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経験豊富、「ドゥーラ」が見つめる産後ママの今

2016/11/19

 子どもを産んだばかりの女性に寄り添い、家事や育児をサポートする「産後ドゥーラ」の活動が広がっている。2012年に始まった一般社団法人「ドゥーラ協会」による養成講座からは既に11期生が巣立ち、北海道から鹿児島まで200人以上のドゥーラが産後ママたちを支えている。自治体がドゥーラの利用料を補助するケースも出始めている。

 ドゥーラとは、ギリシャ語由来の言葉で「他の女性を支える経験豊かな女性」という意味。家政婦やベビーシッターとの違いについて、ドゥーラ協会の宗祥子代表理事は「赤ちゃんのお世話ももちろんするが、掃除をしたり、子どもの迎えや買い物、産後の母親の体の相談など、マルチなサポートができる」と力説する。約70時間の養成講座を経て、ドゥーラとして独り立ちするという。

 一人ひとりのドゥーラは個人事業主。ドゥーラ協会のホームページから自宅近くのドゥーラを探せるが、協会は紹介料などを一切取らない。利用料は1時間2千~3千円程度が大半。協会によると、東京都中野区、品川区、杉並区、世田谷区、静岡県菊川市で現在、利用料補助などが受けられる。「どこも産後の母親をサポートできる担い手が不足しており、自治体からドゥーラ協会への相談が増えている」と宗代表。

 記者は10月、1期生のベテランドゥーラ、森山紀久子さんの訪問に密着した。もともとシステムエンジニアだった森山さん。長男の出産を契機にドゥーラに転身した。既に40軒以上の家庭を見つめてきた森山さんは「いろいろな家庭を見させてもらって、何が正しいとか単純な正解はないのだなと思った」と話す。「最初はドゥーラとはどうあるべきかと考えて緊張していたけれど、今は私が行くことでちょっとでもお母さんが楽になればいいなと」

 この日の依頼者の舟戸仁和子さんは、3人目となる女の子を産んだばかり。1人目と2人目の出産は故郷の大阪だったので周囲からのサポートを受けられたが、今は東京。頼れる人もおらず、出産した助産院でドゥーラを利用するよう勧められたという。上の子2人は食べ盛り。舟戸さんは「赤ちゃんの面倒を見ながら食事を作るのは大変。ドゥーラの森山さんが家族全員の食事をさっと作ってくれるので本当に助かる」と喜ぶ。「昼間、赤ちゃんと二人きりで話し相手がいないのが本当にしんどい。私の産後の体のこととかも相談できる」と森山さんのことを信頼しきった様子だった。

 ドゥーラの養成講座は11期目までが終了。12期も既に募集は終わっているが、その後の募集も予定されている。宗代表理事は「まずはドゥーラ1000人の養成を目指したい」と話している。(映像報道部 桜井陽)

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