パソコン使うなら「累進屈折力レンズ」 疲れ目に効果

日経ヘルス

2017/1/15
PIXTA
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疲れ目とともに頭痛や肩こりに悩まされる眼精疲労は、目のピント調節力が低下したサイン。背景にあるのは、加齢とともに明らかになってくる“初期老眼”や“かくれ遠視”だ。老眼や疲れ目対策について3回に分けて解説する。最終回は、正しいメガネやコンタクトレンズの選び方を紹介しよう。

遠視や老眼による目の疲れを根本から解決してくれるのが、メガネやコンタクトレンズ。目の状態と生活スタイルに合うレンズを選ぶと快適に過ごせる。

梶田眼科の梶田雅義院長によると、メガネで疲れ目の改善と予防に有効なのは、異なる距離を見られる「累進部」を持つレンズ。その代表が累進屈折力レンズ(PAL)だ。「近くを見るときも目の調節力を駆使する必要がなく、遠くを見ている状態になるので疲れない。パソコン作業などが多い人は35歳くらいからPALを装用すると快適に過ごせる」と梶田院長。

調節力がそれほど低下していない段階で遠用・近用度数の差が小さいレンズを使うと、見える範囲が広いうえレンズの外側に生じる特有のゆがみもあまり気にならないという。

PALには遠方重視、中近、近々の3タイプがあり、レンズの上の部分が遠方で下に向かって近くが見えるよう度数が連続的に変化する(下図)。遠くを見る機会が多い人は遠方重視タイプ、デスクワークなら近々タイプが便利だ。ただし、「PALは手元を見るとき下目使いにする必要があるので長時間の読書などには向かない。この場合は一定の距離に合わせた単焦点のリーディンググラスを薦める」と梶田院長。


コンタクトレンズにも遠近両用がある。メガネレンズと異なり、遠用部と近用部が同心円型になっている(上図)。ソフトレンズは円の中央が近用または遠用のものがあり見え方の好みで選べるが、ハードレンズは中央が遠用のものだけだ。

一般に、遠方重視の人には中央が遠用のタイプ、手元重視の人には中央が近用のタイプがいいとされるが、見え方には個人差があるのでトライアルが重要だ。「ソフトレンズよりもハードレンズのほうが見え方が鮮明なので、使用経験者にはハードレンズを薦める」と梶田院長は話す。ちなみに、遠近両用コンタクトレンズに乱視の度がはいったものはない。

■この人たちに聞きました

北市伸義さん
北海道医療大学個体差医療科学センター眼科学系教授。専門は炎症性眼疾患。アスタキサンチンやビルベリーエキスの眼精疲労に対する効果を検証する基礎研究、臨床研究を行う。北海道大学医学部卒業。2000年、同大学院医学研究科博士課程修了。医学博士。北海道大学病院客員臨床教授も務める
梶田雅義さん
梶田眼科(東京都港区)院長。パソコン作業や老視の放置などによる目の調節異常に詳しい。眼精疲労の原因を特定する調節機能解析装置の開発に携わる。1983年、福島県立医科大学卒業。同大学眼科講師などを経て2003年から現職。医学博士。日本コンタクトレンズ学会理事

(ライター 小林真美子 構成:日経ヘルス 太田留奈)

[日経ヘルス2017年1月号の記事を再構成]