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キャリア女子ラブストーリー

プロポーズされたのに…キャリア美人の低い自己評価 [黒田愛さん(仮名) 第2回]

2016/12/9

こんにちは。ライターの大宮です。9年間も恋人がいないと告白してくれたウェブデザイナーの黒田愛さん(仮名、39歳)に話を聞いています(前回の記事はこちら)。

僕はボランティアで「お見合いおじさん」活動をしていて、毎月のように妙齢の男女のお見合いをセッティングしています。2年半で成婚数はゼロですけどね……。だからこそ、キレイ事抜きで言わせてください。

客観的に見て「美人」であり、身だしなみやあいさつなどが「感じいい」女性は、何歳になってもデートできます。結婚相手も見つかるでしょう。にもかかわらず、恋人すらできないと嘆いている女性は必ずといっていいほど「恋愛のストライクゾーン」が狭いのです。人によっては、ボールが通過できないほど狭かったり、常人の投げるボールでは届かないほど高すぎたりすることもあります。例えば、男性に「気持ちの若さではなくて肉体的な若さ」を求める女性。自分はアラフォーでもアラサーの男性を探していたりします。よほどの手だれでない限り、苦戦を強いられるのは必至です。

ただし、愛さんの問題はストライクゾーンの狭さではありません。愛さんは感じの良い美人なのですが、本人がこの文章を読んだら、即座に「私は美人ではありません。感じも良くありません!」と本気で否定するでしょう。このへんが、彼女の抱える問題なのです。

■自分に対する自信がなくて断ったプロポーズ

20代の頃、愛さんは博多にある百貨店で正社員として働いていました。そのときに出会ったのが、外見はカッコ良くないけれど頭が良くて優しい6歳上の先輩、康弘さん(仮名)です。

「仕事帰りに一緒に飲んで、流れで彼の家に泊まったのがきっかけです。職場の若手で一緒に飲んで、みんなで彼の家で雑魚寝したこともあったので、特に何も考えずに泊まってしまいました」

その夜に憧れの先輩と結ばれて付き合うことができた愛さん。しかし、尊敬し過ぎていて一緒にいても緊張してしまう日々が続きました。2年後、康弘さんが遠距離の店舗に異動になることが決まり、プロポーズをされたのです。

「私には結婚する気はまったくありませんでした。彼のことはすごく好きだったけれど、自信がなかったんです。自分に興味がないというか、好きになれないというか……。この感覚は最近まで続いていました」

愛さんのように「自分を好きになれない。だから、本当の意味で愛し合えない」人は男女を問わず少なくないと僕は感じています。すぐに自信をつけようと思って、自己啓発セミナーなどに通ってはいけませんよ。セミナーの講師は自信満々で「強い」人に見えますし、一緒にいると自分まで強くなった錯覚に陥ります。でも、そんなのはまやかしです。その講師は仕事のためにテンションを高めているにすぎません。もしくは、自省をする能力に欠けているおバカな人なのでしょう。

自信というのは、いろんな経験を積みながら少しずつ成長し、気がついたときに「前よりはついている」ものですよね。年齢を重ねていくと、「どうしてあんなことにこだわって、自信を失っていたんだろう」とバカバカしくなることもあります。

例えば、僕の場合は鼻が低いことが若い頃はコンプレックスでした。でも、美しくて心優しい女性たちと何度かお付き合いができると(自慢話です)、「鼻の高低はモテとはあまり関係がない。むしろ、そんなことで自信を失っている器の小ささが問題」と気づきました。いまでは「団子鼻は僕のチャームポイントだ」ぐらいに開き直っていますよ。

愛さんの自信のなさの根源は家族の問題にあるようですが、あまり言いたくないようなので書くことは控えます。でも、家族と自分自身は違う存在なのだといずれは気づきますよね。愛さんも「36歳ぐらいからは心境が変わりました」と笑顔を見せてくれました。

■わがままを言える年下の彼

話は20代に戻ります。25歳のときに康弘さんと別れた愛さんは、すぐに新しい恋人ができました。アルバイトスタッフの恭介さん(仮名)です。大学を卒業した後に、靴職人を目指して専門学校に通っている男性で、愛さんより3歳下でした。

「百貨店の中でもイベントが多い部署だったので、打ち上げなどで飲みに行く機会が頻繁にありました。若手社員の私が幹事をやることが多かったですね。彼と付き合い始めたのは飲んだ帰りのなりゆきです。終電で帰れなくなった彼をうちに泊めたのがきっかけでした」

あれ? この話、直前の恋人である康弘さんとのなれそめとほぼ同じです。愛さんはけっこう「流れ」や「押し」に弱いのかもしれませんね。自信がない20代女子にありがちな風景です。もちろん、嫌いな男性とは絶対にそんな流れにはなりません。愛さんは恭介さんの、どのへんにひかれたのでしょうか。

「話しやすくて人懐っこいところ、ですかね。前の彼と違って、気をつかわずに話すことができました。わがままを言える相手だったんです」

自己評価が低すぎるところがある愛さんにとって「わがままを言える相手」は貴重ですよね。実際、4年間を一緒に楽しく過ごしたそうです。20代最後の年に別れが訪れます。続きはまた来週。

大宮冬洋(おおみや・とうよう)
フリーライター。1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに就職。1年後に退職、編集プロダクションを経て02年よりフリーに。著書に『30代未婚男』(共著/NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』(ぱる出版)など。電子書籍に『僕たちが結婚できない理由』(日経BP社)。読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京もしくは愛知で毎月開催中。
ライター大宮冬洋のホームページ http://omiyatoyo.com/

「キャリア女子ラブストーリー ~アラフォーからの恋愛論」バックナンバー

これまでの記事はこちらをご覧ください。

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