「日本人は冷たい」と思われてしまう4つの英語
デイビッド・セイン「影の英語」(18)許可しない
ひとつの言葉は様々な顔を持っています。日本人の言葉が意図していない意味合いで伝わることもあります。日本人向けの英語教育で豊富な経験を持つデイビッド・セインさんが、日本人が使いがちな言葉から「影にある意味」を紹介します。今回は同僚や上司にNo. を言う場面です。
あなたが人に頼まれる場面にいるとき、Yes. の場合は抵抗なく、むしろ喜んで気持ちを伝えられるでしょう。でも、社会では、特にビジネスでは、心を鬼にしてNo. を言わなければならない場面もあります。相手は決してハッピーではない、あなたもハッピーではないはず。一番いけないのは、そこに断る人の「個人的な感情がある」と思われることです。
だからこそ、あなたのNo. から、相手が不快になることなく、その後の仕事も潤滑に進めていけることが大切です。
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I'd like to ask for your permission to start negotiating with ABC. 「ABC社と交渉を始めるのを許可していただきたいのですが」
正しい訳:これは承諾できないね。
影の意味:これは許さない!
I don't approve of this. は落ち着いた目上の人からの言葉。「これはよくないこと」「これは困る」のように「承諾」の意味はなく、ただ、ただ「困る」を意味しています。I don't approve of you coming to work drunk. 「職場に酔って来てもらっては困る」。
正しい訳:できないです。
影の意味:却下!
頼んできた相手に対する配慮も何もない、上から目線の冷たい言い方。
正しい訳:NOと言うね。
影の意味:そうね、だめだね。
I'll は実は日本人の理解している「~するつもり」とは若干異なったニュアンスがあります。以前から考えていたのではなく、その場で「瞬間的」に答えを出しています。相手が真剣にお願いしているときにI'll say no. は失礼と取られる可能性があります。