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ネガティブなことを伝えるときのビジネスマナー

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NIKKEI STYLE

部下に厳しいことを伝えるとき、あるいは部下から深刻な報告を受けるとき、上司のビジネスマナーがその後を左右することがあるでしょう。マナーはさまざまな難しい状況下で、自分自身をも守ってくれるもの。ネガティブな状況でこそ力を発揮する重要なビジネスマナーについて、マナーコンサルタントの西出ひろ子さんに聞きました。

Q. なかなか数字を上げられない部下がいます。人事考課は低い評価にせざるを得ませんでしたが、その結果を本人に説明する際にどう伝えたら理解してくれるでしょうか。

A. これは多くの皆さんがいつも悩んでいらっしゃることですね。お気持ちはお察しいたします。しかし役割として伝えなければならない皆さんに、こういうときに役立つ言い方をお伝えしたいと思います。それは「ハンバーガー話法」というものです。

頑張ってくれてはいるけど目標に届かない。そんな部下への評価を上司から伝える際は、まず相手の心を開き、伝えるべきことを伝え、そしてフォローする。この3ステップが重要となります。

「サンドイッチ話法」という言葉を聞いたことのある方も多いと思います。サンドイッチは上下のパンの形が同じですから、「褒める(プラス)・注意する(マイナス)・褒める(プラス)」となるのですが、ハンバーガーは上のパンと下のパンの形が異なります。よって、「褒める(プラス)・注意する(マイナス)・励ます(プラス×2)」という段階を踏んでいきます。

最初に、心を開いてもらうためにプラスの呼びかけをします。これがハンバーガーの「下側のパン」ですね。まずは必ず「○○さん」と名前を呼ぶこと。名前を呼ぶ、呼ばれることは心理学では社会的報酬を与える、受けるの関係をなすといわれています。したがって、名前を呼ばれた部下は、社会的な報酬を受けたと感じます。これによって、個人差はあると思いますが、少なからずプラスの印象を感じ、心の扉を開きやすい環境になります。そして「いつも頑張ってくれてありがとう」と日ごろの感謝の気持ちを言葉と行動(お辞儀など)で伝えるとよいでしょう。

次にハンバーガーの「具」の部分です。ここで、メーンである評価の結果について伝えます。「前期は頑張ってくれて、私もそれはよくわかっています」といった「クッション言葉」で、部下を理解していることを伝えるところから始めます。次に「しかし、評価はこういう結果にならざるを得ませんでした」とマイナス情報を伝えます。このとき気をつけなくてはいけないのは伝えるときの表情です。「ネガティブなことは淡々と伝える」というマニュアルもありますが、マナーの基本は相手の立場に立ち、相手を思いやること。冷たい雰囲気を感じさせてしまってはかえってマイナス効果になることもあります。

マナーの観点からは、思いやりのあるまなざしなど、相手への配慮を表情と態度で示します。声にもマイナスの気持ちがすぐに表れますから、声のトーンにも注意します。「言いにくい」という気持ちから縮こまった姿勢になったり、逆に椅子の背にもたれたりしないようにしましょう。上司の対応の仕方で、部下のモチベーションがアップしたり、その逆にもなります。これも上司としての責務の一つとして、誠実な印象を与えるように心がけてみてください。

そしてハンバーガーの「上側のパン」に相当するのがフォローです。マイナスの評価を受けてしまった部下を励まし、今後、プラスに向かわせるための言葉です。この時点において、既にマイナス評価は過去のことだと認識してもらいます。それを踏まえた上で今後どうしていくのかを意識させることが、部下にとっても上司にとっても、また会社にとってもプラスに働くことになります。

フォローの基本は「共感」です。不本意な結果であったのは部下自身も自覚していることでしょう。「気持ちはわかります」と部下の気持ちに寄り添い、受け止め、未来に目を向けさせることで、部下は「この上司が言うことならばまた頑張ろう」という気持ちになれるのではないでしょうか。

