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ロンドンのキャリアたちはオンもオフもメリハリ重視 kay me 毛見純子のロンドン起業挑戦記(第1回)

2016/9/20

 はじめまして。kay me(ケイミー) ファウンダー兼リードデザイナーの毛見純子です。

 kay me は、2011年に私が立ち上げた「一瞬で華やか ずっとラク」をコンセプトとする働く女性のための仕事服ブランドです。

 私はそれまで携わっていたIT(情報技術)や金融、エネルギー産業の事業開発コンサルタントから、このkay me創業者に転身しました。立ち上げた当初は「なんでまた(利益率の高い)コンサルティングから、(在庫も抱え、競争も激烈な)アパレル企画製造販売業へ転身したの?」と周囲に驚かれたものでした。

 kay me は、私が子どものころからずっとやりたかった「世界中の活躍する女性をサポートしたい」という思いと、マーケティングメソドロジーに基づく事業です。創業から5年、この夏からいよいよ本格的に英国ロンドンに活動拠点を移し、海外展開を始めています。

 このコラムでは、海外ビジネスを立ち上げる中で気づいたロンドンのトレンドやライフスタイルなどをリポートしたいと思っています。

■会議は短時間で「ゴールに向かってまっしぐら」

 渡英して最初に驚いた、東京とロンドンの違い。それは、ロンドン=「切り替えの街」であるということ。「メリハリの街」「ダラダラしない街」ともいえるかもしれません。

 例えば……

 ミーティングではゴールに向かってまっしぐら。ビバ短時間!

 そもそもミーティングが始まった時点で、ホワイトボードに書き出さないまでもミーティングゴールやアジェンダが自然と皆の頭にあり、そこに向かって全員がガーッと言いたいことをスピーディーに議論して片づけていきます。とにかく言いたいことを話す話す……。遠慮しないし、周りを気にしません。これはおそらく、論理的教育を受けていることに加えて、他者と違う意見こそ尊いという教育的背景があるためではと感じました。思考のスピードも言葉のスピードに比例して速いように感じます。そして最後をまとめて終わり! はい、次! という具合……。

 こちらでのインタビュー取材(私の英語レベルをものともせずラジオや雑誌の取材が多い!)は、ごあいさつしたら、ぶっつけ本番。ポイントの絞られたマシンガントークの末、ものの20分で終了することがざらです(日本の取材は1時間30分というものが多い)。

 逆に、イギリス企業に日本企業との会議の印象を聞くと、口をそろえて「日本企業はミーティングが当初から1時間半(まさに!)とかに設定されている。な……長い!」と言われます。

■誰もがマッスル志向 早朝や隙間時間にジム通い

 ロンドンでは、日々身体を鍛えることが仕事の効率を高めるということでジムに通っている人はとても多いように思います。同様に、自転車でスポーティーに通勤している男女も。特にザ・シティーなど金融街ではいたるところにおしゃれなジムがあり、大抵の会社は福利厚生として近くのジムと提携しているようです。

 ただ、日本のように「会社が終わってから」ジムへ行くというよりは、朝5時台(!)から開いている会社の近くのジムへサクッと寄ってから出社、あるいは昼休みにジムへサクッと……が習慣のよう。ジムが一番混むのは、ひと汗かいた人たちが会社へ行く支度をしている朝7時台だったりもします(出社の時間も早いのです)。

駅の書店。ITやファッション誌を席巻するのが筋トレ雑誌!

 夜はといえば、そのマッチョな身体でドレスアップして「社交にGO!」というのが通常。そう、退社も早い。だいたい木曜の18~19時にはパブで社交や情報交換にいそしみます。逆に、夜、特に週末の夜のジムは閑散としていて、閉館間際に行くと早く帰りたいスタッフに嫌がられます(笑)。

木曜18時、ロンドン中心部のパブ。春夏はオフィス街のパブはどこもこんな感じ。知り合いかそうでないかにかかわらず人々は情報交換を楽しみます

■昼の服から夜の装いへチェンジ!

 私はアパレルのブランドを展開しているので、ときどき朝のオフィス街のカフェに座って通勤服をリサーチします。まず気づくのが女性の足元。ヒールをはいている人はほとんどおらず、フラット(ぺたんこ)靴かスニーカーなのです。しかし夜、レストランやクラブへ行くと、オレンジやピンクなど東京ではあまり見かけないビビッドなカラーのドレスにハイヒールという装いが多い。3~5センチくらいのローヒールの靴はとても少ない印象です。こちらもメリハリ! 何でも、夜用のハイヒールはオフィスの机の下に2、3足、ドレスもロッカーに置いてあるとのことです。集中して仕事を終わらせたらダラダラせずに服装と靴も取り換えて社交やデートに出かける。おもいっきりしゃべって1日のストレスを解消するのです。

 ロンドンのこうした「切り替え」行動様式の裏には、フィジカル面のメリハリによってメンタル面でのメリハリも保とうという、個人個人の積極性がベースにあるように感じます。

Stay positive!

 次回は、「『神秘の国ジャパン』……!」についてリポートしたいと思います。お楽しみに。

毛見純子(けみ・じゅんこ)
 kay me 株式会社代表取締役。早稲田大学第一文学部卒業後。ベネッセコーポレーションでの営業職、PwC、ボストンコンサルティンググループでの経営戦略コンサルタントを経て、2008年にマーケティングコンサルティング会社設立。自らの経験とマーケティングメソッドを生かし、2011年「一瞬で華やか ずっとラク」をコンセプトとしたキャリア女性向け日本製ストレッチ素材アパレルブランド「kay me」を創業。2015年英国法人を設立し欧米を中心とした海外展開を開始。オンラインショップのほか、銀座、新宿、日本橋、梅田、羽田空港、ロンドンにて店舗展開。2015年英国商工会議所が選出する「アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー」受賞、2016年日本政策投資銀行「DBJ女性起業大賞」受賞。

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