スマホで簡単、安価で使えるネットワークカメラ
防犯や自宅の子ども、ペットの様子を確認するといった用途にネットワークカメラの購入を検討している人も多いはず。ネットワークカメラがあれば、外出先からスマートフォン(スマホ)やパソコンなどから室内の映像を簡単に確認できるからだ。ただし、出先から自宅のネットワークカメラに接続するための初期設定が難しい製品も多かった。
そんな中、エレコムは初期設定を簡単にしたネットワークカメラ2モデルを2016年5月下旬に発売する。今回はマイクを内蔵する「NCC-EWF100RMWH」を発売前に借り、スマホを使った導入手順やネットワークカメラとしての基本機能をチェックした。
接続は無線LANと有線LANに対応
カメラ部分は100万画素のCMOSセンサーで、最大HD(1280×720)の解像度でのモニタリングや記録に対応する。撮影範囲は水平(左右)115度、垂直(上下)98度をカバー。カメラの向きは付属の台座に取り付けることで調整する。本体側のネジ穴のサイズはカメラ用三脚と同じなので、設置の応用は効くはずだ。
本体にはmicroSDカードのスロットを備え、映像をカードに保存できる。映像の保存先として自宅内のNAS(ネットワークハードディスク)を選択することも可能だ。
接続は、無線LAN(Wi-Fi)と有線LANに対応。USBポートにLTEモデムを接続すればモバイル回線も使える。このうち最も自由度が高いのは無線LANによる接続だろう。複数台のカメラを同じ無線LANルーターに接続すれば、1台のスマホから複数のカメラを操作できる。
ネットワークカメラ自身が無線LANの中継機能を内蔵している。複数のカメラを中継して無線LANルーターの電波が届かない場所にカメラを設置できる。
接続の設定や利用には、専用のアプリを使う。対応OSは、Windows 10/8.1/8/7(SP1以降)、Mac OS X 10.5~10.10、Android 4.0以降、iOS 7以降と幅広い。接続の手順は2段階。カメラを無線LANルーターに接続し、スマホのアプリにネットワークカメラを登録する。
ここでは、無線LANを使った接続手順を見てみよう。まずはカメラを無線LANルーターに接続するのだが、一般的なWPS対応のデバイスの接続と同じように、双方のWPSボタンを順番に押すことで設定が完了する。カメラ前面の「WPS STATUS」ランプが点滅すれば接続は成功。ちなみに有線LANでは、端子にケーブルを接続するだけだ。
次に、スマホのアプリにネットワークカメラを登録する。「Skylink ViewII」アプリ(Android、iOS対応)をインストールして起動する。
カメラの登録画面には「カメラを手動で追加」と「QRコードを追加」がある。簡単なのはQRコードによる追加だ。スマホのカメラを使って製品に付属の「設定情報シート」のQRコードを読み取る。カメラ名(MACアドレス)が表示されるので、確認画面で「OK」をタップするだけ。管理者パスワードはセキュリティー上、オリジナルのものに変更することが望ましいが、この作業もアプリ上で行える。
パソコンでのカメラ登録も専用アプリを使用する。こちらはQRコードによる登録ではなく、ユーザー名とパスワードを手動で入力する必要がある。映像の確認や設定にWebブラウザを使うのもスマホとの違いだ。
防犯目的にも使える「動体検知機能」
一度つなげてしまえば、あとはアプリを起動するだけでネットワークカメラの映像が見られるようになる。「NCC-EWF100RMWH」にはマイクが付いているので、そこにいる人の会話やテレビの音なども聞こえる。ただし、スマホなどからカメラ側に音声を伝える機能はない。つまり、子どもやペットへの声がけ、侵入者に対して警告を発することはできない。
映像の記録は静止画と動画に対応している。静止画はスマホに取り込めるが、動画はカメラ本体に内蔵するmicroSDカードか同じネットワーク内にあるNASに限定される。
防犯や子どもの帰宅確認に便利なのが「動体検知」の機能だ。映像に変化があった場合に自動的に動画や静止画を撮影する。静止画なら登録したメールアドレスに通知することも可能だ。
画像そのものはHDに設定すればキレイで、スマホでも細かいところを確認できる。明るさやコントラストも細かい調整に対応している。とはいえ、赤外線による暗視撮影機能はないので、真っ暗な場所では何も映らない状態になる。防犯用途で使用するならば、常に照明を付けておくか人体を感知して点灯するライトなどを別に設置する必要があるだろう。
このようにいくつかの制限はあるが、1万2830円(税別)と価格が安く、スマホだけで使い始められるメリットは大きい。何度も述べたように子どもやペットのモニター用途や防犯目的はもちろん、手軽に台数が増やせるので店舗などの監視目的に採用するのもありだろう。
(ライター 小口覺)
[日経トレンディネット 2016年4月21日付の記事を再構成]
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