総ざらえ iPhoneを安く買う方法

日経トレンディネット

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2016年9月16日の発売以降、人気が高いアップルのスマートフォン「iPhone 7」「iPhone 7 Plus」。だが、人気端末とはいえ「できれば安く買いたい」というのが誰しもが持つ共通の思いだろう。

現在のスマートフォン市場は総務省の規制もあり、店頭での割引が制限されるなど、安く購入する方法が少なくなっている。とはいえ、NTTドコモなどの大手携帯電話会社の価格設定や下取りサービスの価格の確認、または格安SIMとSIMフリースマホの選択など、安くスマホを使うために工夫できる部分もある。

では、iPhone 7/7 Plusや旧モデルのiPhone 6s/6s Plusを安く買うために抑えるべきトピックを見ていこう。

iPhone 7は最初から「安い」

iPhone 7シリーズにはいくつか新機能が追加されたが、購入価格の面からみても大きな変化があった。

まず、iPhone 7では最安モデルの容量が32GBになった。32GBあれば、ライトユーザーなら容量をあまり気にせず利用できる。

これまでのiPhoneの最小容量は16GBと少なく、OSの容量と複数のアプリ、写真撮影だけですぐに容量不足になりやすかった。このため、ライトユーザーは余裕を持ってやや高額な64GBモデル(6s/6/SE)や32GBモデル(5s/5c)を選ぶ必要があった。だが、iPhone 7ならライトユーザーは最安モデル(32GB)を選んで出費を抑えられる。

iPhone 7と、2015年に発売されたiPhone 6sの発売当初の価格を比較(NTTドコモでの機種変更)。最安モデルの容量が実用的な32GBモデルになり買いやすくなった

もちろん、写真や動画、音楽を持ち歩いたり、大容量ゲームアプリを楽しみたいなら、128GBモデルがおすすめだ。また、より安い大容量モデルが欲しいなら、値下げされたiPhone 6sやiPhone SEの64GBモデルという選択肢もある。

iPhone 7では利用目的と予算に合わせて、高額モデルから低価格モデルまで自由に選びやすくなったといえる。

最新「7」と値下げされた「6s」の違いは?

次に、iPhone 7とiPhone 6sの機能面の違いやベンチマーク結果について、表にまとめた。

機種名iPhone 7iPhone 6s
画面 4.7インチ
(1334×750ピクセル)
4.7インチ
(1334×750ピクセル)
カメラ(メイン/イン) 1200万画素/700万画素 1200万画素/500万画素
CPU A10 Fusion 2.34GHz A9 1.85Ghz
CPU性能のベンチマーク数値
(Geekbench4)
5567 4107
グラフィック性能のベンチマーク数値(3DMark Ice Storme Unlimited) 37542  29381 
指紋認証
防水
FeliCa
スピーカー ステレオ モノラル
ヘッドホン端子 接続には専用アダプターが必要

6sを持っている筆者がiPhone 7を購入した感想を述べよう。まず、7から搭載されたステレオスピーカーは動画サービスを楽しむのに便利だ。また防水対応で、雨の日やキッチンでも気軽に使いやすくなった。10月下旬には、Suicaなど国内の電子マネー対応も始まった。

7ではディスプレーの発色やカメラの明るさのほか、CPUの処理性能も向上している。ただし、比較したiPhone 6sも十分に高性能なこともあって、6sの買い替えの決定打になるほどの魅力は感じられなかった。

筆者がiPhone 7で一番不便に感じたのは、ヘッドホン端子の廃止だ。付属のアダプターを使えばヘッドホンを接続できるのだが、使い回しや持ち歩きが面倒だ。また、外出時にイヤホンを忘れたとき、店頭でイヤホンを買ってすぐに繋ぐこともできない。アダプター経由での音質についても不満があった。

iPhoneをiPodの流れをくむ音楽機器として使っている人にとっては、ヘッドホン端子の廃止は気になる部分だろう。この点も含めて、新機能よりもお得さでiPhoneを選ぶなら、値下げされた6sでもいいのではというのが筆者の感想だ。

左のiPhone 7ではヘッドホン端子が廃止された。従来のヘッドホンを装着するには付属のアダプターが必要になる

ドコモ、au、ソフトバンクでお得に買うには?

