大手町で注目の書籍『確率思考の戦略論』紀伊国屋書店大手町ビル店

ビジネス街の書店をめぐりながらその時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今週は定点観測している紀伊国屋書店大手町ビル店に戻ってきた。金融関係の本が売れ筋になることの多い同店だが、今回担当者が注目するのはマーケティングを扱った1冊だった。

USJ躍進の背景となった理論

その本は森岡毅・今西聖貴『確率思考の戦略論』(角川書店)だ。同店には日本経済新聞の書籍広告に掲載された本を1週間分、曜日別に展示する面陳列棚があり、「そこで反応が出て、マーケティングのコーナーでも本が動き出した」と担当の広瀬哲太さんは話す。

帯にうたっているとおり、テーマパークのユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市)が導入した数学マーケティングを、その当事者である運営会社、ユー・エス・ジェイのマーケティング本部長とシニアアナリストが詳細に解き明かした内容だ。USJのV字回復の立役者といわれる森岡氏は、これまでも『USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?』『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方』でUSJ躍進の軌跡を描いてきたが、今度はより専門的に踏み込んだ形で本書を著した。

ビジネス戦略の成否は「確率」で決まっており、その確率はある程度まで操作することができるという。市場構造や消費者の本質を理解していれば、勝てなさそうに見える局面や相手に対しても勝つ確率の高い戦略を導き出すことができるし、その戦略を導き出すのが数学マーケティングだと説く。

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