歩きスマホ無用! ポケモンGOを安全に楽に遊ぶ方法

日経トレンディネット

ポケモンGOが登場した直後の週末、六本木の公園はプレーヤーであふれ返っていた
ポケモンGOが登場した直後の週末、六本木の公園はプレーヤーであふれ返っていた
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2016年7月22日にリリースされた「ポケモンGO」(Pokemon GO)が早くも日本中で大ブームとなっているが、「ポケモンGOが歩きスマホを助長する」「私有地にポケモンが現れる」などと問題視する傾向が見られる。だが、ポケモンGOは歩きスマホをしなくても問題なくプレーでき、私有地に入らなくてもポケモンをゲットできる。まだ意外と知られていない、安全かつラクにポケモンGOをプレーする方法を紹介しよう。

「歩きスマホ」「私有地に入る」「プライバシー」

ポケモンGO開始直後の週末、日本各地は「ポケモントレーナー」(ポケモンGOのプレーヤー)であふれ返った。筆者の推測だが、日本だけでも数百万人のプレーヤーが一気に誕生し、ポケモンを探して外を歩き回っているとみられる。テレビや新聞などが事前に危惧していた通り、早くもポケモンGOにまつわるトラブルが発生している。

名古屋市では、女子大生が自転車でポケモンGOをしていたところ、ミニバイクの男にかばんをひったくられる被害が発生。NHKの報道によれば、運転中にポケモンGOをプレーしていたとして、各地で道路交通法違反容疑の検挙者が出た。

この週末に筆者が目撃しただけでも、プレーヤー同士の接触や、スマホを見たまま信号を渡ってしまうなど、ヒヤリとするトラブルもあった。死者が出るような大トラブルは7月24日の時点では発生していないが、大事故につながりかねない小さなトラブルは無数に起きていると考えられる。

各地の繁華街や主要な公園には、スマホを手にしたポケモンGOのプレーヤーが多数現れている
ポケストップが集中している公園で、ポケモンが大量発生する「ルアー」を使った状態。このグラフィックを目指して、多くの人が集まってくる

ほかにも、東京や名古屋の公園ではプレーヤーが集まりすぎて騒ぎになったり、熊本城では男性が警備員に「立ち入り規制地域でプレーしたい」と申し出たことから、熊本市が任天堂などにゲームの対象から熊本城を外すように要望した。

日本でのポケモンGOのプレー状況を見ると、トラブルの原因は大きく分けて3つあるようだ。1つは「歩きスマホ、クルマや自転車に乗りながらのプレー」、2つめは「私有地への侵入、特定の場所に人が集まりすぎる問題」、3つめはナンパや声かけなどの「プライバシーやコミュニケーション」の問題である。

ポケモンGOをトラブルなく快適に楽しむにはどうすればよいか。ユーザーが心得ておきたいプレー方法と、運営側や受け入れ側の安全対策を見ていきたい。

歩きスマホをしなくてもポケモンGOは十分に楽しめる

「ポケモンGOは歩きスマホを誘発する」ということが大きく問題視されている。だが、実際は常に画面を見ている必要はないので、少し工夫するだけで歩きスマホをせずに楽しめることを覚えておこう。

ポケモンGOでは、ポケモンが近くに現れるとバイブ機能でスマホがブルブルと振動する。この仕組みを利用し、普段はスマホをポケットに入れたまま歩き、ブルブルと振動したら立ち止まったうえでスマホを取り出してプレーすればよいのだ。

バッテリー消費が気になる人は、ポケモンGOの「バッテリーセーバー」機能を利用するのがよい。スマホを持ったまま肘を伸ばして手をまっすぐ下にする(スマホを上下逆にして地面に対して垂直に持つ)とバックライトが消えて画面が暗くなる。その状態で歩き回ると、バッテリー消費が最小限に抑えられる。スマホを持ち上げればバックライトが点灯して画面がすぐに現れるので、わずらわしさもない。ある程度の節電効果が期待できるうえ、歩きスマホの防止にもなるので、ぜひバッテリーセーバーを活用してほしい。