ここからはドコモ、au、ソフトバンクのiPhoneの機種変更価格を見ていこう。

ドコモの場合、iPhone 7シリーズは家族でまとめて契約しないと安くならないが、iPhone 6sシリーズの機種変更価格は安めに設定している。iPhone 7シリーズが欲しい人を中心に、家族にはお得なiPhone 6sシリーズで同社のシェアプランに入ってもらおうという戦略だろう。

一方、auとソフトバンクは機種変更向けにiPhone 7シリーズを安く提供する一方、iPhone 6sシリーズはMNP(番号ポータビリティー)や新規向けの割引優先で機種変更向けにはあまり安く提供しないという違いがある。

これから示す各キャリアの価格は2016年10月9日時点の店頭調査によるものだ。iPhone 6sは今後64GBと16GBモデルが廃止され32GBモデルに入れ替わるので、店頭価格は短期間で変動することもある。この点は注意して欲しい。

ドコモは「家族で同時購入」がお得

ドコモiPhone機種変更の実質価格

ドコモのiPhone 7シリーズの機種変更価格は、auやソフトバンクより高い。だが、家族で2016年9月から11月30日までの間にドコモのスマホを複数台購入すると割引を受けられる「家族まとめて割」を適用すると1台あたり5184円安くなり、auとソフトバンクと同額になる。

「家族まとめて割」の複数台購入で狙い目なのが、iPhone 6s 64GBモデルだ。こちらも複数台購入で1台あたり5184円安くなる。iPhone 7 32GBモデルと比べると性能や機能で劣る部分もあるが、約6000円安くて容量が64GBと多く使いやすいのは魅力だ。

今後、ドコモのiPhone 6sシリーズは32GBと128GBモデルに集約されるので、64GBモデルを狙うなら今のうちがチャンスだ。

128GBモデルだと、iPhone 7シリーズとiPhone 6sシリーズの違いは6000円前後の価格差だけとなる。6000円前後の価格差だけなら、やや高くても新しくて機能が追加されたiPhone 7を選びたくなる。

auは機種変更が安い

au iPhone機種変更の実質価格

auはiPhone 7シリーズの機種変更価格を安くしている。また、iPhone 6sシリーズの機種変更価格は現在iPhoneを使っている利用者に対して割引を提供する一方、それ以外のAndroidスマホやケータイ利用者に対しては高めの価格設定になっている。

auでAndroidスマホや従来のケータイからiPhoneに機種変更する場合、選択肢は事実上iPhone 7シリーズかiPhone SEのどちらがとなる。

現在iPhoneを使っている場合は「iPhone 6s機種変更おトク割」が適用され、iPhone 6sも選択肢の一つになる。性能や機能重視ならiPhone 7、容量重視ならiPhone 6sの64GB、安さ重視ならiPhone SEの64GBがおすすめだ。

大画面かつ安いモデルなら、iPhone 7 Plus 32GBか、iPhone 6s Plus 64GBのどちらかが狙い目だ。

ソフトバンクはiPhone 7がお得

ソフトバンクiPhone機種変更の実質価格

ソフトバンクはiPhone 7シリーズと、iPhone 6sの64GBモデルがお得な価格設定だ。安く機種変更したいなら、iPhone 7の32GB、iPhone 6sの64GB、iPhone SEの64GBのいずれかから選ぶこととなる。性能と価格、容量のどれを優先するかで選ぶとよいだろう。

大画面かつ安いモデルなら、iPhone 7 Plusの32GBか、iPhone 6s Plusの64GBのどちらかで迷うことになる。

下取りをお得に使うには……

iPhoneの魅力の一つとして、中古スマホ取扱店での買い取り価格の相場が下がりにくいというものがある。奇麗に使い続けていたら、1年前のモデルなら3万~4万円、2年前のモデルでも2万円前後の買い取り値を期待できる。

近年ではドコモ、au、ソフトバンクの携帯電話会社もiPhoneなどスマートフォンの下取りサービスを開始している。店頭キャンペーンのポスターも「下取りで安くiPhoneを買い替え」「iPhone一括1円(下取りが条件)」など、下取りで安く機種変更を促すようなものがほとんどだ。

また、auとソフトバンクの下取りは、画面割れがあっても本体内部が故障や水濡れしてなければ全額下取りできる場合があるなど、より使いやすいサービスへと変わりつつある。

各社とも下取りでのiPhone買い替えを促進している

とはいえ、iPhoneやAndroidスマートフォンの下取り価格は携帯電話会社によって異なり、製品や状態によっては中古スマホ取扱店のほうが高く買い取ってくれることも多い。より高くiPhoneなどスマートフォンの下取りをするコツについてみてみよう。

