奈津子は思う 「できる空気清浄機」は外見もこだわれ
奈津子の家電選び後輩目線
ついにあのシーズンがやってきました……。そう、花粉症です。日本気象協会が2月14日に発表した「2017年春の花粉飛散予測第4報」によると、九州から関東地方まで本格的な花粉シーズンがスタートしたそうです。
敏感な人はもうかなり大変なことになっているかとは思いますが、スギ・ヒノキ花粉は全国的に3月、4月がピーク。まだまだ今のうちに手を打てば、花粉が舞う春でも少しは気持ちよく出社できるかもしれません。そこで今回は空気清浄機を取り上げます。国内大手の空気清浄機のデザインが変わってきていること、先輩、知っていましたか?
デザインがいいのは海外メーカーだけではありません!
花粉症で悩んでいる人はもちろんですが、小さいお子さんがいる家庭などでも、ホコリや花粉などを除去してきれいな空気の中で過ごしたいもの。そういう意味で空気清浄機は気になる家電です。でも空気清浄機は家電のなかでも最も効果が目に見えにくいぶん、何を基準に選べばいいのか悩みますよね。
技術面はもちろん重要ですが、空気清浄機って部屋の中に出しっ放しになる製品。インテリアの中でも存在感が半端ではありません。だからデザイン性もかなり大きなポイントだと思うんです。
デザインが格好いい印象があるのは、やっぱりダイソンやブルーエアなどの海外メーカーではないでしょうか。国内でもカドーやバルミューダなど、ベンチャー企業の製品はスタイリッシュな印象があります。
その点、昔から国内で空気清浄機を販売している大手メーカーの製品はちょっとイマイチ……というか「地味で印象に残らない」とか「メカ要素が強すぎてダサい」とか、だいたいそのどちらかの印象を抱くことが多かった気がします。
しかし! 海外メーカーや国内ベンチャーの動きがあってか、最近は国内大手メーカーのデザインに対する考え方も大きく変わってきたように思います。私が特に注目しているのは、2015年秋に省スペースでおしゃれなスリムタワー型の空気清浄機「MCK55S」を発売したダイキン工業です。
ダイキンの空気清浄機のデザインというと、ずんぐりむっくりしていて、申し訳ないですが「ちょっと部屋には置きたくないなぁ……」という印象を持っていました。でも最新の空気清浄機はかなりおしゃれに仕上がっています。
実際、2016年10月に発売された最新モデルは、「あらゆるリビングのインテリアに調和する直線的なデザインを採用」とデザインを前面に押し出しています。プレスリリースの「商品の特長」の最初にもデザインを持ってきている力の入れよう。
なぜデザインを前面に打ち出す戦略を採用したのか。その狙いを聞くために、ダイキン工業の体感型ショールーム「フーハ東京」をたずねました。
買い替え時にデザインを重視する人は約3分の2
私からのズバズバとした質問にどっしりとした口調で答えてくれたのは、ダイキン工業 空調営業本部 事業戦略室 住宅用事業担当課長の谷内邦治さん。
近年、デザイン性に力をいれだした理由としては消費者側からのデザイン性の高さを重視する声が増えてきたからだと言います。
「空気清浄機を持っている人に"購入する際にデザインを重視するか"と聞いたところ、『重視する』が37%、『今後買い替える際にはデザインを重視する』が65%でした。購入したときにあまりデザインを重視していなかった方でも、使ってみるとやはりデザイン性が重要だと考えるようになるようなんです」
なるほど……。最初こそ性能を重視して購入するものの、やっぱり空気清浄機って基本的に付けっぱなしにしておくもの。お部屋の中でも目立つから、スタイリッシュさも求めるようになるんですね。
そこでダイキンは「インテリアフィット」を切り口にして、大風量のリビング向けの型をモデルチェンジしたとのこと。
ハイグレードモデルの「MCK70T」はホワイトとビターブラウンの2色展開で、シンプルな見た目は今はやりの"塩系インテリア"との相性もバッチリ。主張しすぎず地味すぎず、さまざまなインテリアにマッチしそうです。
もちろん機能にも手を抜いてはいません。「室内の温度が低いときには湿度を上げ、高いときには逆に下げるようにする"おまかせ運転"の機能もMCK70Tから搭載しました。湿度を調節するだけでも人はより快適に感じるようになるんです」
私が気に入ったのはスリムタワー形状の「MCK55T」。設置面積なんとハンドタオル約1枚分!(幅、奥行きがそれぞれ約27cm)。カラーも鮮烈な赤、ブラウン、ホワイトの計3色ラインアップしています。すき間に置きやすくて静音性も高いため、ワンルームや寝室、子ども部屋にも最適。適用床面積は約25畳なので、リビングルームでも問題なく使えるそうです。
「スマホ対応」も検討中
デザインに力を入れるようになったダイキンの空気清浄機ですが、個人的にはもう1つ希望があります。それはスマートフォン(スマホ)との連動です。
ブルーエアやダイソンなどの海外メーカーでは、室内の空気がどのくらいきれいかをアプリを使って確認できる試みも広がっています。決して安くはない買い物なので、目に見える感覚は満足度にも影響するはず。特に子どもがいる家庭などでは、その効果が気になると思います。
「近いうちに実現できればとは思ってはいます。ただ、現状の製品ですでにランプの色で清浄レベルをお伝えするものもありますし、『そこまで必要ない』というお客様の声もありますので、現在検討しているところです」
スマホをリモコンとして使える機種も増えていますが、そのあたりの実現性はどうなんでしょうか。
「スマホをリモコン代わりにするかどうかも、同じように検討中です。シニア世代のお客様も多くいらっしゃることに加えて、お部屋でのリモコンの台数をこれ以上増やすのも……という考えから、そのぶん本体での操作性をいかにシンプルで分かりやすくスタイリッシュにできるかを研究しています」
個人的にスマホアプリとの連動は、今後すぐにでも実現してほしいところなのですが、一方で、リビングで使う空気清浄機は幅広い年齢層が使用するケースが多い家電。リモコンはスマホではなく本体からしっかりと操作できたほうがいいという考えがあるのも分かります。
空気清浄機だってデザインは重要です!
もともと、電気集じん方式や独自の「ストリーマ」など技術に定評のあるダイキンですが、それに加えてさまざまなインテリアにマッチしやすいデザイン性を追求し始めたのは大きな注目ポイントだと、今回、谷内さんにお話を聞いて感じました。
近年ではオシャレな炊飯器や、ドア表面にガラスを用いた冷蔵庫、色味や形状にこだわった洗濯機などがどんどん出てきています。それだけ消費者がモノに対して、機能だけでなく「質の高さ」や「暮らしを豊かにする」ことを求めており、メーカー側がそれに柔軟に答え始めてきたという流れを感じています。
先輩、「できる男」は中身はもちろん、見た目にもこだわるんです。「家の中だから」と油断は大敵。オシャレな空気清浄機が部屋にあったら、先輩のイメージもアップするかもしれませんよ。空気清浄機の力を借りて、春先も花粉に負けずにさわやかに出社しちゃってくださいね!
女優・タレント。家電製品総合アドバイザー ゴールドグレード(AV情報家電)。元SDN48。特技は茶道、日舞、家電。FM東京「Skyrocket Company」の「家電で快適! 生活向上委員会」コーナー(毎週火曜午後6時ごろ~)にレギュラー出演中。インスタグラムのアカウント名は「natsuko_kaden」
(文/奈津子 編集協力/安蔵靖志)
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