完成度高いミラーレス 手ぶれ補正内蔵の「α6500」

2016年3月に高性能ミラーレス一眼「α6300」を出したばかりのソニーが、わずか9カ月後の12月に改良版モデル「α6500」をリリースした。基本的なスペックはα6300を踏襲するものの、ボディー内手ブレ補正機構やタッチパネルを搭載して機能や装備の強化を図り、実に意欲的な内容のAPS-Cミラーレス一眼に仕上がっていた。
α6300の発売から1年たたずに登場した意欲作
春に登場したα6300は、旧モデル「α6000」で定評のあった高速オートフォーカスと高速連写に磨きをかけ、ミラーレス一眼では圧倒的な速写性能を備えたことで写真ファンからの評価は上々だった。精細な表示のEVFとチルト式液晶を搭載して万全な態勢で撮影に臨めるうえ、動画はトレンドの4K動画に対応するなど、スキのない仕上げという印象を受けた。それなのに、発売から1年を待たず、早々にα6500を市場に投入したのには正直驚かされた。



α6300の基本性能を継承しつつ、撮影性能や装備を引き上げた
前述の通り、大きな変更点はボディー内手ブレ補正機構を搭載したことと、液晶をタッチパネル式に変更したことだ。有効約2420万画素のAPS-Cセンサーは据え置きながら、バッファメモリーを増やしたことで、秒間11コマ連写のまま連続撮影可能枚数を233枚(JPEG撮影時)に引き上げたのも注目できる。小型軽量ボディーに似つかわしくない性能は、撮影領域を大きく広げてくれるはずだ。



価格は高いが、完成度の高さを考慮すれば検討の価値アリ
α6500の軽量コンパクトなボディーは、グリップがやや大型化されてホールドしやすくなったが、シンプルでスリムな基本デザインは変わらず。EVFをのぞきながら液晶を指先で触れてフォーカス位置を移動できる「タッチパッド機能」がとても便利で、動体の撮影もよりラクになった。常時携行できるサイズ感ながらオートフォーカスが高速で連写が速く、手ブレにも強いという三拍子そろったスキのないミラーレス一眼という印象を持った。価格の高さが気になるが、ボディー内手ブレ補正により画質向上や撮影領域の拡大が図れることを考慮すれば、納得できる範囲といえよう。




フォトグラファー。iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影している。2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。
[日経トレンディネット 2017年2月1日付の記事を再構成]
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