17年は桐谷にとってデビュー15周年。『ROOKIES』や『クローズZERO』など、数々の映画やドラマで活躍してきたが、CMでのブレイクは、本業でのさらなる躍進にもつながった。16年はNHKドラマ『水族館ガール』に主演(松岡茉優とW主演)し、月9ドラマ『カインとアベル』では山田涼介とツートップの兄弟役を演じるなどステージを一段上げた印象だ。

役柄も広がっている。2月に公開された映画『彼らが本気で編むときは、』では、生田斗真が演じるトランスジェンダーの女性の恋人役を務め、浦ちゃんとは180度違う、繊細なたたずまいで見る者を魅了する。

「自分としては、毎回、新しい役柄に挑戦してきたつもりなんですよ。でもパブリックイメージとしては、明るく元気で、熱血漢で、といった感じがあると思うので、『彼らが本気で編むときは、』は自分の新しい一面に気づいてもらえる作品になったんじゃないかという予感がしています。

30代に入ってから、いただく役が広がってきたなという感覚はありますね。『こいつにこんな役をやらせたらどうなんのやろ?』と思ってもらえるようになってきたのかな。意外なところでは、『海の声』で歌番組に出ている時の立ち姿を見て、『クールな役のイメージが湧いた』と、おっしゃる方もいましたね。何が次につながるか分かりませんね」

ジャパニーズドリーム感を感じる

テレビの力が弱くなり、CMも影響力の低下がささやかれる昨今。出演者の側である桐谷は、取り巻く状況についてどのように感じているのだろうか。

「CMの影響力は、ハンパないですけどね(笑)。子どもたちなんか『浦ちゃん、浦ちゃん!』ってみんな駆け寄ってきますし、ひどいときは『ウラ!』ですわ。『呼び捨てすなー!』言うたりしてね(笑)。

もちろん昔と比べたら、テレビよりもケータイを見るような時代になったのかもしれない。でもCMは、ドラマが好きな人もバラエティーが好きな人も、どっちも見てもらえる可能性がある。しかも企業がお金をかけて、本気出して作ってる、ある種の芸術作品。『海の声』編では、『流れた瞬間に涙が止まらなくなった』と言ってくれる方もいました。それぐらい力があるんだって改めて実感しましたし、子どもたちに周りを囲まれると、もう、ものすごいジャパニーズドリーム感を感じますよ(笑)。

CMには、めっちゃいろんな経験をさせてもらってます。これからもいろんなCMで、いろんな自分を見いだしていけたらうれしいですね」

2016年度CMタレント好感度ランキング

CM総合研究所調べ。集計期間:2015年11月度~2016年10月度
CM好感度調査のうち、「好きな」CMの「好きな点・印象に残った理由」として挙がった「出演者・キャラクター」項目のポイントを、出演タレント別に集計したもの。CMに複数のタレントが出演している場合はポイントをそれぞれに加算

(ライター 泊貴洋)

[日経エンタテインメント! 2017年3月号の記事を再構成]

エンタメ!連載記事一覧