ゆりやんレトリィバァ イジられキャラ受け、全国区へ

芸歴4年目のピン芸人、ゆりやんレトリィバァが全国区の顔になりつつある。このところ『金曜★ロンドンハーツ』や『アメトーーク!』(ともにテレ朝系)では常連のような活躍ぶりで、徐々にそのキャラクターが浸透してきた。

ゆりやんレトリィバァ 1990年11月1日生まれ、奈良県出身。今年6月『金曜★ロンドンハーツ』で若手芸人アキナの山名文和に告白。フラれはしたが、いつも恋していることが原動力。最近好きな人は嵐の桜井翔。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。

ご覧のぽっちゃり体形に、イジられやすい顔立ちという外見のみならず、ネタの評価も上々だ。ピン芸人日本一決定戦の『R―1ぐらんぷり』では昨年、今年と2年連続で決勝戦に進出し、ともに3位という好成績を残した。アカデミー賞授賞式の女優にふんして、英語ふうのスピーチの中に「男でピアスあけてる人、だいたい離婚する」「古本は臭いから安い」といった日本語を細かく紛れ込ませるネタや、レオタード姿で踊りながら「落ち着いていきや~」と、焦っている人にアドバイスを繰り出すネタなど、ユニークな発想とビジュアルのかけ算で客席を大きく沸かせている。

もともとはモーニング娘。になることを夢見る少女だった。目立ちたがり屋だったこともあり、お笑いへの目覚めは早く、「小2の頃に見た吉本新喜劇が面白すぎて、私もこうなりたい、と。早めに身の程を知っていたので、ここなら私みたいな不細工でもスポットライトを浴びられるかもって(笑)」と語る。

初舞台は高校3年生の文化祭で、その頃からピンネタを披露している。卒業後はすぐにお笑いの道に進むことを考えていたが、「好きだった人に彼女ができたことがショックで、すごいと思われるために猛勉強して」関西大学文学部に進学した。流ちょうな英語ネタは、「大学のときにできたストリートダンスサークルの友達のおかげ。留学している子が多かったので、英語でふざけて遊んでいたのがネタになった」と説明する。

大学4年のときにダブルスクールで吉本総合芸能学院(NSC)に進むと、才能は間もなく開花。関西の実力派芸人・ヤナギブソンが特別審査員を務めるイベントで「ヤナギブソン賞」を獲得したほか、首席をかけたネタバトルで優勝。デビューした年には地方の人気番組『ロケみつ』(MBS系)にレギュラー入り。学力もお笑いもエリート街道をひた走ってきた。

現在は活動の拠点を大阪に置く。全国ネットのバラエティーに出演する機会が増えたために東京との行き来が多くなったが、その間にも精力的に単独ライブを実施してきた。日ごろのネタ作りは「自分がちょっと楽しいなと思ったフレーズや動作をずっと繰り返すクセがあって、それを基にネタに広げている」と明かす。

目下の目標は「『R―1ぐらんぷり』優勝」だ。さらにその先の展望について、「大阪が好きなので、大阪で面白い人になって海外に出たい。いつかレッドカーペットを歩いて、本物のアカデミー賞のネタを実現させるのが夢です。…とか、調子乗っちゃって~♪」と持ちギャグを交えながら熱い思いを語った。

事務所の先輩芸人・渡辺直美がワールドツアーを実施するなど、今やお笑いの海外進出は日常になりつつある時代。万国共通で人を和ませそうなルックスとネタを携え、世界を股に掛けた活躍をしてくれることに期待したい。

(「日経エンタテインメント!」11月号の記事を再構成。敬称略、文・遠藤敏文 写真・中村嘉昭)

[日経MJ2016年12月2日付]

エンタメ!連載記事一覧