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美容には逆効果! やってはいけない入浴法

日経ヘルス

2016/10/12

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日経ヘルス

 お風呂につかるのは、肌の汚れを落としたり血流を良くしたりと美容に良い習慣だ。だが、誤った入浴法を続けると、肌の乾燥や肌荒れを招きかねない。

 温泉療法医である宇野皮膚科医院の漆畑修院長は「入浴中にタオルでこすりすぎて肌を痛めたり、色素沈着を引き起こしている女性が多い」と指摘する。きれいになりたいと思って行いがちだが、実は肌には良くない入浴法をまとめてご紹介する。特に、お湯につかったときにピリッと感じる敏感肌の人や、何をしても乾燥肌が改善しない人は、入浴法を見直してみよう。

【やってはいけない入浴法(1)】

「全身を毎日石けんで洗う」

 →肌荒れ、くすみ、乾燥の原因に

 毎日、石けんで全身をごしごし洗うのは、実は肌に良くない。「体には皮脂腺が多くて皮脂分泌が多い部分と、そうではない部分がある。皮脂腺が多い部分には酸化した皮脂汚れが付きやすいので、毎日石けんで洗ってもいい。だが、二の腕や脚などは毎日石けんで洗うと乾燥を招くので一日おきに」と銀座ケイスキンクリニックの慶田朋子院長。

 また、体を洗うのは入浴の最後がいいそう。「体を洗った後はバリア機能が低下する。その後に湯船につかると、細胞間脂質などが漏出して肌がカサカサになる」(慶田院長)ためだ。

■ここだけは毎日洗ってもいい

 皮脂腺が多いのは胸の上側、両わき、背中の上側など。「洗浄剤をしっかり泡立てて短時間でなでるように洗い、十分にすすぐ。他の部位は、すすぐときに流れる洗浄剤だけでも十分」(慶田院長)

■さらに美肌になるポイント

 硬めのタオルでごしごし洗うと、肌から水分が蒸散しやすくなる。「肌荒れや、ニキビ、アトピー性皮膚炎の悪化につながるので、手のひらで洗うといい」(漆畑院長)

(データ:ライオン)

【やってはいけない入浴法(2)】

「肌がふやけるほど長くつかる」

 →乾燥肌の原因に

 長くお風呂につかると、肌がだんだんふやけてシワシワになってくる。これは、「肌表面の角層が、多量の水分を吸収して膨らんだ状態。一時的に肌のバリア機能が低下し、物質が浸透しやすくなっている」と漆畑院長。

 肌がふやけた状態でさらにお湯につかっていると、「肌の内部にあって水分を保つ働きをしているNMF(天然保湿因子)や、セラミドなどの細胞間脂質が必要以上に流れ出てしまう。皮脂も必要以上に失われて、その結果乾燥肌になりやすくなる」(漆畑院長)。「お湯につかる時間はトータルで15分程度までを目安に。温度は38~40度のぬるめがいい」(漆畑院長)

【やってはいけない入浴法(3)】

「髪や体を乾かすのに10分以上かける」

 →乾燥肌の原因に

 お風呂上がりは水分が肌に残っているため肌がしっとりしているが、「それは一時的なもので、10分もすると肌の水分量は入浴前と同じレベルまで戻る」と漆畑院長。浴室から出て、髪や体をふいて乾かして……という流れをゆっくり行っている間に、肌の乾燥がどんどん進んでしまうというわけだ。

 温泉療法専門医である東京都市大学人間科学部の早坂信哉教授は「湿気がある浴室にいるうちに、手早く保湿効果のあるものを塗るといい」とアドバイスをする。湯船から上がったらタオルで水分をふき取り、セラミドなど保湿成分を含む化粧水や乳液で潤いを閉じ込めよう。

 入浴後にオイルなどを使ってゆっくりマッサージをしたい場合でも、「脱衣所で化粧水だけでも塗ってから移動して行うのがいい」(早坂教授)。

■さらに美肌になるポイント

 肌の乾燥を進めないためには、「ドライヤーの温度は低めにして、風が顔や体にできるだけ当たらないようにして」(慶田院長)。

室温20℃、湿度45%の室内で計測されたデータ。入浴直後は肌の水分量が高いが、その後急速に肌の水分量が低下し、入浴後20分を過ぎると入浴前よりも乾いた状態に(データ:ライオン)

【やってはいけない入浴法(4)】

「肌が弱いのにさら湯に入る」

 →肌荒れ、かゆみの原因に

 わかしたてのお風呂(さら湯)は気持ちがいいが、水道水に含まれている塩素が肌を刺激することも。塩素を除去するためには入浴剤が有効だ。「日本の入浴剤は、塩素が除去できるグルタミン酸やアスコルビン酸(ビタミンC)を含んでいるものが多い」(早坂教授)

 塩素除去には市販のビタミンCの粉末を入れてもいい。「浴槽1杯の湯(約180L)にビタミンC0.2~0.3gが目安。ゆずやミカンなど果物を入れるのもお薦め。半分に切った方がビタミンCが溶出しやすいが、果汁が出すぎると肌に刺激になる場合もあるので注意」と早坂教授。

 入浴剤には、肌への刺激となる浸透圧の差を減らす働きもある。「傷があるときに入浴するとしみるのは、真水が人間の体に対して浸透圧が低いため。人体と同じ濃度の生理食塩水なら刺激とならず、傷にもしみない。浴槽の湯に入浴剤を入れると、ミネラル分が溶け込み水道水の浸透圧が上がり、肌への刺激が和らぐ」(早坂教授)

【やってはいけない入浴法(5)】

「入浴中にスマホを見る」

 →肌荒れ、くすみの原因に

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 スマホをお風呂に持ち込んで入浴中もいじったりしていない? 本来はリラックスして副交感神経の活動が優位になる入浴タイムにスマホを見ると、交感神経が活発に働き、自律神経が乱れやすくなる。

 「自律神経が乱れると血流が悪化し、肌荒れやくすみの原因につながる」と漆畑院長。

 入浴中は、より副交感神経が優位になるようなリラックス法を心がけよう。「入浴中は“鎧(よろい)を脱ぐ”瞬間で、素(す)の自分に戻って心身がほぐれる時間。昼間にあったつらいことを思い出して思い切り泣くのもお薦め」(漆畑院長)

漆畑 修院長
宇野皮膚科医院(東京都世田谷区)
 温泉療法医。東邦大学客員教授。東邦大学大橋病院皮膚科部長、美容医学センター長、栄養部長、院長補佐を経て現職。著書に『美しくなる入浴術』(メディカルトリビューン)ほか。
慶田朋子院長
銀座ケイスキンクリニック(東京都中央区)
 東京女子医科大学卒業。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。美肌に役立つスキンケアなどのわかりやすい解説に定評がある。近著『365日のスキンケア』(池田書店)が好評。
早坂信哉教授
東京都市大学 人間科学部
 温泉療法専門医。一般財団法人日本健康開発財団温泉医科学研究所所長。入浴を医学的に研究する。著書に『たった1℃が体を変える ほんとうに健康になる入浴法』(KADOKAWA)。

(日経ヘルス 羽田光)

[日経ヘルス 2016年10月号の記事を再構成]

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