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主婦を夢見たアナウンサーママ 会社員を続ける理由

フジテレビ 藤村さおりさん

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日経DUAL

1996年にフジテレビに入社以降、「めざましテレビ」のスポーツコーナーや「FNNスピーク」などのキャスターを担当、ファッションブランドとコラボした商品プロデュースや月9ドラマ「ガリレオ」でテレビ局のインタビュアー役として出演するなど、アナウンサー業の枠を超えて幅広く活躍してきた藤村さおりさん。

2010年2月に長女を出産、2013年1月に長男を出産し、2014年3月までの2度目の育休を経て、現在はフジテレビのアナウンス室の主任として、「FNNニュース(日曜)」「FNNスピーク(日曜)」「BSフジニュース」「ホウドウキョク×GOGO」などのアナウンス業務のほか、新人研修など後進の育成にも携わっています。そんな藤村さんが、働き続ける理由とは?

子どものころに抱いた憧れと現実は違うけれど

第一子の長女は早生まれのため、4月のタイミングで保育園へすぐに入ることができず、預け先が見つかるまで会社を1年以上休むことになりました。仕事を続けること自体の迷いはありませんでしたが、働き方について相当悩みましたね。

子どもと一緒に過ごすのはとても楽しいし、夫のことを満遍なくサポートしたい思いはあるけれど、私や家族にとってどの選択が幸せなのだろうと悶々とする日々。そこで、夫に相談したら、「自分は個人事業主でインカムが不安定だから、1本きちんと安定した収入があると助かる」と言われました。

「子どもを育てながらフルタイムで働くのはヘビーだな」と思ったのですが、同時にこれまでのように働きたい自分もいました。それに、夫の言葉を後押しと捉えたら、働いたため家事・育児にカバーしきれない部分ができてしまっても、「あなたが働いてほしいって言ったから…」と、交渉の伏線になるな、と(笑)。

私の母は料理も子育てもしっかりこなす専業主婦でしたし、私が入社した21年前は結婚している女性アナが片手ほどしかおらず、当時は出産したら専業主婦になるのが普通のスタイルだと思っていました。

今でも覚えているのが、小学校の卒業文集で将来なりたいものに"主婦"と書いたこと。さらに、「旦那さんのワイシャツをアイロンがけする」とも書いてありました。

でも、実際に結婚したら、仕事や日々の優先順位が高い他の様々なことに追われてアイロンをかける時間が取れず、夫が自分でクリーニング店にワイシャツを持っていくのが現実(笑)。実際、私がアイロンをかけるよりもクリーニングに出したほうが悲しいかなピンと仕上がりますしね。

子どものころに抱いていた理想の主婦のようには、私はなれない。自分ではできなくても、家計の範囲内でよりクオリティー高く仕上げてくれるサービスもある。それなら、私は私のできる範囲で私なりの母親像に向かって仕事も子育ても頑張ろうと思い、会社員として働き続ける道を選びました。

時間が不規則な仕事と2児のスケジュール管理に疲れ果てることも

アナウンサーの仕事は時間が不規則です。今は週に1日、朝のニュース番組を担当しているので、日曜日は夜が明ける前に出社しますし、夜に業務が入ることもあります。

6時間勤務の時短制度を申請していますが、6時間で帰れる日はほとんどなく、1週間で全部の曜日が異なる勤務時間なのでとにかくスケジューリングが大変。

わが家の共働き生活を成り立たせるには、毎日異なる勤務時間に合わせて、2人の子どもの預け先や行き場がなくならないように各所段取りをすることが最重要事項です。まずは、学童保育に通う長女と保育園に通う長男の1カ月のスケジュールを表で見える化し、自分の勤務時間と照らし合わせます。自分が対応できないときは、まず夫に聞いてみる。夫が稼働できないときは、自宅近くに住む実家の両親にお願いしてみる。それでも難しければ、シッターさんに依頼するというように段階をつけてオーダーし乗り切っています。

長女は学童保育から習い事へ行く日もあり、私が習い事のお迎えに行けない日は学童のシッターさんに別途お迎えも発注する必要があります。スケジュールが急に変更となる場合もあり、シッターさんに知り合いのシッターさんを紹介してもらったことも。

一方、仕事では他のアナウンサーのスケジュール管理も担当しています。タレントのマネージャーさんのように、各番組からのオーダーに合わせアナウンサーの仕事を決めていく業務です。家では2人の子どもと夫のスケジュールを調整、そして仕事では72人いる全アナウンサーのマネージングを担当する一員です。管理、管理の毎日なので、たまに"管理疲れ"してしまうことも(笑)。さらには、子どもが生まれる前から飼っていた犬、長女が小学校からもらってきたヤゴのお世話までしていたこともあり、公私にわたって幅広く管理をさせていただく日々です。

一日の中で朝が一番忙しく様々なタスクに追われている中で、会社に着いてから飲むあたたかい1杯のコーヒーでリフレッシュしています。

後進の育成にも注力。これまで培ってきた経験が生きるやりがい

アナウンサーになって今年で21年。今はアナウンス業務のほか、後進を育成するため、新人アナウンサーの研修も担当しています。新人が独り立ちすると、あっという間に現場でバンバン使われるようになります。1人1人の良いところ、魅力を伸ばすという部分を大切にしつつ、なるべく現場で困らないように、またご一緒したスタッフから再度依頼が来るように、母的目線で多方面からクオリティーアップするよう尽力しています。そのために、実地により近い形が提案できないかとプログラムを考え、今年も新たなチャレンジをしています。

