40歳・女優似のシングルマザー 離婚を決意した理由[池沢詩織さん(仮名) 第1回]

こんにちは。ライターの大宮です。私ごとですが、僕はこの冬に40歳になりました。急に40代の人たちに親しみを感じています。わずか数カ月前までは「自分は30代!」気分だったのに不思議です。

でも、「同年代」ではなく「同い年」はやっぱり特別な存在。正確には、義務教育の学年が同じ人の近況が気になります。僕の場合は、1976年4月~1977年3月生まれの人たちですね。以前はライバル心を抱く対象でしたが、最近は「人生いろいろあるけれど、お互いに幸せになろうよ」という気持ちが強まっています。健康で朗らかな人が世の中に多いほど、自分も豊かに過ごせる可能性が高まることにようやく気づいたのかもしれません。

同い年の人とは、これから40年間ぐらいの人生で同じように老いていくんですからね。おとしめ合うのではなく励まし合っていきたいものです。

大手メーカーの財務部で働く池沢詩織さん(仮名)も、僕と同い年の40歳。女優の比嘉愛未さん似の目立つ美人です。5年前に元夫の哲也さん(仮名)と離婚。以来、恋人はいません。現在は実家で母親と一緒に一人息子を育てています。

「大学在学中に父が亡くなり、就職活動に身が入らなくなりました。そこから私の残念な人生が始まったんです」

華やかな雰囲気を振りまきつつ自嘲気味に語り始める詩織さん。「明るく後ろ向き」な人が好きな僕は心地良さを感じてしまいます。といっても、少なくともキャリアの面では詩織さんの人生は「残念」ではありません。論理的思考もコミュニケーション能力も優れた詩織さんは、新卒時の就職に失敗したぐらいでは企業社会から放ってはおかれなかったのです。

「デキるビジネスマン」と社内結婚、でも3年後には別れが

卒業してから2年半は税理士事務所で事務員として働いていた詩織さん。「世界が狭すぎる」と判断して退職し、派遣社員として大手のコンサルティング会社に入りました。上司は詩織さんの有能さをすぐに見抜き、会計分野のコンサルティングチームに抜てき。1年後には正社員に切り替えてくれました。

「人前で話すのは苦手だったのでコンサルタントになるつもりはありませんでした。一般職のアシスタントとしてサポートするのが性に合っているんです」

詩織さんは仕事面以外でも人気がありました。社内の男性から食事に誘われることも多く、その中の1人と2年間ほど交際。元夫の哲也さんとは別の男性です。

「30歳を過ぎていたのでそろそろ結婚したいなと思っていました。でも、彼も私も煮えきらない態度。そんなときに元夫がアプローチしてくれたんです」

仕事熱心な自信家で、プレゼンテーションなどが得意なビジネスマンに心ひかれる傾向があると自己分析する詩織さん。優秀だけど人前に立つのがあまり得意ではないので、「話し上手」な人に憧れや尊敬の念を感じるのでしょう。その感覚は僕もすごくわかります。

詩織さんは単なる聞き上手ではありません。知的好奇心が強くて「この人はどんなことを考えているのか」を会話によって深掘りするタイプです。でも立場はあくまでアシスタント。リボンやフリルがよく似合う華やかな美人でもあり、知識にもトークにも自信がある経営コンサルタントにとっては最良のデート相手でしょう。独身既婚を問わず、社内の様々な男性から食事に誘われたことが容易に想像できます。

賢い詩織さんは不倫に陥ることはなく、「煮えきらない」恋人との関係を長続きさせることもありませんでした。熱烈にプロポーズしてくれた1歳年上の哲也さんと結ばれたのです。詩織さんが32歳のときでした。

しかし、その結婚生活は3年後に終わりを迎えてしまいます。何が原因だったのでしょうか。詩織さんは再び自己分析をします。

「私は見た目が女性らしく見えるようなので、男性に頼りきるタイプだと思われがちです。実際、パートナーを支えたいという気持ちもあります。でも、一方的なのは嫌です。朝、出かけるときに『がんばってね』と送り出すのではなく、『お互いにがんばろうね』と声をかけ合いたい」

具体的にはどのような経緯で離婚に至ってしまったのでしょうか。続きはまた来週。

大宮冬洋(おおみや・とうよう)
フリーライター。1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに就職。1年後に退職、編集プロダクションを経て02年よりフリーに。著書に『30代未婚男』(共著/NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』(ぱる出版)など。電子書籍に『僕たちが結婚できない理由』(日経BP社)。読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京もしくは愛知で毎月開催中。
ライター大宮冬洋のホームページ http://omiyatoyo.com/

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