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上司の言い分vs部下の言い分

第3回 ダラダラした定例のチーム会議、本当に必要か? ~生産性が上がらない会議は時間泥棒~

濱田秀彦 株式会社ヒューマンテック代表取締役、マネジメントコンサルタント

2016/6/5

PIXTA

様々な業務が効率化されていく中で、会議だけは生産性が上がらず時間泥棒になっている、という話は業種業態を問わずよく聞く話です。

その中で、部下の立場の方々が、必ず参加するのがチームミーティング。部下はあまり必然性を感じておらず、特に長時間の会議を嫌がります。メンバーが減り、一人あたりの業務が増えた上に、残業はするなと言われ、いつも多忙感を抱えている状況では当然そうなるでしょう。

一方、上司はというと、部下に情報を伝える場として、また、コンセンサス作りのための機会としてミーティングを重視します。さらに、部下の現状把握のため、互いの情報共有化のためにもミーティングはなくてはならないものと考える傾向があります。

ミーティングに対する両者の意識の隔たりは大きく、それは職場運営の障害につながります。今回は適切なチームミーティングのあり方について考えます。

上司の言い分

チームミーティングは必要ですよ。上から降りてくる指示や、他部門からの要請など、伝達すべきことは山ほどあります。いちいち個別に話していたら仕事になりません。まとめて伝える場が必要です。

それに、部下の現状把握もしたいですし。日頃からこまめに報連相をしてくれればいいんですが、してこないので、ひとりずつミーティングで報告させるしかないんですよ。それに、部下だって「他のメンバーとの情報共有が必要」と言うじゃないですか。ミーティングで業務の状況を話してくれれば、私も分かりますし、情報共有もできるので一石二鳥です。

会議での部下への不満では、まず現状報告を簡潔にやってほしいということです。毎回、聞かれることは分かっているのですから、もっと簡潔に話してほしいですね。それから、うちのメンバーは、チームミーティングで意見を求めても、あまり発言しないんですよ。私は、みんなの話し合いで合意を作ってチームを運営したいと思っているのですが、なかなかうまくいきません。

【部下に求めること】

*ミーティングで伝えたことはしっかりと覚えておいてほしい

*現状報告はもっと簡潔にしてほしい

*もっと意見を発言してほしい

部下の言い分

ダラダラと続くミーティングはモチベーションが落ちますね。残っている仕事が気になり、集中して話を聞くことができません。それに、話の大半は「一応伝えておく」みたいなもので、自分にとって重要な話は少ないです。他の人の業務の状況を知るのは大切だと思いますが、だいたいでいいんです。そんなに細かい話を聞かされても役にたちません。

あと、メンバーの個々の仕事の状況が知りたければ個別に聞いた方が効率いいと思います。それに、意見をと言われますが、何を言っても否定的なコメントが返ってくるのですから黙っている方が得策ですよ。どうせ最後は上司の意見を押し付けられますし。いつもミーティング中はひたすら「早く終わってくれ」と心の中で願っています。

【上司に求めること】

*ミーティングは短時間にしてほしい

*伝達事項は必要なものに絞って簡潔に話してほしい

*他のメンバーの情報共有も端的にしてほしい

*意見を求めるなら肯定的に聞いてほしい

より良いチームミーティングを実現するために

部下もミーティングの必要性は感じているようですが、現状のミーティングのスタイルには否定的です。上司の方たちには、ミーティングの再設計という観点から、部下の皆さんには参加姿勢という観点から提案します。

上司への提案

限られた時間の中で、ミーティングを有効なものにするためには、議事運営の見直しが必要です。

チームミーティングの機能は以下の4つに集約できます。

(1)連絡事項の伝達

(2)個々のメンバーの現状把握とメンバー間の情報共有

(3)意見収集

(4)問題解決や合意形成

このうち、(1)連絡事項については、ミーティングの場ではなく、文書や同報メールで代替できるものが多いはずです。むしろ、ミーティングまで待てば情報の鮮度が落ちます。また、(2)個々のメンバーの現状把握は部下の言うとおり、個別にやった方が効率がよいものです。(3)の意見収集もあわせて個別にやればよいでしょう。情報共有は、ミーティングの場でやらざるを得ませんが、端的に「いま一番重要度の高い仕事」に絞って話させればよいでしょう。

残る(4)問題解決が、まさにチームミーティングでやるべきことです。メンバーが抱える仕事上の問題をテーブルに乗せ、アドバイスしあったり、助力を申し出たりということはミーティングの場でなければしにくいものです。

ミーティングで自分の問題が解決できるということになれば、メンバーのミーティングに対する必要性の認識も高くなります。

なお、ファシリテーション(議事進行)に関しては、「リーダーと司会を分ける」という考え方で臨んだほうがよいでしょう。上司が司会をすると、どうしても発言に圧力がかかります。メンバーの中からサブリーダー格の者を選出し、司会をさせれば、上司は一歩引いてみることができ、適切な介入がしやすくなります。

部下への提案

ミーティングの設計は、上司の仕事です。ただ、身を任せるしかないと思っていると現状は変えられません。「いま、1時間かかっているミーティングを30分にできれば、より仕事が早く進められます。そのために、こうしてはどうでしょう」というように、折を見て建設的に意見を具申するといいでしょう。時間短縮の策は、上司への提案に書かれたことを参考にしてください。

また、議事進行を買って出るのは、自分のためになります。将来、管理職になったとき、上手な議事進行ができれば部門運営がしやすくなりますので、いまから練習をしておきたいのです。ファシリテーションの本を読んだり、セミナーに出て、知識を得て、その上で実践するとよいでしょう。

もうひとつ、部下の立場でミーティングの時間短縮に向けてできることは、発言を簡潔にすることです。「結論を先に」、「全体像を先に」というようなビジネストークのセオリーを活用して話す力を上げる場にもしていきましょう。ポイントを整理すると以下のようになります。

*ミーティング時間短縮のために建設的な提言をする

*議事進行を買って出て、ファシリテーションのトレーニングをしておく

*結論先出し、全体先出しの原則を使い簡潔な発言をする

ミーティングを真の問題解決の場にすることができれば、チームの力はアップし、業績向上につながります。それは、上司・部下ともに望む姿でしょう。

[日経Bizアカデミーの記事を再構成]

上司の言い分vs部下の言い分」は日曜更新です。次回は6月12日の予定です。
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濱田秀彦(はまだ・ひでひこ)
株式会社ヒューマンテック代表取締役、マネジメントコンサルタント
1960年東京生まれ。早稲田大学卒業後、住宅リフォーム会社に就職し、最年少支店長を経て、大手人材開発会社に転職。トップセールスマンとなり、営業マネージャー、経営企画室マネージャー、システムソリューション部門責任者を歴任後、独立。現在は、コンサルタントとして、公開セミナー、個別企業の研修に出講しており、これまで指導したビジネスパーソンは1万7000人を超える。

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