奈津子 4Kテレビが物足りない、スピーカーで音強化女優・奈津子の 教えて!家電ティーチャー

日経トレンディネット

ソニーが2017年3月11日に発売するホームシアタースピーカーシステム「HT-MT300」(直販価格3万2880円)
ソニーが2017年3月11日に発売するホームシアタースピーカーシステム「HT-MT300」(直販価格3万2880円)
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家電ティーチャーの奈津子です! 皆さんは自宅でテレビを堪能していますか? 最近は薄型テレビが手ごろになり、最新大画面テレビのほとんどが4Kテレビで占められているほどです。4Kブルーレイ、Netflixをはじめとする4K動画配信サービスなど、コンテンツを堪能する方法もどんどん増えてきました。自宅で映画やドラマ、好きなアーティストのコンサートなどを楽しむ人も多いのではないでしょうか。

でも、ちょっと不満を感じることってありませんか? 確かに4Kテレビはきれいですが、映像の美しさに比べて物足りないのが……そう、「音」ですよね。液晶テレビが登場したころに比べても、最近のテレビはさらに薄型化しているため、どうしても高音質なスピーカーを搭載することが難しいのです。

そこで注目したいのが「ホームシアタースピーカーシステム」です。最も本格的なタイプとしては「AVアンプ」(AVセンターなどとも呼ばれます)と複数のスピーカーを組み合わせるものもありますが、最近人気なのが「サウンドバー」タイプ。テレビの前や下などに横長のスピーカーを置くことでサウンドを強化するというものですね。サウンドバーにはそれ単体で動作するものもあれば、重低音を響かせる「サブウーファー」を組み合わせたモデルもあります。

というわけで今回は、ソニーとボーズから登場した、比較的低価格なホームシアタースピーカーを紹介したいと思います!

ソニーは「ハイレゾ対応」とエントリーモデルの2機種

まずはソニーのホームシアタースピーカーシステムから紹介しましょう。

ソニーが2017年3月11日に発売する最新モデルは「HT-MT500」(直販価格6万9880円)と「HT-MT300」(同3万2880円)の2機種です。その大きな魅力は「スリムでコンパクト」なこと。どちらもテレビの前に設置するサウンドバーに、重低音を担当するサブウーファーを加えたものですが、サウンドバーもサブウーファーもかなりコンパクトに仕上がっています。特にサブウーファーはキューブ型で場所を取るモデルが多いなかで、とてもスリムなのが印象的です。

「HT-MT300」。チャコールブラックとクリームホワイトの2色展開となっている

まずはエントリーモデルのHT-MT300を体験しました。チャコールブラックとクリームホワイトの2色展開で、角が取れたフォルムになっています。流行りの「塩系インテリア」にマッチしそうなあっさりとしたデザインは好感触です。税抜き3万2880円というお手ごろ価格も魅力ですね。

スピーカーがコンパクトなので、最初は音がちゃんと広がってくれるのかなと心配になりましたが、全くの思い過ごしでした。映画『カーズ』の映像を視聴したのですが、部屋全体がサーキット会場のなかにいるような迫力を感じました。後で紹介するボーズのSoundTouch 300 soundbarに比べて少しカジュアルめの音質ですが、音の広がり感がものすごくて、長く聴いていても疲れなさそうです。

また、何十人ものニュース番組のキャスターの声質を研究し尽くし、ニュース番組や通常のテレビ番組、スポーツ番組の音質もよく聴こえるようにしたのだとか。その話の通り、「普通のテレビ番組」の音質がかなりクリアに、かつ心地よく聞こえます。これはかなりうれしいですね。まさに「テレビの音が生まれ変わっている」といった印象です。

低音についても、スリムだからといって力強さがないなんてことは全くありません。そのままではちょっと低音が強すぎると感じるほどにパワフルな低音を響かせてくれます。低音の強さはリモコンで調節できるので、重低音が苦手という人は弱めてみてもよさそうです。

もう1機種のHT-MT500は、CDを超える音質を実現した「ハイレゾ音源」に対応するモデルです。側面のUSB端子にハイレゾ音源を入れたUSBメモリーなどを挿すと、音楽を手軽に楽しめるようになっています。

