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iモード終幕 ガラケー需要、音声・メールばかりに

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日経トレンディネット

NTTドコモの「iモード」対応携帯電話が一部を除いて年内をめどに出荷を終了し、在庫限りで販売を終了することが明らかになった。1999年に登場して以降、iモードは携帯電話端末の進化にどのような影響を与えたのだろうか。

iモード対応端末が年内で出荷を終了すると発表

2016年11月2日、携帯電話業界の大きな変化を示すニュースが流れてきた。NTTドコモが「iモード」に対応した携帯電話の出荷を今年11~12月をめどに終了するというのだ。

iモードは1999年にNTTドコモがサービスを開始した携帯電話向けインターネット接続サービスだ。インターネットを利用するにはパソコンが必須といわれていた時代に、携帯電話を使って、Eメールによるコミュニケーションや、携帯電話向け各種Webサイトを閲覧できるようになったことは当時としては非常に画期的だった。そして、その後10年以上にわたって携帯電話業界をけん引してきた。

だが、2010年頃を境にスマートフォン(スマホ)の利用が急増。NTTドコモもフィーチャーフォンからスマホへと軸足を移したことから、iモード対応端末の存在感は急速に薄れていった。その結果、iモード対応フィーチャーフォンの開発は停滞し、モデル数自体も大幅に減少したのである。

さらにNTTドコモは、昨年からAndroidをベースとしたフィーチャーフォンの投入を本格化した。それにより、最近ではiモード対応フィーチャーフォン自体が販売されなくなってきている。実際、昨年販売されたパナソニックモバイルコミュニケーションズの「P-01H」を最後に新機種は登場していない。

もっとも今回のNTTドコモの発表内容によると、今後もiモード対応の「らくらくホン」は継続して出荷する方針で、iモードのサービス自体が終了するわけではない。しかしながら、一般ユーザーが手にするタイプのiモード対応端末は在庫分を残して今年いっぱいで姿を消すことは確実で、大きな時代の変化を感じさせる。

端末にも大きな変化をもたらしたiモードの存在

iモードは携帯電話でのインターネット利用を広げ、後に世界的に普及した「絵文字」の基礎を作った。また、「着メロ」「待ち受け」などの人気コンテンツと、それらを提供する多くのベンチャー企業を生み出す素地を作った。そのため、モバイルインターネットの立役者として語られる場合が多い。しかし実は、携帯電話端末自体の発展にも非常に大きな影響を与えている。

中でも大きいのが、"折り畳み"型の携帯電話端末の人気を高めたことだ。このスタイルは現在のフィーチャーフォンにも受け継がれており、長く愛好されている定番のデザインとなっている。

iモード以前の携帯電話端末は音声通話がメーンだったことから、軽量・コンパクトを追求したストレート型の端末が人気だった。だが、iモードの登場により、音声通話に加え、メールの読み書きやWebコンテンツの閲覧にも使われるようになったことで、画面が大きく見やすいことが求められるようになった。その結果、キー部分とディスプレー部分を分け、ディスプレーを大型化した折り畳み型の端末の人気が爆発的に高まったのだ。このことは、日本の端末の歴史にとって大きな変化だ。

加えて、NTTドコモは、折り畳み型以外のiモード対応端末の開発にもチャレンジしてきた。ディスプレー部分を上にスライドするとキーボードが現れる「スライド型」や、ディスプレーを回転して横画面での利用が可能な「スイーベル型」、さらには、ノートパソコンのようにキーボードを備え横画面で利用できる端末、ディスプレーとキーを分離できる端末、スマホのようにタッチ操作が可能な端末などだ。

スマホ時代になって、端末のデザインは"板"ともいうべき、タッチパネルを搭載したストレートタイプのものに固定されてしまった。しかし、iモードの全盛期は、非常に多様なデザインの端末が登場し、市場を盛り上げていた。

iモード対応端末が姿を消す理由

スマホ時代に移った今も、フィーチャーフォン自体は年配層を中心に根強いニーズがある。それにもかかわらず、iモード対応端末が姿を消すのは一体なぜなのか。そこには、iモードの進化が止まってしまったことが大きく関与している。

iモード対応端末が使用しているOSの進化が止まったことで、それに対応するチップセットなどが生産されなくなり、調達が困難になってきたため、対応端末の開発自体が難しくなってしまったのだ。

フィーチャーフォンがAndroidをベースとしたものにシフトしているのも、Androidに対応するチップセットなどを活用することで、部材を安定的に確保できるためだ。今なおユーザーニーズが高いフィーチャーフォンを作り続けるには、過去の環境と決別する必要があったわけだ。

だが、Androidベースのフィーチャーフォンは、インターネット接続サービスにiモードではなく、スマホと同じ「spモード」を採用している。そのため、メールアドレスこそiモードと同じものが使えるが、iモード上で提供されていたWebコンテンツやアプリは利用できない。

NTTドコモが、Androidフィーチャーフォンに向けて、iモードと同じ環境を提供しなかった理由は、フィーチャーフォンユーザーの利用スタイルが音声通話とメールにほぼ限られるためだ。モバイルでさまざまなコンテンツを利用したいユーザーの多くはすでにスマホに移行している。従って、iモードの仕組み自体をそのままAndroidに移植することは"割に合わない"と判断したのだ。

iモード端末の出荷が終了し、いずれ市場から姿を消すことが決まったことは非常に残念なことだ。だが、あれだけの全盛を誇ったiモードでさえも過去のものとなってしまうほど、携帯電話業界は常に大きな変化の波にさらされ続けているということだ。

佐野正弘(さの・まさひろ)
 福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。

[日経トレンディネット 2016年11月9日付の記事を再構成]

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