実感!空気が動く 北欧発のパワフル空気清浄機
スウェーデンの空気清浄機メーカーのブルーエアは、徹底して空気清浄を追求した高性能な「特化型空気清浄機」を販売している。これまでターゲットにしていたのは高級志向のユーザーだったが、新発売の「Blue by Blueair(ブルー バイ ブルーエア)」はプレミアムラインとは違い、価格も抑えられたカジュアルモデルだ。シンプルな北欧デザインが注目されているが、空気清浄能力はどうか。実際に試してみることにした。
約30センチの大型プロペラファンを天面に配置
ラインアップは空気清浄機能メーンの「Blue Pure221 パーティクル」と、脱臭機能を追加した「Blue Pure221 パーティクル&カーボン」の2種類で、今回試したのは「Blue Pure221 パーティクル」だ。
適用床面積はJEMA規格で78平方メートル(47畳)で、ダストフィルター搭載の「Pure 221 パーティクル」が5万4500円、ニオイフィルター搭載の「Pure 221 パーティクル&カーボン」が5万8500円(共に税別)とブルーエアの中ではリーズナブルな価格設定となっている。
キューブ型で余計な装飾がなく、シンプルでスッキリしたデザインに好感がもてる。直径30センチのプロペラファンを天面に搭載し、天井に向かってキレイな空気が送風される。全方向から空気を取り込み、効率よく循環させる機構だ。
本体下部にフィルターを搭載。本体の形状に合わせて四方にフィルターを配置した角筒になっている。汚れた空気を前後左右の全方向から吸い込み、吸い込んだ粒子を特大表面積キューブ型フィルターで0.1ミクロンの微粒子までしっかり除去。キレイな空気がプロペラファンで送風され、天面から放出される。
単に真上に空気が出てくるだけではない。天面のカバーは外側に向かって穴のサイズが大きくなるように設計されている。実際に風速を計測してみると、中心近くから外側に向かって毎秒1.6メートル、毎秒3.8メートル、毎秒4.1メートルと、外側にいくほど風量が強くなっている。
部屋の天井に風が当たり、跳ね返って部屋全体に空気が循環する仕組みで、メーカーの説明によれば、8畳の部屋であれば、6分程度で空気清浄が完了するとのこと。大きなプロペラファンが大風量を生み出すので、サーキュレーターのように部屋全体の気流が動いているのがよくわかる。すぐに部屋の空気の感じが変わるので気持ちよい。
スモークでテスト! 20秒でキレイに
操作はシンプルだ。blueというロゴが入ったボタンが電源ボタンで、押すと電源が入ると同時に、スピード1で運転を始める。全部で3段階で、「3」が一番高速だ。LEDは明るいが、約7秒で消灯し省エネモードになる。そのため、就寝中なども気にならず安眠できる。
お手入れは表面が汚れたら乾いた布で拭くだけ。LEDが赤色に点灯したらフィルターを交換する。フィルター交換は6カ月に1度。本体上部を持ち上げ、本体下部から古いフィルターを取り出してそのまま捨てる。新しいフィルターをはめ込めば完了だ。分解したり、掃除機で吸い取ったりする必要がない。空気清浄機はお手入れが面倒なものが多い中、この製品はとても簡単だ。
温室を使って水性スモークを充満させ、どの程度のスピードできれいになるかテストしてみた。かろうじて空気清浄機が見える程度までスモークをたいたのだが、一番高速の「3」でスタートしたところ、20秒で透明になった。
四方から空気を吸い込んでいるのがよくわかる。大きなプロペラファンできれいな空気が上に向かって強く吹き出るため、瞬時にビニール温室の上部が大きく揺れ、あっという間にきれいになった。
交換したフィルターは分解できるようにしてほしい
フィルターは活性炭を追加し、ペットや料理などの生活臭などニオイ物質も除去する「ブルー ピュア 221 パーティクル&カーボン フィルター」が1万2000円。ホコリや花粉など様々な空気中の細かな粒子を除去する「ブルー ピュア 221 パーティクル フィルター」が8000円(共にも税別)。ペットなどを飼っていてニオイが気になる方は、活性炭が入ったパーティクル&カーボン フィルターを選んでおけば安心だ。見た目は小さく見えるが、いずれも約4.4平方メートルという吸着表面積を確保している。
フィルターはスポッとはずしてそのまま捨てられる。新しいフィルターを購入したら、空いた場所に置けばいいだけなので、1分もかからず交換できて簡単だ。
しかし、使い終わったフィルターを捨てるときに戸惑ってしまった。折りたたむことができず、このまま捨てることになるため、ゴミ袋もそれなりのサイズのものを用意しなければならない。4面で空気を濾すことができるので効率的な構造ではあるが、捨てるときのことも考えて、せめて分解できるようにしてほしい。
「余計な機能は必要ない」という方に! とにかくパワフル
とてもパワフルな空気清浄機なのだが、センサーはないため、風量を自分で調節しなければならない。通常使用時であれば一番弱いモードでも十分だ。約1カ月使用してみたが、センサーがないのは気にならなかった。
少々奥行きがあるものの、存在感はそれほど気にならない。余計な装飾がなく、インテリアにこだわる男性や、流行に敏感な女性にも受け入れられそうな北欧デザインだと感じた。ブルーエアの中では価格が抑えめなのもうれしい。ブルーエアの製品は高価でなかなか手が出なかったのだが、カジュアルモデルなら手が届きそうだ。個人的にもとても気に入ったので、子ども部屋への導入を検討している。
本名:石井和美。IT系ライターの夫と11歳の娘と7歳の息子と暮らす家電プロレビュアー。家電Blogでも家電の最新情報もお届けしています!
[日経トレンディネット 2017年1月11日付の記事を再構成]
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