ポケモンGOの設定にある「バッテリーセーバー」機能をオンにすると、スマホを下にしている最中は画面が暗くなる。バッテリー消費の抑制だけでなく、歩きスマホ対策にもなる
手にしたスマホを上下逆さ(スマホの上部が地面に近くなる状態)にするとバックライトが消えて画面が暗くなり、ロゴだけの状態になる

ただし、バッテリーセーバーは一部のスマホで不具合が発生しているようで、復帰時に操作できなくなるトラブルがツイッターなどで報告されている。筆者も複数回経験しているが、どんなときに起きるのかは把握できていない。この点は、開発元のナイアンティックによる早い改善やバージョンアップが待たれる。

任天堂が販売する予定の「Pokemon GO Plus」というポケモンGO専用アイテムにも注目したい。これは腕時計型のデバイスで、ポケモンが近くに出現した際にブルブルと震える便利なアイテムだ。単体での使用はできず、ポケモンGOをインストールしたスマホとBluetooth接続して使う仕組みだ。このアイテムがあれば、普段はスマホをポケットに入れて歩き、振動が起きたときだけスマホを取り出せばよい。スマートにプレーできるので、ぜひ入手したいアイテムだ。価格や発売時期などは明らかにされていないが、4000円前後で7月下旬以降の発売が予想されている。

任天堂が発売する予定の「Pokemon GO Plus」。腕時計のように身につけておくと、ポケモンが現れたときに振動で教えてくれる。スマホを常に手にする必要がなくなるのは便利だ
バンドを使わずクリップを使っても装着できるので、胸ポケットに固定できる

クルマやバイクを運転中にポケモンGOをプレーするのは明らかな道路交通法違反であり、絶対にやめるべきだ。クルマを利用する際は、運転中にスマホを見ることはせず、あらかじめジムやポケストップなど目的地を調べておいてから現地に向かうこと。駐車違反にならない安全な場所にクルマを停め、ポケモンGOを楽しんでほしい。

同様に、自転車の運転中もプレーやマップのチェックは厳禁だ。歩行者やクルマに迷惑をかけるだけでなく、自分自身が危険な目に遭う可能性もある。

「ARオフ」のほうがポケモンを捕まえやすくなる!

ポケモンGOはAR(拡張現実)を利用した新しいタイプのゲームだ。カメラが捉えた現実世界とポケモンが合成表示されるARモードが目新しく、常にこのモードでプレーしている人が多いだろう。しかし、実は「ARオフ」のほうが楽にプレーできる。というのは、ARオフにするとポケモンが画面の中央に固定されるからだ。センターに向かってモンスターボールを投げればよいので、操作がとても簡単になる。

ARオンでの戦闘画面。カメラの向きでポケモンの位置が変わるため、うまく捕まえるにはスマホを左右に振る必要がある
ARオフでの戦闘画面。ポケモンが常にセンターに固定されるのでボールを投げやすく、プレイがとても簡単になる。デメリットはない

それに対して、ARがオンの状態だとスマホを左右に振ってポケモンを追わなければならず、難易度が高くなる。ARオフにすれば、スマホを左右に向けたり動く必要がなくなるので、周りの人に迷惑をかけることもなくなる。何より、盗撮の疑いをかけられなくなるので安心だ。電車の中や混雑する公園でのプレーでは、ARはぜひともオフにしたい。

葉っぱが舞うグラフィックの存在が、私有地への侵入を招く?

私有地への侵入の問題は、モラルとゲーム自体の性質が関わってくる。大前提として、他人の家や畑など私有地への侵入は絶対にNGであることは頭に入れておこう。だが、私有地にポケモンがいるように見えることもあるのが困るのだ。

まず覚えておきたいのが、一度ポケモンが地図上に出現したら、わざわざその近くまで移動しなくても捕獲できること。ポケモンをタップしてモンスターボールを投げる戦闘画面になれば、いくら離れていても問題ない(より近いほうがゲットしやすくなるようだが、遠くてもゲットできるので無理する必要はない)。つまり、ポケモンが地図上に見えれば、私有地に入らなくてもプレーできることを覚えておきたい。

