アンジャッシュ・渡部建さん「ネタ作りに父の影響」

わたべ・けん 1972年東京都生まれ。44歳。高校の同級生とお笑いコンビ「アンジャッシュ」結成。野球観戦や食べ歩きなど多趣味。11月公開のアニメ映画「コウノトリ大作戦」で声優に初めて挑戦
わたべ・けん 1972年東京都生まれ。44歳。高校の同級生とお笑いコンビ「アンジャッシュ」結成。野球観戦や食べ歩きなど多趣味。11月公開のアニメ映画「コウノトリ大作戦」で声優に初めて挑戦

著名人が両親から学んだことや思い出などを語る「それでも親子」。今回はタレントの渡部建さんだ。

――東京の西部、八王子市のご出身ですね。

「八王子の山の中で育ちました。家のまわりにはカブトムシがいて、子どもの頃は虫を捕ったり、ツツジの花の蜜を吸ったりして遊んでいました。近所の空き地にはツクシがたくさん生えていました。母親がそのツクシを採ってきて、しょうゆで甘辛く煮た料理をよく食べていました」

――お母さんは料理が得意なんですね。

「家での料理はすべて手作り。おやつもクッキーやバナナケーキを焼いていました。今思えばありがたいんですが、飲み物も炭酸飲料は禁止で手作りのプルーンジュースとか。友達の家で市販のお菓子を食べるのが楽しみでした。僕がむさぼるように食べたからか、一度友達のお母さんが『建君にお菓子をあげていないんですか』と母に電話してきたこともありました」

――食の仕事が多いのもお母さんの影響がありますか。

「家を出てからは子どもの頃の反動でジャンクフードにはまったこともありました。ただ、食べ歩きやグルメリポートの番組を今できているのは、母親が食べ物について厳格で、こだわりを持っていた影響があると思います」

――お父さんのお仕事は?

「父は技術職のサラリーマンで、酒もたばこもやらず、週末の接待ゴルフに備えて練習するような真面目な人です。僕は中学まで野球をやっていたのですが、父が東芝に勤めていたので、たまに都市対抗野球の観戦に連れて行ってもらいました。一度、父が大阪出張で阪神タイガースの帽子をお土産に買ってきてくれて。それ以来、今も僕はタイガースファンです」

「父は考え方がものすごく合理的でした。例えば漢字のテストでも、人と同じ時間勉強して同じ点数では褒めてくれません。いかに少ない時間で大きな成果を出せるかにこだわり、登下校の道順も『この公園を斜めに横断すれば早く行けるだろう』というようなことを言う人でした」

――そういうお父さんの性格からも影響が。

「コントのネタ作りに生きていると思います。例えば、相方の児嶋(一哉さん)が僕の母親と結婚するというネタがあるんですが、これも方程式に当てはめてつくるんです。同級生が義理の父親になる。すると、呼び方や人間関係のねじれでおかしさが出ます。それを、僕が結婚相手に気付く前と後の2段階の公式で会話を組み立てるんです」

――ご自身の結婚願望は。

「『ある』って言ってますけど、本音ではないですね。僕の趣味は野球も食も1人で完結するんです。ただ、映画『コウノトリ大作戦』の吹き替えの仕事をして、主人公のジュニアが子どもをかわいがる感情はよくわかった。もし子どもがいたら、振り回される父親になると思います」

[日本経済新聞夕刊2016年10月11日付]

エンタメ!連載記事一覧