下取り価格と条件を比べてみた

iPhoneに限らず、スマートフォンを下取りに出す場合は、携帯電話会社の下取り価格と、中古スマホ取扱店の下取り相場を一度比べたほうがいい。新しいモデルだと中古スマホ取扱店、古いモデルだと携帯電話会社の下取りのほうがお得な傾向がある。

下の表は、ドコモ、au、ソフトバンクでiPhoneからiPhoneへ機種変更する場合の下取り価格と、中古スマホ取扱店「じゃんぱら」の中古買い取り上限額(2016年10月10日時点)の相場を比較したものだ。

ドコモじゃんぱら中古上限
iPhone 6 Plus 2万5000円 128GB 3万6000円
64GB 3万4000円
16GB 2万9000円
iPhone 6 2万2000円 128GB 3万1000円
64GB 2万8000円
16GB 2万6000円
iPhone 5s 2万2000円 64GB 2万2000円
32GB 2万円
16GB 1万8000円
iPhone 5c 6000円 32GB 1万7000円
16GB 1万5000円
auじゃんぱら中古上限
iPhone 6 Plus 2万7000円 128GB 3万4000円
64GB 3万2000円
16GB 2万7000円
iPhone 6 2万4840円 128GB 3万円
64GB 2万5000円
16GB 2万3000円
iPhone 5s 2万2680円 64GB 1万8000円
32GB 1万6000円
16GB 1万5000円
iPhone 5c 1万1880円 32GB 1万1000円
16GB 1万円
iPhone 5 1万1880円 64GB 1万2000円
32GB 1万1000円
16GB 1万円
ソフトバンクじゃんぱら中古上限
iPhone 6 Plus 2万6400円 128GB 3万4000円
64GB 3万2000円
16GB 2万7000円
iPhone 6 2万6400円 128GB 3万円
64GB 2万5000円
16GB 2万3000円
iPhone 5s 2万6400円 64GB 1万8000円
32GB 1万6000円
16GB 1万5000円
iPhone 5c 1万2000円 32GB 1万1000円
16GB 1万円
iPhone 5 1万2000円 64GB 1万2000円
32GB 1万1000円
16GB 1万円

全体の傾向としては、比較的新しいiPhone 6シリーズの大容量モデルは、中古スマホ取扱店のほうが買い取り価格が高い。一方で、iPhone 5s以前のモデルは買い替え促進の意味合いもあってか、携帯電話会社の下取りサービスのほうがお得なことが多い。

例外として、ドコモ版iPhoneは中古スマホ取扱店の買い取り相場がやや高めだ。これは、ドコモ版iPhoneだとドコモ回線を利用した格安SIMをSIMロックの有無の関係なしに利用できることが影響している。

特に、ドコモ版iPhone 5cを使っている人は中古スマホ取扱店の買い取りが狙い目だ。もちろん、ドコモのiPhoneを下取りに出さず、格安SIMを契約して使い続けてもいい。

携帯電話会社の下取りは査定がゆるめ

買い取り価格で携帯電話会社の下取り価格と、中古スマホ取扱店の買い取り価格が同じ場合は、携帯電話会社の下取りサービスのほうが得なことが多い。

というのは、中古スマホ取扱店の相場は美品のもので、細かい傷などがあると減額対象になってしまう。だが、携帯電話会社の下取りの場合は明らかに故障していない限り、減額にならないことがほとんどだ。

さらに、auとソフトバンクの下取りの場合は、画面割れやヒビが入ったものについても、本体の故障や水濡れがなければ減額なしの下取りを受けられることがある。

現在使っているiPhoneの画面にヒビが入っていて、修理も買い替えも難しいと考えている場合は、一度auやソフトバンクで相談してみるとよいだろう。機種変更はもちろん、MNP(番号ポータビリティ)であっても高額下取りでiPhoneを安く買い替えられる可能性がある。

Androidスマホの下取りはMNP時がお得

Androidスマホの下取り価格は、下取りに出す機種や「機種変更かMNP」かでかなり異なる。

Androidの場合、携帯電話会社の下取りで高値がつくのは、MNP契約と同時に2~3年以内に発売された他社のXperia Z3やXperia Z2、Galaxy S5やGalaxy Note Edgeといった人気メーカーの端末を下取りに出した場合だ。これらのモデルなら、2万円前後で下取りを受けられることが多い。

一方で、機種変更に伴う下取りや、XperiaやGalaxy以外のブランドモデルだと、中古スマホ取扱店のほうが高い買い取りになることが多い。携帯電話会社の下取りを利用する前に買い取り査定を受けた方がよいだろう。

Androidスマホやケータイは携帯電話会社の下取りと中古スマホ取扱店の買い取り相場がかなり異なるうえに、美品なら古いケータイでも買い取ってもらえることもあるので要チェックだ。

「SIMフリー」という選択肢は?

