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K-POP「7年目のジンクス」独立・脱退が相次ぐ裏事情

日経エンタテインメント!

2016/12/16

 ここ数年、韓国の音楽界で人気グループのメンバー脱退や独立、活動停止が話題になるとき、必ず出るキーワードが「7年目のジンクス」。日本で2011年にデビューしてK-POPブームを起こしたガールズグループのKARAや少女時代も逃れられなかったこのジンクスとは何だろうか。

ジェシカ(元少女時代) 2016年5月に韓国でソロ歌手として初のアルバムを発売。日本でイベントも実施した。(C)Imaginechina/アフロ
ニコル(元KARA)2016年4月に日本1stアルバム『bliss』をリリース。日本でライブも実施した。(C)アフロ 

 「7年目のジンクス」が信じられるようになった理由は大きく分けて2つある。まず、KARAと少女時代の7年目の脱退騒動だ。偶然、韓国芸能界の2大トップスターから、デビュー7年目に脱退者が出てしまった。韓国では脱退者を出したグループは、脱退以前の人気を超えられないというジンクスがある。また、脱退後にソロ活動で大成功したメンバーもいない、というのが定説だ。そこで、この脱退騒動は、韓国におけるガールズブームの「停滞」を意味すると、大きく報道された。

 具体的に見てみると、例えばKARAを脱退したニコルがデビューしたのは16歳のときで、7年後は23歳、一方、少女時代のジェシカは18歳でデビューし、25歳で脱退となった。誰でも10代から20代に入ると、芸能界での活動の方向性や私生活への考え方が大きく変わってくる。また、時間が経つと事務所への不満やメンバー間の不和、個別の人気の格差なども生じる。ファンは「ある程度は仕方の無いこと」という同情も含め、やり場の無い悲しみを、なぜか起きた「7年目のジンクス」という言葉にぶつけたのだった。

デビュー時期は韓国。いずれのグループも2010年以降に日本でデビュー経験あり

■これからもジンクスは続く

 そして次に、もう1つの強力な「7年目のジンクス」が現れた。標準契約書の存在だ。日本のアイドルと同様、韓国のアイドルも事務所に所属し、専属契約を結んでいる。現在、その多くが契約時に採用しているのが、韓国の公正取引委員会が、不公正な契約を防止するために2009年に定めた「大衆文化芸術人(歌手中心)標準専属契約書」というひな形だ。

 この契約書では、契約期間は最長で7年に限定され、その後は改めて契約を見直すことができる。契約当初は新人だったアイドルも、7年たって実績を残していれば、もっと有利な条件で再契約、または契約を更新せず移籍、という選択も可能になるわけだ。標準契約書が定められた09年以前にデビューしたグループには、“奴隷的な契約の存在”を巡って、トラブルになった例もあった。契約期限を定めた標準契約書はアイドルにとっては救いの存在。しかし事務所にしてみると、7年後に訪れる別れも予想しなければならず、その短期間で投資回収しなければならないというハードルになる恐れがある。

 今年は標準契約書が導入された09年から7年目の年。それが理由かは不明だが、人気のグループから続々と脱退者が出ており(表参照)、再び「7年目のジンクス」が韓国メディアで話題になっている。脱退者が出たグループは、日本でも活動経験がある人気者では、BIGBANGの妹グループの2NE1のほか、ボーイズグループのBEASTなど。そして、ガールズグループの4Minuteにいたっては、5人のメンバーのうち4人が脱退してしまったので、事実上の解散状態だ。

 来年には10年デビュー組のSISTAR、INFINITE、11年にはApinkやBlockBと、日本のファンにもよく知られた人気者たちがデビュー7年目を迎える。当たり前だが、以後も毎年出てくるので、「何事もなく過ぎ去ってほしい」とファンは心配している。「アーティストのモチベーションを下げたくない」と、韓国と日本のファンの応援の熱は今、7年目のジンクスを振り払うために、さらに高まっているのが現状だ。

(ライター 鄭聖希)

[日経エンタテインメント! 2016年12月号の記事を再構成]

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