グルメクラブ powered by 大人のレストランガイド

食べ物 新日本奇行 classic

福井でたくあん煮、新潟で野沢菜煮 全国各地に漬物煮 漬物(5)

2017/3/18

PIXTA

 盛岡のお豆腐屋さん、といっても大手メーカーだが、そこから秋に穫れた新大豆で作った豆腐が送られてきた。以前、豆腐の取材で盛岡にお邪魔した折にそこの社長にお話を伺ったのである。

盛岡の豆腐

 盛岡は全国で一番豆腐を食べる町として知られている。海との交通を北上山系で遮られ、昔から海の物が入って来にくい場所だった。そこで、たんぱく源として大豆を重用し豆腐をたくさん食べてきたということである。

「ある物がその土地で食べられるには理由があり、食べないことにも理由がある」というけれど、盛岡の豆腐は「食べる理由がある」代表的な食べ物かもしれない。

盛岡市内玉山のホルモン鍋 豆腐たっぷり

 その豆腐はさすがに新豆、しっかりと甘やかな豆の味がする。絹ごしは冷ややっこでいただいた。別に高い醤油を使っているわけでもないのに醤油の味まで引き立って嬉しかった。木綿は味噌汁に入れた。木綿といっても舌触りは滑らか。豆腐激戦地のものはさすがにレベルが高い。

 残るがんもは煮物にしよう。揚げはネギとともに味噌汁にする予定である。

 前回、たくあんを煮る地方がどこであったか思い出せないと書いたら、思い出させてあげるよというメールがいくつも寄せられた。

福井のたくあん煮
ご意見 野瀬さんが思い出そうとしていた”たくあんを煮て食べる地域”が福井のことだったのかどうかはわかりませんが、私のおばあちゃんは、よくたくあんの古漬けを煮ていました。福井のスーパーのお惣菜売り場でも見たことあります。
 おばあちゃんは生まれも育ちも福井県です。これがすっごくおいしいんですよね。私の大好物です。といっても、おばあちゃんが年を取ってたくあんを自分で漬けなくなってからは食べたことがありません。母は買ったたくあんを煮てもおいしくないと言ってます。というわけで、今となっては、私にはまぼろしのごちそうです(福井県福井市育ち、今は根無し草さん)
福井県に接する琵琶湖の湖西で食べたたくあんの煮物
ご意見 福井県はそのひとつです。少なくとも北部(嶺北地方)では。
 冬に漬けたたくあんが季節が暖かくなって酸っぱくなったら、水に漬けて塩出しした後、醤油ベースに赤トウガラシをちょっと入れて煮ます。軟らかく煮たのが好きと言う人や、しゃきしゃきしてなきゃと言う人もいる模様。ちなみに、煮てるとたくあんのすごいニオイが家中にたちこめるんだな~。
 スーパーの惣菜売り場にも定番で置いてあります。名前はあるようなないような。たいてい「たくあん煮」とか「たくあんの煮物」とか「たくあんの煮たの」とか、そんな風な安易な呼び方をされる食べ物です。
 同じ作り方の食べ物を京都のおばんざいでは「ぜいたく煮」(大根をわざわざ漬物にしてから煮物にするので)と呼ぶというのも聞いたことがありますが、本当でしょうか?(あっちゃこっちゃさん)

 福井だったか。うーん、そうだったかなあ。記憶をたどってみる。

 思いだした。金沢だ。金沢で食べた。居酒屋だった。福井の人がやっていたのだろうか。

 当時は食べ物に特段の興味があるわけではなく、「うちの方ではたくあんを煮てたべるんですよ」「へえ、そんなところがあるんですか」みたいな会話しか交わしていなかったと思う。店の人が福井出身だった可能性が高い。

 私は皆さんからのメールの束、ときに山を読んでいていつも思う。この人たちどっかで談合してない?と。

ぜいたく煮=PIXTA
ご意見 「おこうこ(たくあん)のぜいたく煮」と言えば京のおばんざいのひとつです。別名「大名煮」とも言います。なんでかと言うたら、そのままでも食べられるもんにわざわざ手をかけるから。ただし、もともとは禅寺で貴重な食材を最後まで食べきるために考案されたというお話もあり、今ならエコロジー料理と言えましょう。
 作り方は、古漬けのたくあんを水に漬けて塩出しし、だしじゃこ・鷹の爪と調味料と一緒にことこと炊きます。お酒のつまみにもええもんですよ(いけずな京女43歳さん)

 あっちゃこっちゃさん、そういうことのようです。何ともタイミングがいいメールではある。本当に談合してない?

 煮る漬物はたくあんだけではない。

グルメクラブ新着記事

ALL CHANNEL