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キャリア女子ラブストーリー

「イケメンと結婚して専業主婦になるのが夢」 キャリア女子ラブストーリー ~アラフォーからの恋愛論

2016/8/12

(写真:鈴木愛子)

こんにちは。ライターの大宮です。僕は今年の冬で40歳になります。年齢を重ねるとせつないことも多いのですが、少しは良いこともありますよね。その一つは、自分と他人の弱さや欠点を許せるようになることです。例えば、20代の頃の僕は待ち合わせ時間などに異常に神経質でした。基本は5分前集合。5分でも遅れた人には誰であろうが文句をつけ、10分以上遅れたら怒り、15分以上は待たずに帰ってほぼ絶交、という過敏さでした。

僕自身はいまでも時間や約束を正確に守るほうです。でも、それは自分の数少ない長所に過ぎず、決定的な短所もたくさんあり、しかもその短所はほとんど僕の人格と一致していて、今さら直しにくいことに気づくようになりました。あまり言いたくはありませんが、情に薄いところなどです。これだけで社会生活において致命的な欠点になり得ます。

それでも僕が何とか生活できているのは、一部の寛容な人たちに許してもらってきたからですよね。とは言え、そうした人たちにそれほど感謝しているわけでもないのですが(このへんが僕の薄情なところです)、「他人の弱い部分を見つけても、できるだけ許容しなくてはいけない。人間関係や社会はそうして成り立っているのだから」と考えられるようにはなりました。大人になるということは、強さや完璧さへの無用な憧れを捨てていくことなのかもしれません。

いまお話を聞いている鈴木明美さん(仮名、37歳)も、かつては恋人に強さを求めていました(前回記事はこちら)。明美さんは故郷の九州から遠く離れた東京で一人暮らしをしながら、広告制作会社のディレクターとして働き続けています。徹夜での作業が当たり前の世界なのだそうです。

一方、九州での予備校時代から付き合っていた同い年の新一さん(仮名)は、東京での生活にさっさと見切りをつけ、公務員になる志も捨て、地元の小さな会社にUターン就職をしました。新一さんには新一さんの悩みや葛藤があったはずですが、20代だった明美さんには東京という戦場から逃げた弱い男として映ったのでしょう。いずれは専業主婦として子育てをする夢を持っていた明美さんは彼に失望し、別れを決意したのでした。

■モテ期の20代、彼氏候補は次々現れるけれど

「最後の2年間ぐらいは、遠距離恋愛であることをいいことに合コンに参加したりしていました。ときどき上京して会いに来てくれる彼はそれでも優しくて、深夜まで残業している私を寒い季節でも外で待っていたりしたんです。東京で頑張っている私のことを誇らしく思ってくれていました。あんなにいい人なのに、私は裏切っていたんですね……」

今では反省している明美さんですが、当時はかなり調子に乗っていたようです。激務の間にも月に1回ぐらいは合コンに参加でき、男性からアプローチされることも少なくありませんでした。その中で明美さんは背が高くてスマートなパイロットに出会います。4歳上の大輔さん(仮名)です。

「この人カッコいい~、と思っていたら食事に誘ってくれました。夜は仕事がいつ終わるかわからないと言ったら、お昼時に会社の近くまで会いに来てくれたんです。すぐに、新しい彼氏ができた!と有頂天になりました」

明美さんは当時26歳。今度こそ恋愛の延長に結婚できる相手と付き合いたいと思っていた頃でした。有頂天になるのも無理はありません。ところが、合コンのメンバーに確認したところ、大輔さんは既婚者であることが判明します。2回目のランチの際に伝えると、大輔さんは悪びれもせずにこう言い放ったのです。

「嫁はCA(キャビンアテンダント)だから家にいないことが多い。たぶん、もうすぐ離婚する。そんなオレと付き合いたくないの?」

うーん、いろんな意味で不誠実な男性ですね。まっすぐに自分を愛してくれる新一さんと長く付き合っていた明美さんはショックを受け、大輔さんとの連絡は断ちました。

それでも明美さんのモテ期は続きます。これまた合コンで出会った康平さん(仮名)に声をかけられたのです。明美さんより6歳年上で、大手広告代理店に勤務。実家は都内の高級住宅地にあり、東京のオシャレな店や遊び場をよく知っている「お坊ちゃん」でした。

「私は普段はサンダル履きでブラブラしているような女です。でも、彼に高級ホテルのシックなバーに連れて行ってもらったりして、自分が知らない大人の世界に酔ってしまいました」

仕事では男性と同じかそれ以上に頑張り、恩義のある会社に貢献するために走り続けていた明美さん。一方では、「カッコ良くて頼りがいがある男性と結婚して、優しい専業主婦になりたい」という願望を持ち続けていました。冷静に考えてみれば両立はしにくいのですが、人はつい「二兎(にと)」を追いたくなる生き物ですよね。続きはまた来週。

(写真:鈴木愛子)
大宮冬洋(おおみや・とうよう)
フリーライター。1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに就職。1年後に退職、編集プロダクションを経て02年よりフリーに。著書に『30代未婚男』(共著/NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』(ぱる出版)など。電子書籍に『僕たちが結婚できない理由』(日経BP社)。読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京もしくは愛知で毎月開催中。
ライター大宮冬洋のホームページ http://omiyatoyo.com/

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