・漢方系のカレーをチェック。特に薬膳は、食事から健康を維持する効果があり、基礎代謝を高め、ときにはリラックス効果も発揮してくれるといわれています。
「香食楽黒カレー」(白子、430円/200グラム)は、国際中医薬膳師免許を持つ調理師の店主が作る薬膳カレー店「香食楽」の味をレトルトカレーにしています。斉藤さんからは、「インパクトがあって記憶に残る味。食べ進めるほどに後味がよくなって、不思議な魅力があります」と、五感を大切にするフードアナリストならではの評価。
一方、アニスや陳皮といった30種類のスパイスを使っている「国立薬膳カレー ビーフ」(AKプラス、660円/200グラム)は、牛肉の存在感に全員のテンションが上がりました。飲食店で長時間働く牛田さんからは「大きな牛肉に濃厚ソースが絡まっています。疲れたときにもパワーが出そう」と喜びの声も。
漢方相談専門店「薬日本堂」からは、3種の「巡りカレー」が登場。注目されたのが「山芋と3種のきのこの巡りカレー」(薬日本堂、332円/150グラム)でした。カレーに精通する伊能さんは「専門店ならではの高麗人参エキス入り! 漢方の複雑な食材をうまく調和させてコクもある。ご年配の方にもおすすめしたいです」。
ノンオイルやカロリーオフのカレー
女性だけではなく、男性も気になるカロリー。高カロリーのイメージが強いレトルトカレーですが、健康志向の人にアピールする商品が年々増えています。カロリーが気になるけどカレーを食べたい!と思う人にとってはうれしい商品です。
ノンオイルのレトルトカレーを数多く発売しているアイケイの商品で評価が高かったのが「18種国産具材のノンオイルカレー」(アイケイ、280円/120グラム)でした。試食した4種類すべてのレトルトカレーが、脂質0(ゼロ)、カロリーも54~65キロカロリーと驚きの数値です。「野菜は特にごぼうの味が効いています。仕事で疲れた体をケアしたいときに食べたい」(古川さん)。さらに糖質も気になるのであれば「食べるときのご飯の代わりに、キャベツにしてみては?」という意見が多くありました。
一方、昨年発売された「マイサイズ いいね! プラス 塩分が気になる方の欧風カレー」(大塚食品、170円/150グラム)、「マイサイズ いいね! プラス たんぱく質を摂りたい方のキーマカレー」(大塚食品、190円/130グラム)は、栄養管理が必要な人にも食事のバランスを取りやすい商品です。「塩分1グラムはすごいです。塩はカレー全体の味を引き締めてくれる要なので、塩分を気にするカレー好きにはおすすめかも」(伊能さん)
体に優しい具材満載カレー
カレーの定番具材といえば、野菜、肉、魚ですが、隠し味のショウガや雑穀など、女性が注目する食材をメイン食材にした商品が多くなってきました。
高知県の特産食材尽くしの「豚と大豆と生姜のカレー」(高知県特産品販売、350円/200グラム)に斉藤さんは「さらりとした口当たりなので、朝食でもよさそう。3種の具材がそれぞれ主役となって、バランスよく仕上がっています」とコメント。
岩手県産の5種類の雑穀を使用した「五穀カレー」(岩手県産、450円/200グラム)には、審査員全員が「雑穀に着目し、他商品との差別化ができています」と評しました。雑穀は昨今、女性が注目するヘルシー食材のひとつですが、雑穀アドバイザーである牛田さんは加えて「質のよい雑穀なのだから、もっと雑穀のプチプチとした存在感がほしい」との意見も。
最後に、レトルトカレー食べ比べランキングベスト3の発表です。