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「ぶりっ子×ヤンキー」尼神インター じわり全国区へ 異色キャラ、女性ファン獲得

2016/11/6 日経MJ

大阪を拠点に活動しているお笑いコンビ・尼神インターが、じわじわ全国区の顔になりつつある。去年・今年と『ぐるナイ』(日テレ系)の新人芸人発掘企画「おもしろ荘」に出演し、お笑い好きの間では話題になっていたが、この夏、『踊る!さんま御殿!!』(日テレ系)や『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジ系)などに立て続けに出たことで認知度が大きく上昇。別な番組では宮藤官九郎から「今、一番会いたい芸人」として紹介されるなど、波を感じずにはいられない状況だ。

尼神インター
あまこういんたー 左/誠子(せいこ)1988年12月4日生まれ、兵庫県神戸市出身。右/渚(なぎさ)1984年8月6日生まれ、兵庫県尼崎市出身。コンビ名は、出身地にインターチェンジのインターを合体。結成当初はボケとツッコミが逆で、「こんな見た目の私がシュールなツッコミをやっていたんで、誰も笑わなかった」と誠子。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。

「失恋しても引きずらない。絶対に元カレとヨリを戻さない」と豪語するぶりっ子キャラの誠子(写真左)が、元カレを演じる渚(右)からのアプローチにホイホイと乗っかってしまう漫才や、誠子がイタい女性を演じるネタを得意とする。インタビューの受け答えも、ちょっと首をかしげた前傾姿勢という乙女な誠子に対し、渚の姿勢は重心が後ろ。宝塚の男役のような雰囲気。劇場に足を運ぶファンは女性が多く、渚に関しては、そのルックスや男勝りな言動からか、同性愛の対象として見るファンもまあまあいるそうだ。

見た目だけでなく、お笑いを目指したきっかけも対照的。暗くて地味な高校生だったという誠子は「チュートリアルさんが優勝した2006年のM―1グランプリを見て衝撃を受けた」と言い、渚は「特にお笑い好きではなかったけど、ふと、お笑い芸人というのが浮かんだので」という理由でNSC(吉本総合芸能学院)大阪校に入った。渚は高校卒業後に大工をやって入学金を貯めたという異色の経歴の持ち主でもある。

コンビになろうと声をかけたのは渚のほう。「同期に500~600人いる中で、相方がダントツにブスで、輝いて見えた」がその理由で、誠子は「(渚の)見た目がヤンキーだったから怖くて断れなかった」と明かす。すでに相方がいた誠子だったが、かくして“略奪コンビ”が生まれることになった。

全国ネットの番組で大物芸能人とからむ機会も増えてきた2人。特に感動した芸人は誰かと尋ねると、「『ワンナイ』や『アメトーーク!』を学生時代からずっと見ていたんで、雨上がり決死隊さん」(誠子)、「ある打ち上げ会場で、すごく真面目なお話を聞かせてもらったあとに、さらっとお茶目な姿を見せてくれた鶴瓶師匠」(渚)と話す。

目下の悩みは「インパクトの弱さ」と誠子。自分はデブでブスと思っていたそうだが、東京の現場で女性芸人が集まると、「自分がそこまでブスじゃないなって(笑)。大阪ではダントツでブスだと思うんですけど、東京には上がいっぱいいるから、どうやって目立てばいいのか…」。そんな誠子をかすかに笑いながら、「ネタだけでなく、人として面白いと思ってもらえるようになりたい」と渚は話す。

今年後半の目標は「M―1グランプリ決勝進出」。その先は「月9に出たい」(誠子)、「鶴瓶師匠と街ロケに出たい」(渚)と夢は膨らむばかりだ。女性芸人の中でも異色のコンビだけに可能性は未知数。さらなる快進撃に期待したい。

(「日経エンタテインメント!」10月号の記事を再構成。敬称略、文・遠藤敏文 写真・中村嘉昭)

[日経MJ2016年10月21日付]

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