ソニーが2017年3月11日に発売するホームシアタースピーカーシステム「HT-MT500」(直販価格6万9880円)
幅約50cmと、かなりコンパクトに仕上がっている

HT-MT500を試聴して驚きました。HT-MT300も音の広がり感があって臨場感を存分に味わえるのですが、聴き比べてみるとMT300のほうは「迫力優先」という感じ。一つひとつの細かい音が聞こえてくる感じは、HT-MT500のほうが圧倒的に上という印象でした。見た目はほぼ兄弟という感じながら、実勢価格は2倍以上なのも納得の仕上がりです。

ハイレゾ音源も試聴しました。使い方としては、Bluetooth経由でスマホの音楽を楽しむのが中心になるのかなという気はしますが(Bluetoothは両機種とも対応しています)、テレビの前に座って音楽を堪能するというスタイルも十分に楽しめそうな音質でした。

ソファーの下に設置できる「ソファモード」がユニーク

HT-MT500/MT300の特徴の一つが、スリムなサブウーファーを縦置きにも横置きにもできる点です。スピーカーとサブウーファーの接続はワイヤレスのため、電源以外の面倒な配線をしなくて済むのも魅力です。

横置きができるとなると、置きたい場所が一つありますよね。そう、ソファーです! HT-MT500/MT300はサブウーファーの幅が約9.5cmとスリムなため、10cmほどの空間があればソファーやベッドの下などに設置することが可能です。多くの家具が下に10cmほどの空間があるそうで、サブウーファーの幅を何としてでもそこに収まるように開発したのだと担当者の方は話していました。

もう1つ魅力的なのが「ソファモード」です。これはサブウーファーの距離が近づくことによる音のズレを補正して音量を最適化するだけでなく、ソファーのクッションによって変化するサブウーファーの音質を補正するのだそうです。

ソファーで視聴しやすいように「ソファモード」を搭載している

実際に体験してみましたが、最初はソファモードというと振動が直接体に伝わるほどの迫力を体感できるのかと思いました。でもそれは全くの逆でした。音に突き上げられるような感覚で2時間ほどの映画を視聴するのはつらいということで、ソファーの下に置いても快適にリラックスして楽しめるような音に仕上げているそうです。

逆にソファモードをオフにすると、突き上げるような重低音を、まさに体で感じられます。これは楽しい! 『カーズ』冒頭のレースシーンでは、重低音や劇中での効果音が実際の振動となってソファーを響き渡る感じでした。「音を体感できる」というのは、大人はもちろんのこと、子供はかなりうれしいのではないかと思います。

私がどちらを買うか、どちらをオススメするかというと圧倒的にHT-MT500ですが、税込みで7万円を超えるとなるとちょっと手が出づらくなるのも確か。HT-MT300も音に包まれる感じがとても心地よかったので、コスパはかなりいいのではないかと思います。

「Lifestyle 650」はさすがのボーズサウンドでも、ちょい高……

続いてはボーズのホームシアタースピーカーシステムを紹介しましょう。まずはハイエンドモデルの5.1chホームシアタースピーカーシステム「Lifestyle 650 home entertainment system」(2017年2月18日発売、直販価格49万円)から。映画『ジュラシックパーク』の劇中で、恐竜が隠れていた人を見つけて襲いかかろうとするシーン。あれ……こんなにコンパクトなのに音が粒立っていて、放射状にまんべんなく広がっていく様子はまるで映画館のようです。

ボーズのホームシアタースピーカーシステムのハイエンドモデル「Lifestyle 650 home entertainment system」(直販価格49万円)

シーンの臨場感や、モノが飛ぶ音、役者達の息づかいなどが情報としてどんどん耳に入ってくるだけでなく、緊迫した状況での心拍数の乱れのようなものまで感じられました。税込みで50万円を超える高級モデルだけあって、音に包まれる感じが素晴らしかったです。

続いては、よりお買い得感のある注目モデル「SoundTouch 300 soundbar」を紹介しましょう。こちらは2月10日発売で、直販価格は7万5000円です。幅978×奥行き57×高さ108mmというコンパクトサイズがかなり魅力的です。

