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カレーの夏、キーワードは「健康」 減塩など栄養管理

ファミレスのフェアで食べ比べ

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NIKKEI STYLE

日本人の「国民食」となったカレー。夏が最も売れるシーズンだ。たくさんのスパイスと肉や野菜が入ったカレーはもともと健康食とされる。暑いなか、汗をかきながら食べると爽快だ。ハウス食品によると消費増税や価格改定といった要因を除いた標準的な1年間で月ごとに指数で比較(平均値=1)すると、6月と7月は1を上回る。今夏は各社から塩分やカロリーなど栄養管理に注目したレトルトやルウタイプのカレーが登場している。おいしさと健康への良さを両立させる工夫が盛りだくさん。この時期にフェアを始めるファミリーレストランもあり、食べ比べも楽しみだ。

厚生労働省は2015年4月から塩分摂取目標量を改訂した。男性は2010年に比べ1グラム減り8グラム未満、女性は0.5グラム減り7グラム未満となった。これは健康な人の目標値。高血圧で治療している人は6グラム未満が推奨されている。急激な少子高齢化が進む日本。年齢や性別を問わず、栄養管理は重要な要素の一つだ。消費者の視線も「おいしくて健康」に向かう。

少量でもたんぱく質豊富

大塚食品は今年3月にレトルト食品の「マイサイズ いいね!プラス」シリーズを立ち上げ、塩分とたんぱく質の摂取量が気になる人に向けたカレー2種類を発売した。「塩分が気になる方の欧風カレー」(希望小売価格170円、税別)、「たんぱく質を摂りたい方のキーマカレー」(190円)を調剤薬局専用として販売している。「欧風カレー」は1食あたりの塩分を1グラムに、「キーマカレー」は1食あたりのたんぱく質を10グラムにした。

開発の経緯を江藤晃嗣マイサイズ担当プロダクトマネージャーに聞いた。最近の傾向として薬局・ドラッグストアの売れ行きが良く、このルートを市場調査した。年配者にカロリー以外に気になる点をアンケートした。塩分過多や栄養の偏りによるたんぱく質不足を気にする声が多かった。そこで「減塩」「たんぱく質摂取」という2つのテーマの商品化に踏み切ったという。

減塩の「欧風カレー」。塩分をそのまま減らすと味が薄くなってしまう。課題を解決するため、カレーや丼ものの商品開発で培ったノウハウを活用した。「うまみ」のほかに塩味を強める「酸味」、味に複雑さを持たせる「苦み」、食塩に似た味の「ミネラル」といった様々な要素を組み合わせた。「自信をもって送り出せる商品になった」(江藤さん)

「キーマ」は少ない食事量でも適切なたんぱく質がとれる。そぼろのひき肉を使ったキーマカレーに大豆や小麦の植物性たんぱく質を使っている。植物性たんぱく質は多く入れると味に影響するため、スパイスや香り付けで味を補いつつ、乳製品でコクを出した。商品パッケージには健康なカラダを維持し、活動するために必要なエネルギー・たんぱく質が補給できる商品を示す農林水産省のスマイルケア食「青」マークがついている。

なぜ調剤薬局に販路を絞ったのか。「ボンカレーと同じチャネルで売ると価格競争に入ってしまう。商品の良さを伝えられない」という。江藤さんは「計画通りの売り上げで推移しているが、もっと必要な人はいる。積極的に伝えたい。メニューも拡大していければ」と話す。

同社はロングセラーの「ボンカレー」で知られる。カロリーも量もちょうどいい「食事のサイズが見える」レトルト食品として、2010年に「マイサイズ」シリーズを発売した。「マイサイズ」シリーズは、新シリーズを加え、計17品目のラインアップになった。

塩分とカロリー、30%減

ハウス食品が2015年8月に発売したのが「ヘルシーオカレー」シリーズ。同社の看板商品「バーモントカレー」に比べ、塩分とカロリーを30%減らした。塩分とカロリーに配慮しながらも、おいしく食べることができる。