最後に、近年話題のSIMフリーのiPhone 7と格安SIMについても触れておこう。「格安SIMとSIMフリーのiPhone 7を組み合わせるならトータルコストが安くなる」という話題を聞いて、興味を持っている人も多いはずだ。

まずは2年合計の支払金額について計算した。通話定額の有無やサービスの差はあるが、基本的にはドコモのiPhone7よりも、SIMフリーのiPhone 7と格安SIMを組み合わせたほうが安い。さらに、IIJmioなどいくつかの格安SIM事業者は通話定額サービスも提供しており、通話料を安く抑えられる環境も整ってきた。

SIMフリーiPhone 7(32GB)購入時の24カ月分の支払額をドコモiPhoneの支払額と比べた 格安SIMはIIJmioを選択。NTTドコモでiPhone 7(32GB)への機種変更後24カ月分の支払額と比較。契約手数料など諸費用は除外している

ただ、支払金額が安いとはいっても、サービス内容についてはドコモ、au、ソフトバンクのiPhone 7と比べて差がある点は注意しておこう。

現在提供されている多くの格安SIMは、昼の12時台や夕方以降の通信速度が遅くなりがちだ。さらに、iPhoneの留守番電話に録音された伝言メッセージを好きな順番で再生するビジュアルボイスメールを利用できない。サポートも基本はメールや電話が中心となる。

ソフトバンクが提供するワイモバイルとUQコミュニケーションズのUQ mobileの格安SIMの場合は、通信速度は比較的高速だがSIMフリーのiPhoneの動作の保証や検証がない。また、この2社のSIMはテザリングを利用できないという制限がある。

既に格安SIMについて詳しい人はよいが、あまり詳しくない人の場合は各社の動作確認情報や、速度などの口コミをしっかり調べてから購入や契約を行うことをおすすめする。

SIMフリーiPhone 7のうまい入手法

SIMフリーのiPhone 7の入手方法だが、アップルのサイトでのオンライン注文もしくは、都市部にあるアップルストアでの購入に限られる。オンライン注文は10月時点でも商品の出荷に最低1週間から、iPhone 7 Plusなど人気モデルになると6週間待ちも珍しくない。

iPhone 7 Plusの場合、オンライン注文だと出荷に6週間以上かかることも

だが、東京や大阪、名古屋、仙台、福岡の中心部のアップルストアに向かう予定があるなら、注文当日に店頭で受け取る方法もある。

実は、アップルストアではサイト上で毎日午前8時からiPhone 7の当日予約を受け付けており、予約できれば当日受け取れる。入荷していないモデルもあるが、すぐにSIMフリーのiPhone 7が欲しいなら要注目だ。

当日予約するひとつ目の方法は、Apple Store一覧の店舗リストからアップルストア各店舗のサイトに移動し、iPhone 7の項目の「今すぐ購入予約をする」から予約する方法だ。購入できる時間帯も予約制で、支払いは店頭となる。10月時点でも、人気モデルは朝8時から争奪戦になるので気合いを入れて参加しよう。

毎日朝8時から受付が始まる予約ページ。最初の数分で大半の予約台数がなくなる

もう一つの方法は、アップストアのオンライン注文を利用して、お届け予定日の下にある「Apple Storeでの受取」を選択する方法だ。こちらはサイト上で先にクレジットカードでの支払い手続きを済ませたうえで、当日店頭で受け取ることになる。筆者の経験だと、通常のiPhone 7については大半の時間で注文が可能で、前述の予約よりを使うよりも楽に購入できた。

オンラインで注文して、最寄りのアップルストア店頭での受け取りを指定する

うまくiPhone 7を予約できたら、購入通知のメールなどを持ってアップルストアで受け取り手続きをしよう。

最後に、購入したSIMフリーのiPhone 7を格安SIMで利用する際は、最初に各社が提供するプロファイルをインストールする必要がある。もし購入後すぐに使いたい場合は、プロファイルをダウンロードするためのWi-Fi環境やテザリング環境を用意しておこう。

(日経トレンディネット 島徹)

[日経トレンディネット 2016年10月28日付の記事を再構成]

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