スマホ連携で歯磨き学ぶ、清潔男子狙うデンタル製品

スマホと連携して歯磨きを楽しく効率的に
4月18日に発売されたサンスターの「G・U・M PLAY」は、歯ブラシに専用のアタッチメントを装着し、スマホと連動させることで、歯磨き状況を管理する。歯の磨き方にあわせてモンスターを攻撃するゲームや、磨き方にあわせて音楽を奏でるアプリなど、歯磨き時間を楽しく過ごすための仕掛けも用意されている。


スマホと連携させた狙いについて、サンスター広報は「50~60代になってからのオーラルトラブルを防ぐには、若い頃からオーラルケアを心がける必要があります。しかし調査をしてみると20~40代はあまりオーラルケアに興味を示さないという結果が出ました。そこで、その世代がよく使うアイテムであるスマホを使って、楽しみながら正しいオーラルケアを覚えられる仕掛けを作ろうと考えたのがきっかけです」と説明する。
ブラウンの電動歯ブラシ「オーラルB プラチナ」シリーズも、スマホアプリで歯を磨いている時間や磨いている箇所が確認できる。毎日の歯磨きログを記録することも可能だ。
「スマホ連動機能を使うことによって、自身の磨き癖に気づき、正しいオーラルケアができるようになります。こういった点が、オーラルケアを意識するユーザーの関心を引き、高く評価されているようです」(ブラウン広報担当)


「デンタルケア製品とスマホの連携は、これまで以上に男性ユーザーを意識した動き」と分析するのは、家電コーディネーターの戸井田園子さん。「歯磨きは毎日の積み重ね。男性は感性ではなく理論で理解する傾向があるので、スマホ連携によって電動歯ブラシを使った効果をデータで可視化すれば、満足度も高くなるはず」と解説する。スマホと連携させることで、楽しみながら歯磨きを継続できるというわけだ。
G・U・M PLAYを購入した前田賢太さんは「歯磨きの記録がスマホに残るのが楽しい」という。「口の中が図になって、きれいに磨けたところとうまく磨けていないところが色分けされるので、がんばろうという気になります」。G・U・M PLAYを使うようになって歯磨きをする時間も延びたそうだ。

G・U・M PLAY発売後、交流サイト(SNS)やブログで多くの製品レビューがアップされたが、その内容を見ると、男性ユーザーの反応が目立ったという。「これまでデンタルケアに関心がなかった人にもリーチできたという感触を受けています」(サンスター広報)
デンタルケア市場に、男性ユーザーを意識した動き
近年、携帯電動歯ブラシは、パナソニックのポケットドルツのように、女性を意識していた。しかし、スマホ連携以外にも男性を意識したデンタルケア製品が出てきている。
フィリップスエレクトロニクスジャパンの「ソニッケアー ダイヤモンドクリーン」は、USB端子付き充電トラベルケースが付属する。「デンタルケアに興味を持つ男性も増えているため、出張時にパソコンで充電できるトラベルケースをつけました」(フィリップス広報担当)

USBポートを持つデジタル機器やスマホ用電源アダプターがあれば充電できるので、オフィスや出張先でも電池切れを心配する必要がない。「邪魔な電源コードを持ち運ばなくていいし、海外出張でもボルトの違いやコンセントの形状を心配する必要もありません」(戸井田さん)
戸井田さんによると「最近、身だしなみに気を使う20~30代の"清潔男子"に向けた男性向け清潔家電が増えている」という。むだ毛を処理する専用シェーバーや洗顔ブラシはその代表。眉を整えるシェーバーにも複数の家電メーカーが参入している。
「男性向けデンタルケア製品の充実もその一つ。今後は女性に人気の舌磨きができる電動歯ブラシ、ステイン(着色汚れ)除去ができる家電なども充実していくのではないでしょうか」と戸井田さん。特にデンタルケア製品の場合、若年層だけでなく、口臭を気にする40代に向けた製品も増えていくのではないかと予測する。
(ライター 井上真花=マイカ)
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