「時代背景からみて塩分オフが必要だと考えた」。ハウス食品の石川哲也ビジネスユニットマネージャーは話す。カレーの塩分オフはハウスにとって20年前からの研究テーマ。だが、味の厚みのベースとなる塩分を減らすのはそんなに簡単ではない。なくなるとコクがぬけたような味になる。研究所からも何度も「無理」という返事ばかり返ってきた。

高度成長期にカレーを食べて育った団塊世代の高齢化が進む。カレーが大好きだが塩分を気にする人は増えてくる、として減塩市場の今後の伸びを見込んだ。3年前から本格的な研究が始まる。塩(塩化ナトリウム)の代わりに塩化カリウムを使うと、そのままではカリウムのえぐみが残ってしまう。そこでスパイス技術をうまく使った。焙煎(ばいせん)や組み合わせを工夫し、塩がなくても負けない味作りに注力した。

「野菜の旨み(うまみ)まろやかタイプ」「香り高いスパイシータイプ」の2種類ある。一般的なカレールウの塩分量は、1皿あたり2グラム程度だが、「ヘルシーオカレー」は1皿あたり1.4グラム。3皿分食べても4グラムちょっとだ。厚労省の基準より厳しい世界保健機関(WHO)の世界的な減塩目標の1日あたり5グラム(1食平均1.67グラム)を下回る。

店頭の販売データを分析すると、購買者の意外な一面も浮かび上がった。一緒に買うものに他の減塩商品よりも、価格が1ランク高いこだわりの調味料などを選んでいた。体に気を遣う人が「こだわり」のある商品として選ぶという購買者の具体像が見えたという。

店頭の実売価格は218円前後。「爆発的に売れている商品ではないが、じわじわ広がっている」とみる。「塩分オフはうれしい」と消費者からの声も届き、「開発者冥利に尽きる」と石川さんの表情も緩む。近くリニューアル発売する商品は「ダシ」を加え、うまみを増した。「家族みんなで食べておいしいカレーを目指す」。味の改善に終わりはない。

国産野菜で「食べごたえ」

ファミリーレストランのロイヤルホストは1983年から毎年夏にカレーフェアを開いている。今年も6月21日から全国の店舗で開催中だ。過去33年間で提供したカレーは150種類以上。「夏はカレー」というイメージを浸透させるのにも貢献した。

もともと、「暑い国のカレーで夏を元気に過ごしてほしい」と始めたという。当時、ファミレスは庶民のあこがれ。大行列の店舗が多かった。カレーだと少しでも早くお客さんに料理を提供できるというメリットもあったようだ。

「今年は野菜カレーに挑戦した」。ロイヤルホストの西田光洋統括料理長は話す。野菜カレーはビーフやチキンといった肉を使ったカレーに比べると、どうしても食べ応えで劣る。これまで男性よりも女性に人気があったという。体に気を遣っている人や野菜を積極的にとりたいという人が選ぶ傾向にあった。同社のカレーフェアでもメニューの中で人気はいつも最下位だった。

今年のフェアで「野菜だけでしっかり食べ応えのあるカレーを作りたい」(西田さん)。調理の仕方やソース、具材のカットなど試行錯誤して、食べ応えにこだわった「日本の野菜を美味しく(おいしく)食べるカレー」が完成する。大きめで食べ応えのある10種類の国産野菜が主役。ライスは十八穀米と白米から選べる。

フェアが始まり、序盤の売り上げで野菜カレーはエビやチキンを抜いている。「こんなことは今までなかった」(西田さん)。野菜カレーの価格は1430円(税別)でチキンカリー グランデ(1380円)、南国シュリンプカレー(1530円)とほぼ同じだけに、純粋にメニューの魅力が評価された証拠だろう。具材の野菜はカリフラワーやピーマンは揚げ、ニンジンはゆでるなど素材の特徴を生かす下ごしらえがされている。「原価が高くてあまり利益は出ていません」(西田さん)と苦笑する。

カレーフェアのメニューはほかにも伝統の味「カシミールビーフカレー」をブラッシュアップした「国産野菜のカシミールビーフカレー」(1180円)や、ナンとライス、3種のカレーで食べる「ロイヤル プレミアムターリ」(1850円)と全5種類。夏のカレーファンを満足させそうだ。

(商品部 村野孝直)

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