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ピコ太郎、6社からひっぱりだこ CMで愛される理由 2017年1月前期 CM好感度月間ランキング

日経エンタテインメント!

2017/1/28

 『PPAP』の世界的な大ヒットで一躍人気者になったピコ太郎。昨年末には『NHK紅白歌合戦』に出場を果たし、今年3月には武道館公演も決定するなど、年が明けても話題は途切れない。CM界でもひっぱりだこで、関東地区では昨年6本のCMがスタート。なかでも桐谷美玲と共演した、ソフトバンク系列の格安スマートフォン(スマホ)「ワイモバイル」のCMは好感度が急上昇して、1月度前期の銘柄別CM好感度ランキングで2位に入った。

桐谷美玲とピコ太郎が『PPAP』のメロディーにあわせて歌い踊るワイモバイルのCMが2位に躍進
CM総合研究所調べ
■調査対象期間:2016年12月20日~1月4日(東京キー5局)
■当月オンエアCM:全2371銘柄
■東京キー5局でオンエアされたすべてのCMを対象に、関東在住の男女モニター1500人に、好きなCM・印象に残ったCMをヒントなしに自己記述してもらい、その得票数を足し上げたもの
■同商品の複数作品にオンエア・好感反応がある場合、代表作品は最もCM好感度の高い作品
■企業・銘柄名・作品名はCM総合研究所の登録名称であり、正式名称と異なる場合がある

 ワイモバイルのCMは、ヒョウ柄の服を着た桐谷美玲とピコ太郎が『PPAP』のメロディーにあわせて「♪ I have a 缶、I have a ふてニャン Ah ふてニャン缶!」と歌い踊る。店頭でアンケートに回答するともらえる<冬のふてニャン缶>を訴求した来店促進のCMだ。年が明けると、振り袖姿の2人が「♪ I have a みかん、I have a 餅 Ah 正月感! ふてニャン缶 正月感 Ah 正月ふてニャン缶!」と歌う正月編が流れ、正月限定版のふてニャン缶をアピールした。

 ワイモバイルでは、ピコ太郎を起用した理由を「破竹の勢いだったピコ太郎さんをいち早くキャスティングすることで、Y!mobileのメジャー感や勢いを増幅させる狙いでした」(ソフトバンクのコミュニケーション本部広告宣伝統括部コミュニケーション戦略部Y!mobileコミュニケーション課の田中祐吉課長)と説明。映像表現にあたっては、「元ネタである『PPAP』の良さを生かしつつ、Y!mobileらしさをいかに出すかに注力。ヒョウ柄衣装の桐谷さんの『PPAP』もCMをチャーミングなものにしてくれました」という。

■『PPAP』をアレンジしてCMに

 ピコ太郎がブレークしたのは昨年10月、YouTubeの週間再生回数ランキングで日本人初の1位を獲得して、一気に話題が広がった。その翌月には、ピコ太郎は早くもインターネットテレビ局「Abema(アベマ)TV」のCMに登場。その後、女性誌のCanCam、ワイモバイル、12月に入ると求人情報サイトのバイトル、通販サイトのショップジャパン、住宅会社のタマホームと、昨年のうちに関東地区で6社のCMに起用された。ブレークから1~2カ月で、ここまでCM出演を一気に増やした例はあまりない。それだけピコ太郎と『PPAP』の登場はインパクトが大きかったといえよう。

 ピコ太郎のCMの特徴は、その『PPAP』を替え歌にしたものが多いこと。競合が多いだけに、少しずつアレンジも変わってきている。最初のAbemaTVは、「♪I have Abe、I have maTV Ah AbemaTV!」と原曲通りのパターンだったが、後発のバイトルになると「♪I don't have マネー、I have a スマホ Ah バイトル!」とひとひねりした組み合わせにして、求人情報サイトをアピールしている。バイトルもCM好感度を上げ、1月度前期の銘柄別ランキングでは14位にランクインした。

 CM総合研究所の関根心太郎代表は、「ブランド名なり訴求ポイントなりをワンフレーズで伝えるというCMの使命を考えたときに、2つのものをミックスさせて、より強いワードにするという『PPAP』の発想は、CMのツールとして大発明かもしれませんね。連呼型なのですが、それを面白く表現できるのが最大の強みです」と、その効果を高く評価する。

■6~12歳男女の支持が圧倒的

 ピコ太郎のCMのもうひとつの特徴が、小学生が大好きなこと。支持層分布を見ると、どのCMも6~12歳男女の数字が高いという。1位のauと2位のワイモバイルを比較しても、1位のauは全世代で高い支持を受けたが、6~12歳の男女だけは2位ワイモバイルに及ばなかったそうだ。

 「誰でもマネできるので、『PPAP』は子どもたちには大受けですね。ワイモバイルは来店促進のキャンペーンCMなので、ふてニャン缶が欲しい子どもに連れられた親の来店を促せる。最近は小学生でもスマホを持ちたがりますから、格安スマホならいいかと親に思わせる効果もある。ピコ太郎の起用は当たったのではないでしょうか」(関根代表)

 ピコ太郎はYouTubeをきっかけにブレークしたが、「テレビCMという電波にのることで初めて、ウェブ動画に親しんでない子どもたちの間にも認知が広がり、国民的な人気者になった」と関根代表はみている。

 テレビで新たなファンを広げたピコ太郎。子どもに愛されるキャラクターというCMで得た強みを生かした、次なる展開もありそうだ。

(日経エンタテインメント! 小川仁志)

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