進化系クリスマスカード メッセージより見た目が大事
SNS世代から支持
クリスマスカードはメッセージより見た目が大事――。クリスマスの飾り付けが華やぐカード売り場には今年、指人形型や組み立てると木製のクリスマスツリーになるものなど一風変わった「進化系」カードが並ぶ。目を引く色柄や素材、立体的なデザインが20代を中心とする交流サイト(SNS)世代の心をつかんでいる。
組み立てると星形やツリー、サンタに
生活雑貨店、東急ハンズ渋谷店(東京・渋谷)では組み立てると星形の飾りになるグリーティングライフ(東京・港)の「クリスマスポップアップスターカード」が売れている。
送る側は付属の小さな星形のカードにメッセージを書き、畳まれた状態の大きな星形と共に封筒に入れて送る。受け取った側は大きな星形を開いて組み立てる。価格は780円(税別)だ。
アートプリントジャパン(東京・練馬)の「ウッドツリーカード」は3枚の木製カードを組み立てると高さ約20センチのクリスマスツリーになる。価格は700円(税別)で、木の香りも楽しむことができる。
サンリオの「ハニカムサンタさんクリスマスカード」は左右に開くと立体的なサンタさんになる。価格は450円(税別)で、つるして飾ることもできる。
指人形としても遊べる
指人形としても遊べるのはマークス(東京・世田谷)の「グローブドールクリスマスカード」だ。サンタさんやトナカイの形をしており、もらってからも楽しむことができる。価格は500円(税別)。
進化系カードは「2年ほど前から人気に火が付き、今では売り場でしかけのない普通のクリスマスカードを探す方が難しい」と東急ハンズ渋谷店の木村隆利氏は話す。進化系のクリスマスカードの人気で今年の売り上げは前年を1割上回る勢いだ。
しかけのついたカードは、従来の2つに折り畳む形のカードに比べるとメッセージを書くスペースが小さいものが多い。言葉を伝えるよりもカードの写真を撮ってSNSに投稿することに重点が置かれている。
「インスタで自己表現、需要高まる」
立教大学の木村忠正教授は「(写真共有サイトの)インスタグラムのように、写真など言葉を使わずに自己表現したり、話題にしたりできる商品の需要が高まっている」と話す。
言葉に頼らず、写真だけでも十分交流を図れるSNS世代。気軽に思いを伝えられる点も人気の秘密のようだ。
(商品部 伊地知将史)
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