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ファンドマネジャー 狭き門、女性が開ける

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投資信託や年金などの資産運用の専門家「ファンドマネジャー」は、女性の進出が遅れている分野だった。だが、子供を育てながら運用業界で活躍する女性も登場しつつある。ファンドマネジャーの道を切りひらく国内外の女性を追った。

BNYメロン・アセット・マネジメント・ジャパン 鹿島美由紀さん

1987年からファンドマネジャーとして活躍し「日本株を運用する日本人女性としては、もっともキャリアが長い一人」を自任する。2人の子供を育てつつ30年運用者として競争を勝ち抜いてきた。「重要なのは勤勉性、先見性と決断力。性別も出産・育児も運用成績には全く影響を与えない」と言い切る。

大学卒業後の85年に英系の運用会社の東京拠点に就職。入社2年後にファンドマネジャーとして同僚と共同で運用し、翌年には単独で200億円の運用を担当した。

特に女性だから不利と感じたことはない。順調にキャリアを築いていたが「退職させられるかも」と意識したのは30歳のとき。公認会計士の夫との間に第1子を妊娠した。

運用成績、性別も育児も関係ない

「子供は絶対ほしい。仕事は探せば他にもある」。そんな覚悟で産後は半年休みたいと会社に申し出たところ、あっさり了承された。不在中は英本社から派遣されたマネジャーが鹿島さんのファンドを管理した。ベビーシッターや親戚、シルバー人材サービスなどあらゆる人の手を借り、減速せずにファンドマネジャーとして走り続けている。

同社の投資信託には女性による消費拡大の恩恵を受ける企業や、女性社員の活躍が進む企業などテーマを絞って投資するものもある。テーマ型投信は短命なことも多かったが、「女性活躍推進が与える影響は裾野が広く、投資の切り口として息が長い」と予想する。

三井住友アセットマネジメント 坂井早苗さん

ヘッジファンド勤務など様々な経験を積み、運用に生かしてきた。担当するファンドは新規資金の受け入れを一旦停止するほどの人気。「顧客が評価するのはファンドマネジャーの性別よりも運用結果。競争は厳しいが実力主義が魅力」と語る。

1991年に新卒で野村証券に総合職として入社。株式営業として顧客の外資系のファンドマネジャーたちに接し「株価を通じて世界の動きを判断する」資産運用のおもしろさに目覚める。外資系証券会社への転職を経てロンドンに留学し、同時にヘッジファンドで働き始めた。このとき坂井さんの強みとなる「絶対収益型」の運用に出合った。どんな市場環境でも利益を稼ぐことを目指す手法だ。

競争厳しいけど実力主義魅力

絶対収益型運用では資金の一部を、株券を借りて売り、株価が下がったら買い戻して利益を得る「空売り」という手法に充てる。難易度は高いが相場の下落局面でも利益を確保するために重要な手法だ。他の投資家の心理を読みながらの売買を心がけている。

「生涯ずっとファンドマネジャーでいたい」というほど運用は天職という。女性の絶対収益型マネジャーという珍しい立場も「むしろ覚えてもらいやすいのがメリット」と前向きに受け止める。ファンドマネジャーとして働く後進の女性には「成果を出していれば1年くらい休んでも平気。厳しい仕事であることは理解した上で、がんばってほしい」と話す。

英ベイリー・ギフォード サラ・ウイットリーさん

英スコットランドの運用会社ベイリー・ギフォードで、資産残高8000億円にのぼる日本株専門ファンドを、女性ファンドマネージャーとして統括する。

1980年にオックスフォード大学卒業後「運用は幅広い視野が持てておもしろそう」と同社に入社。当時、女性の運用担当はウイットリーさんだけだったが、不利な扱いをされることはなかった。学生時代はボート部所属の「体育会系」だったことも「男性の中でうまくやってこられた理由の一つかもしれない」。

2人の子供を育てながら仕事を続けるため10年間ナニー(専門教育を受けたシッター)を雇い、掃除は外注した。付き合いの飲み会などの習慣がないことも、仕事を続けられた理由と話す。子どもたちは母親が働くことに不満を漏らすこともあったが「(お母さんの代わりに)ダンスの発表会に来たお父さんがせっかくの娘の出番を見落としたとか、家族の中の笑い話のようなことばかり」という。

英でも進出の遅れ、女性自ら敬遠も

女性活躍の素地が整っているようにみえる英国でも、運用を志す女性は多くないという。資産運用は本来、長期的な視点が求められる仕事だが「短期的な利益を追求する仕事と誤解して、女性が避けているのでは」と分析する。「育児に時間を取られる期間は、人生の中では短い。両立は大変だがぜひ女性にもファンドマネジャーになってほしい」とエールを送る。

能力、あくまで個人の先見性や決断力

英金融情報会社シティワイヤによると世界のファンドマネジャーのうち女性は約1割。日本の統計はないが、似たような水準と類推される。参考になるのが「証券アナリスト」資格を持つ女性の比率。必須ではないものの「取得するファンドマネジャーが多い」(日本証券アナリスト協会)資格だ。この資格を持つ「検定会員」として運用業界で働く人(ファンドマネジャー以外も含む)では女性は1割。女性比率が2割の医師や弁護士に比べても少ない。

なぜ女性が少ないのか。考えられる要因の一つはそもそも国内金融機関の総合職採用が男性に偏っていたということ。さらに、資産運用では担当者個人の実績で顧客とつながるため、運用途中で担当者を変えにくい面がある。総合職に就く女性が増えても、資産運用のチャンスまでは回りづらかった可能性がある。

だが運用で求められる能力はあくまで、個人の先見性や決断力。「運用会社は性別にかかわらず登用したほうが、適性の高い人を見つけられる確率が高まる」(BNYメロン・アセット・マネジメント・ジャパンの鹿島美由紀日本株式運用本部長)

国内最大手の野村アセットマネジメントも十数年前まで総合職の採用は男性がほとんどだった。だが今は女性も増え「出産・育児も含めて多彩な経験を積むことは運用にも好影響と考えている」(野村アセットマネジメントの平松剛運用部長)。若手、中堅の女性運用者が育ちつつあるという。

(北松円香)

〔日本経済新聞朝刊2016年9月17日付〕

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