安さは正義 1万円台の「超・格安スマホ」3機種比較
スマートフォン(スマホ)をとにかく安く手に入れたい、という人におすすめしたいのが、数千円から1万円台までのSIMフリースマホだ。
この価格帯の格安スマホに対して「安かろう悪かろう」というイメージを持っている人もいるかもしれないが、安くていい機種も少なくない。今回は、そんな「超・格安スマホ」を代表する3機種を比較・評価していきたい。
この価格帯の格安スマホは、もちろん性能的にはかなり抑えめ。負荷の高いゲームやアプリを動かすのは正直難しい。また、上位機種のように最新機能が搭載されていることもない。スマホをバリバリ使いこなしたい、という人には向かないだろう。
しかし、電話やメール、LINEといった連絡の他に、TwitterやFacebook、InstagramといったSNSを使うようなコミュニケーション中心の利用ならば十分対応できる。最新の3Dゲームで遊ぶには厳しいが、メールやLINEを中心にしたいのならば予想以上に快適なモデルだ。
通話やコミュニケーションなどを中心に使いたい人や、はじめてのスマホで使い続けられるか不安という人にとって、ちょうどよい機種ともいえる。また、フィーチャーフォンやタブレットのサブ機として気軽に使える端末も多い。
今回の記事では、実機を使いながら、性能や持ち運びやすさ、独自機能などをチェックした。またどの端末がいいのか、総合的な評価もしていきたい。
魅惑の低価格! 7800円のスマホ
今回紹介するなかで最安値となるのは、「g06」(NTTレゾナント)。販売価格は税抜き7800円と1万円を大きく割り込む。
ここまで安価だと、ものすごく使いづらいとか、必要な機能が全然入っていないというような心配をする人もいるだろうが、そのあたりは問題ない。実際に使ってみると、予想以上に普通に使える。メールやLINEが不自由なく使えるのはもちろん、地図もきちんと使えた。さすがにパフォーマンスが必要なゲームは動きが厳しいが、普段使いには十分な性能といったところだろう。
次に紹介するのは1万4800円の「BLADE E01」(ZTEジャパン)だ。本体の見た目も使い心地も「普通」のスマホ。本体デザインは背面がつるりとした一枚板のような作りで、周囲は銀色の金属風。実際はどれも樹脂パーツなのだが、デザインと塗装で格好よく見せている。
BLADE E01はホームボタンなどが青く見えるためか、少し凝った印象になっている。もちろん性能面でもコミュニケーション利用には不自由がない。安いスマホが欲しいけれど、見た目が安っぽいのはイヤだという人に魅力的な端末と言えるだろう。
最後に紹介するのは、今回の記事のなかでは最も高額な1万7800円の「Priori3S LTE」(プラスワン・マーケティング)。とはいえ、一般的なスマホと比較すれば安い端末だ。価格が少し上なだけあり、軽いものならゲームもできる性能を持っている。
持ち歩きやすい端末は?
今回紹介している3機種は、Priori3S LTEとBLADE E01が5.0インチディスプレーを搭載しているのに対して、g06は4.0インチディスプレーを搭載している。当然、g06の方がだいぶ小さく、小柄な女性でも楽々と片手で操作できるサイズ感だ。
小さいスマホは、自分の荷物を極力減らしたい、使うときも片手でさっと済ませたいというニーズにも応える。またタブレットや高性能なスマホと2台持ちをして使いたい男性にとっても、ポケットにすっと入れられるサイズは魅力だ。
一方、3機種のなかで大きくて重いのはPriori3S LTE。この重さは大容量4000mAhのバッテリーによるところが大きい。しかし大容量バッテリーを搭載しているおかげで、一度満充電にしておけば、かなりの時間は充電しなくていい。バッテリー残量に悩まされることなく使いたい人や、予備の外部バッテリーを持ち歩くのが面倒な人にも安心だ。
BLADE E01はPriori3S LTEより少しコンパクトなサイズだ。バッテリー容量は2200mAhと、このクラスとしては標準的。今回比較している3機種の中では圧倒的に薄く、スーツのポケットなどにもスッと入るので持ち運びやすい機種と言えるだろう。3機種のなかでは、バランスをとった端末といった印象だ。
持ち歩きやすさという面で考えると、やはり軽量コンパクトなg06は魅力。出先でガンガン使いたいのならば、バッテリーに不安のないPriori3S LTEという選択になるだろう。
どんな独自機能・サービスがある?
今では、低価格帯のSIMフリースマホでも、個性的な機能を搭載している。それぞれの端末の独自機能や独自サービスについてもチェックした。
g06はgooスマホということで、「おしえてgoo」などのgooアプリが最初からいくつか入っている。ホームに表示される検索ウィジェットもgooのものだ。一方でGoogleの標準的なアプリは搭載されておらず、Googleマップなどもすべてユーザーがインストールする必要がある。Googleのアプリをよく使う人にとっては若干面倒だが、gooアプリで済むという人にとっては、シンプルで使いやすい端末と言えよう。
Priori3S LTEは、MVNOブランド「フリーテル」を運営するプラスワン・マーケティングの独自端末であることが魅力だ。回線と端末をセットで購入すれば、サポートの窓口が1つで済む。回線と端末の組み合わせに不安がなく、詳しいことはわからないけれど安くスマホを使い始めたいという人にはうれしいポイントとなるだろう。
BLADE E01は、個人データ保護機能を搭載している。具体的には、端末内に保存している写真を選択し、必要に応じてロックできる。ロックされた写真を閲覧するためには個人データ保護機能を利用して解除しなければならない。プライバシーを重視する人におすすめしたい。
どの端末がいいのか?
最後に、各端末の総合評価をしていきたい。
筆者が3機種の中でおすすめしたいのは、g06だ。サイズが小さく軽いため、メイン機と一緒に持ち運んでも苦にならない。gooアプリがプリインストールされており、スマホ初心者でも悩むことなく使いこなすことができる。使い心地も良い意味で普通だ。さらに3機種中、コストパフォーマンスが最も高い点も評価した。
次点はBLADE E01。5.0インチ液晶を搭載していながら、サイズと重さを抑えており、非常にバランスがいい。低価格モデルでありながら、個人データ保護機能を搭載するなど、セキュリティーにも配慮している点も評価できる。
ただし、この2機種はバッテリー容量が少なく、連続して使用するとバッテリーがすぐになくなる。サブ機として使うぶんには不便がないものの、メイン機として使うには役不足だ。
もしメイン機として使うのであれば、Priori3S LTEが有力候補となる。今回比較した3機種の中で最もパフォーマンスが高く、負荷の高いゲームでなければ十分使える。大容量バッテリーを搭載したため重量が約161gとなってしまっているが、充電なしで長時間スマホを使える安心感は大きいだろう。
(エースラッシュ)
[日経トレンディネット 2017年1月27日付の記事を再構成]
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