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コレステロールと中性脂肪 どうすれば正常化する?

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2017/1/25

コレステロールには悪玉と善玉があるというが、悪玉が増えたり、善玉が減ったりする原因は何だろうか(c)Vitaliy Vodolazskyy -123rf
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日本の約206万人が患う脂質異常症(厚生労働省平成26年「患者調査の概況」)。偏った食事や運動不足などを原因とすることが多く、放置すれば動脈硬化から狭心症や脳梗塞を引き起こし、突然死に至りかねない。まさかの事態が起こる前に、生活をどう改善すればいいのか、薬物療法はどのように進められるのか。帝京大学理事・名誉教授で同大学臨床研究センターセンター長の寺本民生氏に聞いたところ、異常値を示す脂質の種類によって対策が異なることが分かった。

■LDLは過剰になると動脈の壁に入り込む、HDLはそれを引き抜く

――コレステロールには悪玉と善玉があるといいますが、どのような仕組みで脂質異常症が起きるのでしょうか。

寺本 コレステロールは脂質の一種で、人間の体の中で細胞膜や胆汁酸(消化液)、副腎皮質ホルモンや性ホルモン(男性ホルモン、女性ホルモンなど)の原料となります。つまり、人体を維持するのに欠かせない物質です。コレステロールには、悪玉のLDLコレステロール(以下、LDL)と善玉のHDLコレステロール(以下、HDL)があります。

コレステロールの7~8割は、体内で合成されています。このうち悪玉のLDLは肝臓で作られ、血流により全身に送られて有効利用されていますが、過剰になると血中にたまってしまいます。そうなると、行き場がないLDLは動脈の壁に入り込むしかありません。これが動脈硬化の原因となります(図1)。

一方、善玉のHDLは小腸などで作られ、動脈にたまったLDLを引き抜いて肝臓に回収する役割を果たします。動脈硬化においては、LDLが高すぎること、HDLが低すぎることのいずれもが問題になります。

また、脂質の1つである中性脂肪も、増えると肥満や脂肪肝の原因となり、動脈硬化を引き起こすので注意が必要です。

――LDLや中性脂肪が増えたり、HDLが減ったりする原因は何ですか。

寺本 脂質異常症の約9割は、動物性脂肪に偏った食生活や運動不足、喫煙などの生活習慣によるもので、遺伝からくる家族性の脂質異常症は1割程度です。表1の通り、脂質異常症は高LDL・低HDL・高中性脂肪の3つのタイプに分かれます。なかでも多いのが、悪玉の高LDL、高中性脂肪の2つで、割合はほぼ同程度です。善玉の低HDLはそれほど多くありません。

やっかいなのは、健康診断などで検査を受けた人のうち、自分の血中コレステロール値について自覚している人は3割程度しかいないということです(厚生労働省平成12年「循環器疾患基礎調査」)。しかも、数値が異常だと分かったとしても、症状がなければ多くの人は受診しません。脂質異常症を放置すると、徐々に動脈硬化が進み、狭心症、脳梗塞などで突然死に至ることも珍しくありません。そのため、脂質異常症は高血圧と同様、サイレントキラーと呼ばれます。

■LDLが高い人はまず徹底的に動物性脂肪の摂取をやめてみる

――脂質異常症で病院に行くと、すぐに薬で治療することになるのでしょうか。

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