街中でも超快適、登山生まれのアウトドア系上着
機能性の高いアウトドア系ブランドの服を、日常でも着こなせば、きっと快適に過ごせるに違いない。そんな視点でアウトドア系かつ街で普段使いできるウエアを紹介する。今回はオススメのトップスを取り上げよう。
体への追従性や、急な天候の変化に備えた防水・透湿性など、アウトドアウエア特有の技術やデザインディテールは、アクティビティーでの着用を想定して開発されたものだ。しかしそれはもちろん、街着としても活躍する。
数あるアイテムの中から、今回はギミックなど様々な角度から、個性的なアイテムをピックアップしてご紹介しよう。
チェコ軍も認めた高度な縫製技術を、タウンユースで
登山家のローマン・カムラーが立ち上げたティラックは、世界有数のクライマーを輩出するチェコを代表するアウトドアブランドだ。製品のクオリティーを保つため、自社工場で、50名ほどのスタッフが製造を手がけている。生産からアイテム管理まで一貫して行っており、最高品質の生地を使った、自社工場ならではの確かな技術から生まれるアイテムは、アウトドアファンのみならず、チェコ国営の登山救援部隊やチェコ軍など、過酷な現場で活動するプロたちからの信頼も厚い。
ここで紹介する「ラプター ミグ ジャケット」は、ティラックのジャケットのなかでも最高クラスの「ラプタージャケット」をベースに、軍での使用を想定してリファインされたもの。兵士たちが様々な装備を着用することを想定してデザインされており、ポケットの位置などは通常のモデルとは配置が異なる。配色によって素材が異なり、迷彩カラーのマルチカムには通気性と透湿性のあるポーラテック ネオシェルを採用。ブラックには防水性と浸透性に優れたゴアテックスを採用している。
軽量&コンパクトに収納。手軽に羽織れる軽量ダウン
スウェーデン発のアウトドアブランド、クレッタルムーセン。環境問題に高い意識を持ち、アイテムにはリサイクル素材やサステナブル素材をできる限り使用するなど、徹底した生産体制で環境に配慮している。そんな気遣いあふれる姿勢は、アイテムにも反映されており、過酷な環境に耐えるための堅牢性と快適性を追求したタフなものが多数。その性能は、登山やクライミングの現場などで、多くのファンから認められている。
ブランドのアイデンティティーである斜めにはしるジッパーなど、特徴的なパターンが目を引く「フロウ ベスト」。中綿には、羽毛のように軽く温かい保温性と撥水性を兼ね備えた、プリマロフト素材を使用。タウンユースでは薄手のトップスに合わせて、気温の変化が激しい山登りなどではジャケットのインナーとして、TPOに合った着こなしができる。
野外フェスを手ぶらで過ごすための機能性ウエア
1938年創業米国の「コロンビア」は、長年の経験によって培ったメーカー独自開発のテクノロジーを多数有するブランド。その技術を活かし、様々なアクティビティーに対応するウエア&ギアを提供し、日本でも認知度が高いが、今春発表された「リトルホッキングパス」コレクションは、なんと"野外フェス"での着用を想定して誕生したアイテムだという。
開発にあたり、広告やアウトドア雑誌などで活躍するスタイリストの平健一氏がアドバイザーとして参加。ファッションとアウトドア、ふたつの要素を融合させながら、野外フェスを楽しむための機能を随所に盛り込んでいる。例えば、各所に配されたポケットもそのひとつ。スマートフォンや貴重品など、必要最低限の所持品をジップ式の外ポケットと4つの内ポケットへ収納できる。さらに、急な天候の変化には、背面に装備されたパッカブル仕様のプルオーバジャケットで対応。フェス以外の場面でも使える応用力抜群なアイテムだ。
(文・写真 長浜優奈、中澤範龍)
[日経トレンディネット 2016年4月26日付の記事を再構成]
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