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ベンツEクラスと真っ向勝負 新BMW5シリーズ

日経トレンディネット

2017/2/3

BMWの新型「5シリーズ」。BMWのペーター・クロンシュナーブル社長は日本市場への期待を語った
日経トレンディネット

BMWは2017年1月12日、約7年ぶりにフルモデルチェンジした「5シリーズ」を東京・お台場の大型ショールーム「BMW GROUP Tokyo Bay」(東京都江東区)で発表した。1972年登場の初代から数えて7代目となる新型は、全6モデルのうち「523d」「530i」「540i」「540i xDrive」が2017年2月から、「530e」が2017年第3四半期から、「523i」が第4四半期の発売予定で税込み価格は599万~1017万円。

将来実用化される完全自動運転も視野に入れているという運転支援システムの採用も注目される、新型5シリーズの特徴を見ていこう。

■ワイドさ、スポーティーさを強調したデザイン

エクステリアデザインはスポーティーさ、エレガンス、スタイリッシュさを強調。フロントはBMWおなじみのキドニーグリルと、ヘッドライトをつなぐことで、ワイド感を強調、スポーティーな印象にしたという。先代モデルと異なりボンネット先端部分の継ぎ目をなくして一体感も出した。また路面をにらみつけるようなデザインのヘッドライトは、ハンドルの切れ角に応じて照射方向を可変する「アダプティブ LED ヘッドライト」を標準で採用しており、照射距離は500m。

写真提供:BMW

サイドデザインは、先代5シリーズを踏襲し、長いホイールベースに対し車室が後ろ寄りに配置されている。リアエンドまでのラインは滑らかになっており、全体がクーペのようなプロポーションだ。また先代同様にドアハンドルは、サイドのキャラクターライン上に配置してデザインを損なわないようにしている。

リアはフラットでワイドな車幅を強調した、見るからに低重心なデザイン。コンビネーションライトを大きくサイドに回り込ませ、LEDライト・バーを細身のL字型にすることで車幅のワイドさを強調したという。

写真提供:BMW

7シリーズの技術やデザインを採用したコックピットのインテリアは、運転席側に向けて傾けた非対称なフォルムのセンターコンソールなど、ドライバーの運転しやすさや快適さを最優先したもの。セントラルインフォメーションディスプレイは運転に集中できるよう少し下に配置、操作しやすくなっている。ディスプレイは10.2インチで、タッチパネル機能付き。

写真提供:BMW

■クリーンディーゼルモデルの燃費は21.5km/L!

走行性能と燃費は、軽量化とエアロダイナミクスに配慮したデザインによりクラストップレベルに改善したという。具体的には、アルミニウム合金や高張力鋼板、マグネシウム合金を積極的に採用し、車重は先代より約80kg軽くなった結果、ハンドリング性能が向上、加減速性能も高まったという。また空気抵抗係数(Cd)は先代モデルの0.25に対して0.22で、同セグメントでは最も良好な値だという。

写真提供:BMW

パワートレインは、全モデル新世代モジュラー・エンジン・コンセプトに基づく新型BMWツインパワーターボエンジンで、トランスミッションは8速ATを組み合わせる。

BMW523iに採用する2.0L直列4気筒ガソリンエンジンは最大出力184ps/5000rpm、最大トルクは270Nm/(1250-4500rpm)。クリーンディーゼルモデルである523dに搭載される2.0L直 列4気筒ディーゼルエンジンは最大出力190ps/4000rpm、最大トルク400Nm/1750-2500rpmを発揮するという。

燃費は523dで21.5km/Lと、こちらもクラストップレベルをうたっており、エコカー減税対象モデルとなる。

■高速走行時はステアリングに軽く手を添えるだけ

注目の運転支援システム「ドライビング・アシスト・プラス」は現行型の7シリーズと同等で、全車に標準装備される。同システムはルームミラー内にステレオカメラ2台を内蔵し、ミリ波レーダーセンサーを前方に3基、後方に2基装備する。夜間や悪天候下でも、先行車両の急停止や飛び出しなどを瞬時に判断して警告するという。

このうち「ステアリング&レーン・コントロール・アシスト」「アクティブ・サイド・コリジョン・プロテクション」「後車追突警告」「クロス・トラフィック・ウォーニング(フロント&リア)」は新機能だ。

最も自動運転技術の恩恵が感じられるのは、ステアリング&レーン・コントロール・アシストだろう。これはフロントウインドーに設置されたステレオカメラが車線や前方車両を検知し、ステアリングに操舵力を加えて高速走行時に車線の中央付近を走行しやすいようにサポートする機能だ。高速走行時なら、ステアリングに軽く手を添えているだけで車線の中央を走れるのだという。

アクティブ・サイド・コリジョン・プロテクションは、ボディーサイドの前後左右に設置された4つのセンサーが、車両側面の状況を監視し、隣車線で走る車両が接近して自分の車線に入ってくるなど側面衝突の危険性が高まると、ステアリング操作に介入して衝突を回避するという。

後車追突警告機能は、リアバンパーに組み込まれたセンサーが後方のクルマを監視。衝突の危険を察知するとハザードフラッシュを点灯し、後続車のドライバーに注意を促す。

クロス・トラフィック・ウォーニングは、駐車スペースからの移動時や、視界の悪いT字路などで、歩行者などとの衝突の危険を検知すると、コントロールディスプレイに警告表示が出て、ドライバーの注意を喚起するシステムだ。

この他、「アクティブ・クルーズ・コントロール」「レーン・ディパーチャー・ウォーニング」「レーン・チェンジ・ウォーニング」「前車接近警告機能」「衝突回避・被害軽減ブレーキ」「アクティブ・プロテクション」がドライビング・アシスト・プラスに含まれる。

さらに、先代ではオプションだった駐車機能「パーキング・アシスト・プラス」で、5シリーズとしては初めて3Dビューカメラを導入。また社外からクルマを操作できる「リモート・コントロール・パーキング」もオプションで追加できるようになった。

写真提供:BMW

■価格はメルセデス・ベンツ「Eクラス」に対抗?

5シリーズの世界での累計販売台数は800万台以上で、ラグジュアリーなフラグシップモ デル「7シリーズ」と、中核モデルである「3シリーズ」の中間にあたるモデルとして根強い人気がある。ライバルはメルセデス・ベンツ「Eクラス」(税込み675万~988万円)などになるが、599万円からという新型5シリーズの価格設定は、輸入車販売台数1位のメルセデス・ベンツに対抗する狙いがあるようだ。

ペーター・クロンシュナーブル社長によれば、2016年は日本市場で前年比約11.6%増の7万5119台を販売。このうちBMWブランドは5万571台で前年比9.4%増、miniブランドは2万4548台で前年比16.4%増だったという。BMWブランドとしては7シリーズや「2シリーズ アクティブ ツアラー」「2シリーズ グラン ツアラー」、新世代ハイブリッドモデルの導入、エントリーモデルの拡充などラインアップの強化が大きいという。miniブランドでは5ドアモデルや、2016年春にクリーンディーゼルエンジン搭載モデルを導入したことが奏功したようだ。

5シリーズを皮切りにこの春には「ミニ クロスオーバー」をフルモデルチェンジし、miniブランドでハイブリッドモデルを追加していくことも公表したBMW。2017年度も好調をキープし、販売台数をさらに伸ばせるのか、新型5シリーズはその最初の一歩だけに要注目だ。

(ライター 山田真弓)

[日経トレンディネット 2017年1月17日付の記事を再構成]

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