菅田将暉 au鬼ちゃんで躍進、意外な顔で次々魅せる愛されるCMタレントの条件(1)

ストーリー仕立てやキャラクターものが増え、タレントにとってはイメージ重視から演技の場へと変化したCM。では、今の時代に愛されるCMタレントの条件とは? CMでひっぱりだこの菅田将暉、西島秀俊、吉田羊が人気の理由を、3回連載で分析する。

第1回は、au「三太郎」シリーズで鬼ちゃんを演じて以降、活躍がめざましい菅田将暉を取り上げる。

すでに人気を得ていたau「三太郎」シリーズだが、超軽いチャーミングな鬼ちゃんの登場は、その世界観をさらに広げた。「『三太郎』シリーズ開始前から、制作は菅田の出演を考えていた」(業界関係者)という

今や、名実共に若手俳優のトップクラスに名を連ねる菅田将暉。NHK連続テレビ小説『ごちそうさん』(2013年後期)で演じた主人公の長男・泰介役などで、早くから演技の評価を得ていたが、彼の知名度アップに大きく寄与したのはCMだろう。

その名が広く知られるきっかけとなったのは、何といってもau三太郎シリーズだ。菅田が明るく調子のいい鬼ちゃんを初めて演じた「鬼、登場」編(15年9月)は、10月度には、三太郎シリーズCMのなかでトップの好感度を記録(CM総合研究所調べ)。15年度の作品別年間ランキングでも1位を獲得した。打って変わって、シリアスに太鼓を叩く姿を披露した、auでんき「雷さま」編も好評で、こちらは16年度の作品別ランキングで2位となっている。

折れ線グラフは、アーキテクトが3カ月に1回実施している「タレントパワーランキング」の認知度。黒枠内の順位は「銘柄別CM好感度ランキング」(CM総合研究所調べ)の順位

続いて話題を集めたのが、サイゲームス「グランブルーファンタジー」(15年12月~)だ。「グラブってる?」というフレーズを意味深に用いたこのCMで、菅田は斜に構えた高校生役を担当。なかでも、家族で食卓を囲む穏やかな時間が凍りつく「食卓」編が高い好感度を得て、16年1月度の銘柄別CM好感度ランキングで11位にランクインした。話題のCM作品へ相次いで出演したことで、菅田の認知度は急上昇。アーキテクト社の調査では、15年2月度の21%から、16年2月度は49%へと倍以上アップしている。

■CMごとに異なる顔を見せる

16年に入っても菅田のCM起用は続く。しかも、CMごとに様々な顔を見せた。

15年からの2本に加え、16年は新規でも6本に出演。短時間で印象的に演じることに長け、若者をターゲットにしたい保険会社のCMにも起用されている

3月から放送が始まった花王『メンズビオレ』は、肌に気を使う<肌男>として、清潔感あふれる自然な若者の姿、続く4月から放送の『ファンタ』ではラップを披露した。一方、住友生命保険「1UP」(6月~)は、マイペースな若手社員役。保険に加入したことでほんの少しだけ成長する姿をひょうひょうと、そしてシュールに演じた。

「こんな面も持ち合わせているのかという意外性をCMで見せ、好感度を高めた好例」とCM総合研究所の関根心太郎代表は語る。

16年は連ドラ2本、映画9本と、演技面でもフル稼働。『暗殺教室~卒業編』『デスノート Light up the NEW world』『溺れるナイフ』など出演映画のヒットも続いた。CMと演技の両輪でお茶の間に顔を売り、16年11月度のタレント認知度は63%にまで上昇している。

(ライター 横田直子)

[日経エンタテインメント!3月号の記事を再構成]

「愛されるCMタレントの条件」は3回連続で掲載します
3月14日(火)菅田将暉
3月15日(水)西島秀俊
3月16日(木)吉田羊
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