講師の手配も仕事の1つ。実際に自分が講師として教えることもありますし、社内のつてを頼ることもあります。これと見込んだ人には新規でお願いすることも。何曜日の何時に誰にお願いするのか、皆レギュラーの仕事の合間をぬって対応しているので、講師の調整はまるでパズルのようです。けれど、これまで培ってきた現場との接点がこういうところでまた生きてきて、昔の番組で一緒だったスタッフにお願いして素材を借りたり、先輩のOGアナウンサーに講師をお願いしたり。これまでの経験が生きる仕事でやりがいがありますし、私くらいの年次のアナウンサーがやる意義があると感じています。

また、CSR推進室のプロジェクトメンバーとして、会社がどのような社会貢献をできるのか検討し、形にしていくことにも取り組んでいます。被災地に行って必要な支援や音読をしたり、小学校に行って言葉の授業を担当したり、保育園に行って子どもたちと直に触れ合ったり。テレビの枠を超えた活動をすることで、一緒に参加した他のアナウンサーの新たな魅力や隠れた一面に気づいたり、新鮮な発見もあったりします。

アナウンサーとしての仕事がある限りは、全力で頑張りたい!

女性アナには、いわゆる「30歳定年説」という言葉もありますが、現在、フジテレビアナウンス室は、女性アナが35人いる中で、ママアナ13人に加えて間もなく新たにママの仲間入りする人が2人いて、出産後も働くのが当たり前になってきています。時代は変わり、今はこれがレギュラースタイルなんだな、と感じます。

アナウンサーの仕事にやりがいと魅力を感じている一方で、働き続けることについては常に悩んでいるかもしれません。特に、産休・育休中などで長期休みに入り、いったん現場を離れると一人の視聴者になります。現場にいるときは同僚がテレビに出ているのが当たり前だったのに、別世界のような不思議な感覚になりました。ここにまた戻れるのかな、と不安な気持ちも芽生えましたね。同時に産休・育休中の一視聴者としての経験は、確実に私の強みになっています。

一人目の産休・育休中に東日本大震災が発災し、報道の大切さや逆に無力さを痛感。復職するときには、「人の思い」と「確かな情報」を"大切に伝える"仕事に戻ることを強く意識しました。また、二人目出産後には、ちょうど2020年東京オリンピック開催が決定。「2020年のこの瞬間に絶対に仕事をしていたい!」という強い衝動に駆られ、復職を後押しされました。

人としてせっかく生かされている中で、死ぬ間際に精一杯生きてきただろうか、と自分に問うたときには、迷いなく「イエス」と言いたい。だからこそ、アナウンサーとしての仕事がある限りは、フルに"伝え手"として頑張りたいと思っています。そのためにも、アナウンサーとしてのクオリティーがキープできるよう努力は欠かせません。

アナウンサーの仕事は、例えるなら「試験勉強」に似ているところがあります。オンエアの本番に向けて最もいい成果を出せるように、集中して情報を調べたり、本を読んだり、時には人から直接話を聞いたりして、知識を深めインプット。"テスト=本番"のテーマや範囲は毎日変わり、オンエアの進行状況に合わせて、蓄えた知識の中から適切にアウトプットしていくのが日々の仕事です。生放送の場合は失敗すれば多くの視聴者の方々が見ることになります。世に広く情報を伝えるメディアに携わる者としてクオリティーを高くキープするために、子育てと両立しながらどこでインプットの時間を作っていくかがポイントです。

勉強の範囲が多岐にわたるので、移動時間も最新のニュースを常にチェックしていますし、美容院の待ち時間にファッション誌を横目に新聞を読むことも。空き時間があれば、エッセイや実用書など現実の世界ばかりに目が向いてしまうので、時にはもう少し非日常的な本を読みたいと思うときもあります。でもこの生活を20年以上続けてきたことで、人の感情や他人の歴史、世の中で起きていること、歴史認識、言葉のチョイスなどすべてにおいて視野が広がりましたし、人としての厚みが出たと思います。アナウンサーは圧倒的な緊張感のある仕事で、他ではなかなか感じられない刺激を感じられることが、この仕事の醍醐味。ここ数年はやっとそれを楽しめるようになってきましたね。

健康管理も重要です。通勤中はマスクをして、風邪を予防。喉を痛めないように気を付けています。あとは、女性アナはどうしても見た目も問われる職業。できるだけ頑張って若々しくキレイでいようと、抗うところです(笑)。

キャリアを生かして、自分発のプロジェクトを立ち上げる

今年は仕事面では、私にしかできない仕事を創出したいですね。今担当しているインターネットのニュースチャンネル「ホウドウキョク×GOGO」で、自分の企画を立ち上げたい。働く女性に関することや自分の興味のあることを企画にできたらいいなと思っています。

また、1人目の産休中にベビーマッサージの講師の資格、そして昨年「論語指導士」という論語を教えることができる資格を取得しました。自分が持っているものを生かして何かしらのプロジェクトを立ち上げたいですね。

プライベートでは、今年は長女の小学校の役員を担当する年。今は保育園に通っている長男も、この春から長女が以前通っていた幼稚園に切り替えます。保育園に比べるとどうしても幼稚園のほうが親の出番も多く、降園も早い。一番ネックなのは長期休みで、これをどうやって乗り越えていくかが課題です。お弁当も作らないといけないですし、自分でハードルを上げてしまうことになりますが、「頑張りすぎず」をモットーに、でもあとから振り返って「あ~、あんな風にすればよかったな」の後悔がないように、周囲の協力も得ながらうまく乗り越えていきたいと思っています。

(日経DUAL 加藤京子、ライター 平野友紀子)

[日経DUAL 2017年1月19日付記事を再構成]

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