ときには、上司の評価と本人の自己評価が食い違っているケースもあります。本人が反論をしたい場合は表情に出ますから、上司としてはそれをきちんと言わせることが大切です。自分からなかなか言い出せないタイプの部下なら、上司から先手で聞いて促してみましょう。人によってはその場できちんとまとめて言えないこともあるので、その場合は「後で、メールでもいいから、思っていることを言ってくださいね」と言葉をかけて差し上げるとよいでしょう。

本人からの反論を受け止める際は、それが否定的なことであっても自分自身の感情は表に出さないことです。マナーの7原則(表情、態度、あいさつ、身だしなみ、言葉づかい、返事、名前を呼ぶ)を思い出してください。こういうときは特に表情と態度、そして言葉が重要です。

相手の言い分に対し、いきなり「でも」「だけど」「しかし」など反論と受け取られる言葉からスタートしないことが重要となります。「○○さんのお考えはわかりました」とワンクッション置いてから「しかし、今回は申しわけないけれど……」と相手に納得してもらえるような言い方で、今回の評価に至った経緯を伝えます。

反論する相手を「説得」しようとする気持ちでは、調和をとることができません。常に「相手の立場に立って、相手の気持ちを考える」という真のマナーを実践することで、双方が納得し、次に進むという前向きな結果を生み出すことが可能になります。

トラブルを最小限にとどめる「マナーという鎧(よろい)」

逆に、ネガティブなことを相手から伝えられるケースも考えてみましょう。例えば部下が失敗をしたり、トラブルを起こしたという報告を受けたとき。つい「どうして?」「なぜそんなことに?」と、怒りの感情すら覚えるかもしれません。しかしここで重要なのは部下を萎縮させず、正しい情報をきちんと出させることです。正しい情報を得られなかったばかりに、後に重大な状況に発展する可能性もあります。

たとえ本心は怒り心頭であっても、その感情をマナーという「よろい」の内側で処理することで、対外的に落ち着いて対応を進めることができ、結果としてトラブルを最小限にとどめることが可能になります。

否定的な感情は自分の内側で処理し、対外的には常にニュートラルな状態を保つことができるのも、真のマナーの力。それはすなわち自分磨き、人間力の強化につながります。いつも申し上げていることですが、マナーは相手を思いやることで、結果的に自分自身が守ってもらえることにつながるのです。あなた自身の忍耐が後に大きなご褒美となって、あなたにプラスをもたらしてくれることでしょう。

何が起きてもぶれず、平常心で周囲に接することができる人には心の広さ、余裕、そして美しさを感じますね。「美しい」を辞書で引いてみると、古くは「妻子などをいつくしむ気持ち」といった意味なのだそうです。美しさとは見かけではなく、男性でも女性でも、他者を思いやる心を感じさせる人が本当に美しいと感じられる人だと思います。真のマナーというよろいを身につけることで、マナーはあなたを守り、あなたの味方になってくれます。仕事も人生もいろんなことが起きますが、まずはひとりの「人」としてどんな場面でも「美しい生き方」を目指したいものです。

西出ひろ子
マナーコンサルタント・美道家。英国の民間企業WitH Ltd.ウイズ・リミテッド日本支社代表を務めたのち、ウイズ株式会社、HIROKO ROSE株式会社、一般社団法人マナー教育推進協会を設立。企業・一般向け研修、コンサルティングのほかTVドラマや映画のマナー指導などでも幅広く活躍中。音楽療法とリトミックの手法を用いて職場のコミュニケーションや協調性、ストレス改善を目的とする研修手法(マナーリトミック)を考案し、国立音楽院と共同開発した研修プログラムが企業や学校などで好評。真心マナーを軸にしたコンサルティングも人気。オンライン講座『仕事と人生を豊かにするマナー道』も配信中。28万部の『お仕事のマナーとコツ』(学研プラス)、『できる大人の気くばりのルール』(KADOKAWA)、『超一流の人がやっているすごいマナー』(ぱる出版)など著書多数。

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