ボーズが2017年2月10日に発売した「SoundTouch 300 soundbar」(直販価格7万5000円)

デザインは天面のツヤツヤなガラストップ仕上げがとても美しいです。高級なスイーツ屋さんの細長いチョコレートケーキのようにも見えます。サッとから拭きすれば、ホコリなどのお手入れもラクそうです。

ボーズというとLifestyleシリーズのように「高音質だけどお高い」というイメージがありましたが、SoundTouch 300 soundbarは税込み8万円ちょっと。サウンドバータイプのホームシアタースピーカーシステムとしては安いほうではありませんが、ボーズ製品としては値ごろ感があります。

「天面のツヤツヤなガラストップ仕上げがとても美しいです」

付属のリモコン以外でも、専用のアプリをダウンロードすればスマホやタブレットからも操作できるとのこと。Bluetoothにも対応しているので、スマホやタブレットの音楽をサウンドバーで楽しむこともできます。

ボーズの「SoundTouch 300」はアップグレードできるのが魅力

こんなにスリムで本当にホームシアターレベルの音が楽しめるのかな……?と最初は少し疑問に思っていたのですが、そこはさすが“ボーズサウンド”という感じですね。

Lifestyleシリーズは前方に3つと後方に2つのスピーカーに加えて、サブウーファーを設置するため、音がどこから鳴っているかがはっきりと分かるような感覚があります。でもSoundTouch 300 soundbarの場合はサウンドバータイプのスピーカー1基のみながら、広い空間で上下左右さまざまな場所から音が鳴っている感覚があるのが驚きでした。

その秘密が「フェーズガイドアレイ」という仕組みです。スピーカーから出る音をビームのように飛ばすことで、スピーカーのないただの壁や天井からまるで音が出ているような効果が得られるというものです。

音をビームのように飛ばす「フェーズガイドアレイ」のデモ用機器
「写真では分かりづらいですが、剣のようになっている先端からレーザーポインターの光が出ていて、その場所から音が聞こえてくるのが不思議な感じです」

デモでは映画に加えて、ポップな洋楽やムーディーなジャズ、のりのりなヒップホップなどさまざまなジャンルの音楽がリミックスされたナンバーを試聴しました。どのテイストの曲も低音が響く「ボーズらしい音質」でありながら、豊かな情緒とのびやかな広がりを感じました。

これなら、映画やテレビを楽しむホームシアターとしてもオーディオ機器としても十分楽しめそうです。

もう1つ、今回のSoundTouch 300 soundbarが“うまいっ!”って思うところが、「アップグレードができる」という点です。

SoundTouch 300 soundbarはサブウーファーのない、シンプルなサウンドバータイプのスピーカーシステムです。でも必要に応じてサブウーファーの「Acoustimass 300 bass module」(直販価格7万5000円)やワイヤレスリアスピーカーの「Virtually Invisible 300 rear surround speakers」(ペアで同3万5000円)を追加することで、サウンド体験をさらに充実させることができます。全部そろえるとトータルで税込み約20万円になってしまいますが、初期費用を少なめに抑えつつ、お金がたまったらオプションを追加するという買い方ができるのは魅力的なのではないでしょうか。

サブウーファーの「Acoustimass 300 bass module」(直販価格7万5000円)
ワイヤレスリアスピーカーの「Virtually Invisible 300 rear surround speakers」(ペアで同3万5000円)

SoundTouch 300 soundbarは2月10日に発売されたばかりですが(オプションは2月18日発売)、すでに家電量販店などで大人気になっており、ボーズの直販サイトでは在庫切れになっているほどです。興味のある方は、ぜひ一度試聴してみてください。

(文 奈津子、構成・写真 安蔵 靖志)

奈津子(なつこ)
奈津子女優・タレント。家電製品総合アドバイザー ゴールドグレード(AV情報家電)。元SDN48。特技は茶道、日舞、家電。餃子部部長。Webサイト「気になるアレを大調査ニュース! しらべぇ」にて、双子の妹・亜希子とコラムを連載中。

[日経トレンディネット 2017年2月17日付の記事を再構成]

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