『ハルチカ』ではフルートでけんしょう炎に
3月4日に公開される橋本さんの主演映画『ハルチカ』。累計60万部を突破している人気小説シリーズを原作に、ある高校の吹奏楽部を描いた青春純愛ストーリー。橋本さんはあこがれのフルートを吹くために吹奏楽部復活を目指す少女チカを演じる。
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『ハルチカ』の原作小説も、全部読みました。みんなキャラクターが個性的で、葛藤したり悩んだりしながら、キラキラしている。読んでいる時は本当にストーリーに引き込まれて、撮影ががぜん、楽しみになりました。
不安だったのはフルートです。完全に初心者だし、手が小さいので、まず指が届かないんですよ。息の使い方も難しくて、ブレスの速さで音の高さが変わったりもする。覚えなきゃいけない運指も多い。「私、撮影までに吹けるようになるのかな……」と、かなり不安でした。
フルートは猛練習して、撮影が始まってからも、時間を見つけては練習をしてました。特に難しいパートの撮影前は、若干、けんしょう炎になりながら直前まで練習を続けました。
しかもそのシーンの撮影は、1テイク目、失敗したんですよ。「うわっ、失敗した~!」と思いながら2テイク目、なんとか成功して。そのあと「吹けた!」と言って立ち上がる演技があるんですけど、それはお芝居じゃなく、本当に喜んで立ち上がってます(笑)。
小学校の卒業文集に「女優になりたい」
完成した『ハルチカ』は、私が実際に高校生の時に撮った作品ですし、同世代のキャストと役名で呼び合いながら、和気あいあいと撮影したので、本当にリアルな青春模様が出ていると思います。大変でしたけど、大変だったからこそ、楽しかった。すごく充実した時間でしたね。
女優のお仕事は、小学校の卒業文集に書いていたくらい、小さい頃からの夢だったんです。そんなお仕事ができていて、続けられるのもうれしい。これからもひとつひとつの役に真摯に向き合って、その役として生きながら、常に前向きに、極めていけたらと思っています。
1999年生まれ、福岡県出身。2013年、ファンによって撮影された1枚の写真がインターネットで拡散して注目を集める。女優としては11年に『奇跡』(是枝裕和監督)、15年に『暗殺教室』(羽住英一郎監督)などに出演。16年、角川映画40周年記念作品『セーラー服と機関銃~卒業~』で初主演。今年はヒロインを演じた『銀魂』(福田雄一監督)も公開予定。
『ハルチカ』
高校に入学し、憧れの吹奏楽部の門をたたいたチカ。しかし部は廃部寸前、幼なじみのハルタと部員集めを始めるが…。脚本・監督:市井昌秀 原作:初野晴「ハルチカ」シリーズ(角川文庫刊) 出演:佐藤勝利、橋本環奈、恒松祐里、清水尋也、小出恵介 3月4日(土)全国ロードショー 配給:KADOKAWA
(文 泊貴洋、写真 藤本和史)