悩ましいのが、たまに地図上に現れる「葉っぱが舞っている」グラフィックの存在だ。これは、ポケモンがいそうな場所を表す役目を持っており、その付近まで行くとポケモンが現れやすくなる仕組みだ。さらに、「その場所に行くまでどんなポケモンが潜んでいるのかが分からない」という“ガチャ”にも似たランダム要素が、私有地に入り込んでも行きたくなる要因になっている。ポケモンGOの基本的な機能であるので削除は難しいだろうが、運営会社側で改善の余地があるだろう。私有地や問題の起きそうな場所には、葉っぱが舞うグラフィックを表示しないようにする機能を望みたい。

プレー中、不意に現れる葉っぱが舞うグラフィックは、その近辺にポケモンがいることを示している
どのポケモンが現れるか分からない点が、プレーヤーの「行ってみたい」という気持ちを強くする

特定の場所に人が集まりすぎる問題は、現実的には対処が難しいと考えられる。金曜日や土曜日などの週末は、ポケモンが出没する公園は夜間や深夜でも多くのプレーヤーが集まって大変な騒ぎになっていた。ジムが静かな住宅地にある場合、何人ものプレーヤーがひっきりなしに付近をウロウロと歩き回り、住民にとっては迷惑な事態になっている。

この問題が今後も続くようであれば、社会的な問題となって運営会社に大きな批判が寄せられるのは避けられないだろう。現状では解決策は思い付かないが、問題が継続するようだと運営会社が「夜間はジムなどのスポットが現れず、プレーできなくする仕組みにする」など大幅な修正を迫られるかもしれない。

プライバシー保護の観点では「女性は自宅近くではプレーしない」が重要か

ポケモンGOをプレーしている女性が、知らないプレーヤーに声をかけられたりナンパされたりするなどの声も多く聞く。いち早くプレーを始めた友人も「ジムの近くにいると声をかけられることが多くて面倒」と語っていた。子どもがプレーするようになると、悪い大人に声をかけられるのではないか…と心配する親御さんもいるだろう。

もし、今からポケモンGOを始めるのであれば、アバター(キャラクター)は女性ではなく男性を選ぶ、女性であることや個人を推測できるニックネーム(名前)は避ける、といった設定をオススメしたい。

残念なのは、現在のバージョンでは一度設定したらあとからアバターやニックネームを変更できないこと。この仕様はとても不便なので、あとからでも変更できるように改善してほしいものだ。

現バージョンでは、アバターは一度決めたらあとから変更できない
ニックネームもあとから変更できないので慎重に決定しよう。個人が特定できたり、女性と判断できるニックネームは避けたほうが無難だ

プライバシーの不安もある。Ingressでも、プレーを目撃されて誰かに追い回されたなどのトラブルが報告されていた。位置情報ゲームの宿命ではあるが、自宅の近くでプレーすると顔を覚えられたり存在を認識されるなどの心配がある。

ポケモンGOにはチャットなどのコミュニケーション機能はなく、画面をのぞきこまれない限りプレーしている人のアバターやニックネームは分からない。ただし、ポケモン同士を戦わせる「ジム」だけは例外だ。ジムでは、プレーヤーのアバターやニックネームが表示されてしまうからだ。

ポケモン同士を戦わせる「ジム」では、ニックネームが相手に見えてしまう。本名が推測できる文字列をニックネームに使うのは避けたいところ
女性が女性のアバターを利用する場合、ニックネームの設定は特に留意したい。ランダムな文字列や無意味な文字列にするのが好ましい

この仕様を考慮すると、自分の身を守るためには「自宅付近ではポケモンGOを遊ばない」と決めておいたほうがいい。「大げさではないか?」との指摘もいただきそうだが、女性や子どもにとっては万が一のトラブルを考えると窮屈だが最善の護身術だと思う。駅周辺の繁華街や自宅から離れた大きな公園など、不特定多数の人がプレーしている状況ならば遊んでも問題ないだろう。

今回は、ポケモンGOの問題と実践的な対策を見てきたが、次回は初心者必見の「即席レベルアップ」の情報をまとめたい。「都会と地方でポケモンGO格差がある」という問題にも触れる予定だ。

(ITジャーナリスト 三上洋)

[日経トレンディネット 2016年7月27日付の記事を再構成]

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