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全米でも日本でもモテる街、ポートランドの秘密 ライター 小野アムスデン道子

2017/3/17

地元でも日本と関わりのある人は「オレゴン富士」と呼ぶフッド山

 米国のオレゴン州にあるポートランドをご存じだろうか。米大手旅行雑誌『Travel+Leisure(トラベル・アンド・レジャー)』が2016年度に発表した「全米一、夏に行きたい街」に輝き、旅先としても、住みたい街としても一番に上ることが多い街だ。日本でも本が出たり雑誌の特集を飾ったりするなど、昨今、人気の街でもある。ポートランドと東京を行き来している筆者の目から、この街の「モテる秘密」を探ってみようと思う。

■絨毯敷きの空港で生演奏や無料映画館での上映

ダウンタウンでポートランドの看板を掲げるアーリン・シュニッツァー・コンサートホールは1928年築。オレゴン交響楽団の本拠地だ

 年間1600万人の客が乗降するポートランド国際空港(略称PDX)に降り立つと、何やら他のアメリカの空港と雰囲気が違う。ここには、よく空港にある酒や化粧品、ブランド商品などの免税品店がない。何せ元からオレゴン州には消費税などの「間接税」がないから、オールTAXフリー。その代わりに地元産にこだわる雑貨店や名物書店、ブルワリー(ビール醸造所)パブに果てはフードカート(固定型屋台)まで、ポートランドらしい店が並ぶ。

 そして、明るい色の絨毯(じゅうたん)が敷かれたコンコースには、どこからかピアノやギターの生演奏の音色が流れてくる。ホテルのロビーでも歩いているような気がするPDXは、ほっと和むような雰囲気を持っている。

笑顔を向けてくれたPDXで演奏する地元ピアニスト
空港に飾られたアーティストの作品にはプロフィルや連絡先も

 ポートランドは、エコロジーでサスティナブル(持続可能)、ヒップスター(個性的なインディー文化を好む層)の街とよくいわれるが、何といってもローカル愛の強さがこの「ポートランドらしいカルチャー」をつくっていると思う。空港ではアート&エンターテイメントプログラムの一環としてこのような音楽演奏や地元アーティストの作品展示が行われている。

 空港内の飲食店なども空港の担当者が、地元の評判の店に出向いて、出店しないか、とオーナーに直接交渉するのだそう。また、空港と市内は同じ値段であることをルールにしている。ここは、空港である前にポートランドの一部なのだ。最近、オレゴンのフィルムメーカーによる映画を無料で楽しめるミニ映画館までオープンして話題になっている。このローカル感が漂う空港からして『ポートランドらしい』。

■ほかとは違っていてもポートランドらしく自然体で

 モテる理由は、他にはないこの『ポートランドらしさ』。その精神は、街のあちこちに落書きもされている「 Keep Portland Weird(変わり者でいこうぜ! ポートランド)」というスローガンに表れている。

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