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日本のフルーツが食べたい…観光農園、増える外国人 インバウンドサイト発 日本発見旅

2016/5/18

(japan-guide.com)
 英語圏から日本を訪れる外国人のほとんどがチェックする、日本観光の情報サイト「japan-guide.com」。夫のステファン・シャウエッカーさんと共にジャパンガイドを育ててきたシャウエッカー光代さんが語る日本再発見の日々です。新鮮なフルーツを自分で収穫して食べられる日本の観光農園に、東南アジアからの観光客が増えています。その理由は?

 旬のフルーツを、生産地の果樹園やビニールハウスで自分の手で採り、そのまま食べられるフルーツ狩り。実際に行ったことのある方も多いと思いますが、最近、外国人観光客の間でも大人気です。イチゴ、サクランボ、ブルーベリー、桃、ブドウ、梨、リンゴ、ミカンなど、どの季節でも何かしら収穫できる果物があるので、年間を通して楽しめる観光アクティビティーとして注目度上昇中です。

 フルーツ狩りのシステムは、提供する観光農園によって多少異なりますが、基本は入場料を払い、制限時間内(30分、60分など)は食べ放題というもの。お土産に持ち帰りたい場合は併設のお店などで購入します。

■「高級品のフルーツが食べ放題」は新鮮な体験

 このような日本のフルーツ狩り、外国人観光客のなかでも特に東南アジアの人々から人気なのです。

 理由はまず、自国にはないフルーツが食べられるということ。東南アジアではトロピカルフルーツが主流ですから、彼らにとっては珍しい日本産フルーツに出会える絶好の機会となります。

 それらのフルーツが実際に木になっている様子を見られるのは、さらに感動的な体験だそうです。例えばシンガポールは国土が狭いので農地が少なく、フルーツはほとんどが輸入品で、ラップで包まれスーパーに並んでいる姿しか見たことがない人も多いのです。本物の枝や茎から自分で収穫し、その場で思う存分食べられるのは、旅行中の最高に楽しい思い出になるようです。

 そして、最も大事なポイントは日本の果物のおいしさ。イチゴを例にあげると、品種改良が進み、現在では日本各地で味に定評があるブランドイチゴがたくさん誕生しています。イチゴ狩り農園の中には、同じハウスの中に数種類のイチゴが栽培されていて、そこだけで全国のブランドイチゴが食べ比べできるところもあります。自国では高級輸入品である日本の果物が、おなかいっぱい食べられる経験はなかなかできないもの。

 観光農園のロケーションも魅力の一つになっています。大都市や古都の観光とは一味違い、郊外や地方の自然の中に足を延ばして、田園風景を眺めたり、地元の人と触れ合ったりするのは、実は外国人がしてみたいローカル体験なのです。

イチゴ狩りは1月から5月ごろまで長期間楽しめる
日本のブランドイチゴは海外でも知名度が上昇

■外国にもあるフルーツ狩り でもシステムは違う

 外国にもフルーツ狩りはあります。私が住んでいたカナダのバンクーバーでは、郊外の農園にベリー類(ラズベリー、ブルーベリー、ストロベリー、ブラックベリー)を摘みに行く「ベリー狩り」が有名でした。日本のシステムと違って、入場料や時間制限はなく、指定された場所で、持参した容器(最初に計量しておく)に好きなだけ摘んだら、最後に重さを計って代金を支払います。ですから、原則として摘んでいる間は食べてはいけないのです(味見はOK)。ただでさえ安いカナダのベリー類がここではさらに格安なので、家族連れにも大人気でした。夫も子供の頃、バンクーバー郊外でラズベリー狩りをしたことがあるそうで、その楽しかった体験は、何十年か過ぎた今でも鮮明に覚えているそうです。

 アジアの国では、例えばタイには果樹園見学と試食ができる農園はありますが、日本のように制限時間内で食べ放題というところはないようです。マレーシアにも、ガイドがついて農園を見学し、その後で飲み放題・食べ放題というアトラクションはありますが、自分で収穫できるというスタイルではありません。

桃狩りは6月から8月がシーズン

■外国人受け入れに対応する観光農園はまだ少ない

 日本のフルーツは値段が高いけれど甘くてジューシーでおいしいということを訪日客は知っています。その産地で自ら収穫して食べられるフルーツ狩りの需要は、今後ますます高まりそうな気配です。しかし、外国人観光客にも対応している観光農園はまだほんの一部。今後、受け入れていくための対策としては、次のようなことが考えられるでしょう。

・外国語のウェブサイトを作り、外国語での情報発信をする。

・団体ツアー客ばかりでなく、個人旅行者の受け入れも想定しておく。

・そのために、ウェブサイトに必ず書いておくべき情報は、営業時間、アクセス、システム(料金、制限時間など)、予約について(要不要、予約方法など)。

 外国語での案内がきちんと書かれているものがあれば、必ずしも外国語スタッフがいる必要はないようです。各地で受け入れ観光農園が増えれば、地方の外国人観光客誘致の目玉としてさらに成長していく、楽しみな要素になると思います。

シャウエッカー光代(シャウエッカー・みつよ)
 ジャパンガイド(株)取締役。群馬県生まれ。海外旅行情報誌の編集者を経て、フリーの旅行ライターとなり、取材などで訪れた国は約30カ国。1994年バンクーバーに留学。クラスメートとしてスイス人のステファン・シャウエッカーと出会い、98年に結婚。2003年、2人で日本に移住。夫の個人事業だった、日本を紹介する英語のウェブサイト「japan-guide.com」を07年にジャパンガイド株式会社として法人化。All About国際結婚ガイド、夫の著書『外国人が選んだ日本百景』(講談社+α新書)『外国人だけが知っている美しい日本』(大和書房)などの編集にも協力。

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