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「夢はサントリー」 静岡発、国産まっこり開発秘話

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NIKKEI STYLE

韓国の伝統酒「まっこり」。静岡県掛川市の企業が国産まっこりを製造・販売している。静岡県の水と愛知県のコメ、日本人の杜氏(とうじ)が生んだ国産品。5月には新製品も登場した。

「甘くないのが斬新」

10月15日。東京都港区のタワーマンションの一角で国産まっこり「きぬさら」の発表パーティーが開かれた。製造・販売するオファード(静岡県掛川市)の南貴晴社長は「韓国の伝統的な製法で作った本物のまっこりを味わってください」と参加者にあいさつした。絹のようなのどごしと口の中でさらりとほどける後味。料理には静岡のカツオ料理が振る舞われた。すっきりとした酸味とフルーティーな香りが和食にもぴったり。きぬさらをベースにしたカクテルも披露され、参加者は口々に「飲みやすくておいしい」「甘くないのが斬新」と話していた。

温暖な気候の静岡、まっこり作りに向く

掛川市にある本社工場を訪ねた。足を踏み入れるとつーんと甘い香りが広がる。まっこりの仕込みは約2週間かかる。杜氏の山本浩己専務は「仕込みに入るとつきっきりで土曜、日曜も出てくる」と話す。じつは温暖な静岡の気候はまっこり作りに向いているという。あまり寒いと酵母の発酵が止まってしまうからだ。製造設備への投資約6000万円は自己資金でまかなった。現在は500ミリリットル換算で月間1000本出荷している。注文が増えており、本社隣の土地を購入し工場を拡張する計画だ。

「オファード」はもともと南社長の父親が経営していた塗装会社だ。バブル後の建設不況もあり、今後の事業の柱を模索していた。不動産業や福祉施設に特化したコンサルタント業務を相次いで始めた。別法人で病院事業にも乗り出し、オファードは介護施設向けの給食を始めた。

職人育成のため、社員を韓国に派遣

「やはりなにか一つ、会社独自で発展できるものをやりたい」。南社長は考えていた。他がまねできないことをしたい。南社長は青年会議所に入っていて韓国と交流があった。目をつけたのがまっこりだ。最初は韓国から職人を呼ぼうとしたが、言葉の問題や技術継承できるかの懸念があり、断念した。自分たちのなかから職人を作るため、社員の山本さんに修行のための韓国行きを打診する。

結婚して半年しかたっていなかった山本さんだが、返事は「行きます」。まず、言葉を習得するためソウル市内に部屋を借り、語学科のある大学へと入学した。1年半かかり、専門知識の習得に必要な語学力を身につけた。語学習得と同時に、まっこりの技術を取得できる場所を探す日々が続いた。酒造所からは軒並み断られたという。偶然にもまっこり作りを教えてくれる学校の案内を見つけ、入学する。外国人生徒は山本さんが初めてだった。

山本さんが技術取得に苦闘していた頃、地元掛川市に韓国のフェンソン郡から姉妹都市提携の話が持ち上がった。掛川市長と、当時青年会議所理事長だった南社長が視察に行くと、そこは伝統酒の製造の街だった。群主に対し協力を要請、まっこり伝統製法の伝授という話がまとまった。

山本さんは2013年に帰国。酒造許可、製造工場の設計、工事を経て自社工場が完成する。14年秋に日本初という日本人による本格まっこりを完成させ、最初の製品「掛川まっこり」が完成する。掛川市内のスーパーや飲食店などに置かれ、人気を集めている。

「プレミア酒」にはならず、当たり前に出回る

「掛川まっこり」の消費期限は2カ月程度だったが、瓶詰めまでの製造工程を見直し、8カ月まで延びた。店頭の実売価格は500ミリリットルが798円(税抜き)。いつでもだれでも飲めるように手の出しやすい価格にした。現在は地元のスーパー中心に販売している。今後、東京など首都圏の販売に向け準備中だ。「(ブランド焼酎のような)『プレミア酒』にはならず、当たり前に日本に出回る。サントリーのようなメーカーになりたい」。南社長の目が輝く。

(村野孝直)

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