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会社員&歌手・木山裕策さん 僕が主夫を1年した理由

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日経DUAL
共働きで4児のパパであり、プロの歌手でもある木山裕策さん(47歳)。家族が好き、歌が好き、仕事も好き。そんな気持ちに素直に向き合う木山さんには主夫として生活していた時期があるそうです。

わが家は男5人&妻という男くさい家族

わが家は、僕と共働きの妻、長男(20歳)、次男(17歳)、三男(14歳)、四男(9歳)の6人家族です。妻以外は全員、男。愛犬までオスなので、ヤバいくらい男くさい家です(笑)。

僕は39歳で歌手デビューして以降、今も会社員として働き、週末に歌手活動をしています。

平日は9時に出社して、21時くらいまでに帰宅します。僕一人で遅い夕食をとった後の楽しみは、妻との晩酌代わりのティータイム。妻と話しながらひと息つく時間は、1日で一番好きな時間です。

僕らがお茶を飲んでいるそばで、たいてい次男と三男が宿題をしています。うちは長男だけ一人部屋で、次男と三男は二段ベッドのある同じ部屋。男二人の部屋は散らかり放題なので、彼らは宿題やテスト勉強を食卓でするんです。長男や四男もテレビを見たりしながら同じ空間にいる。子どもたちは週末はクラブ活動で忙しく、僕もイベントが入ったりと、週末に家族でゆっくり過ごす時間が減ってきているので、平日のこの、家族が同じ空間で過ごす時間は気に入っています。

僕は何をおいても、家族との時間を大事にしたい。というよりも、僕が家族といたい(笑)。というわけで、実は42歳のとき、主夫をしていました。

あのころは、ちょうど四男が幼稚園の年長に上がり、妻は仕事に復帰すべく就職活動を始めていました。妻は長男を出産した後に社会復帰する予定でしたが、「そろそろ仕事を再開しようかな」……と思ったら次男が生まれ、「今度こそ仕事を」……と思ったら三男が生まれ……と、3年ごとに子どもが生まれて、結局、キャリア面では10年のブランクができていました。なので、再就職もなかなか難しいところがあったようです。

当時、僕は長年続けた会社員生活に一旦区切りをつけるため、退職したばかり。幸いなことに、いくばくかの貯金もあった。だったら、僕がしばらく専業主夫になって家事も全部するという前提で、妻は働く時間などの条件面を広げて仕事を探し、一度リセットしたキャリアの再スタートをしてみてもいいのでは……と。こうして僕の主夫生活が始まりました。

主夫になったのは、かわいい子どもたちとずっと一緒にいたかったから

主夫は一度やってみたかったんですね。というのも、ずっと妻がうらやましかったんですよ。こんなにかわいい子どもたちと毎日ずっと一緒にいられるなんて、楽しすぎだろう、と。僕は会社で死ぬほど働いているのに、頑張って仕事している僕が子どもと接する時間が少ないなんて不公平だとも思っていて(笑)。だからといって、子育てを時々、ちょっとだけ手伝うだけというのも無念すぎる。僕だって父親として、子どもをちゃんと育てたい。

というわけでスタートした念願の主夫生活。早々に実感したのは、「(主婦の)3食昼寝付きって、絶対に嘘」ということでした。まず、1日中、ゆっくり座る暇がない。洗濯して、掃除して、買い物に行って、食事を作り、その間に子どもたちの学校のことなどをチェックして……と、次から次にやることがあって、ずっとコマネズミのように動いていました。それまでのデスクワークから、いきなり座る暇もない生活になったことで、ぎっくり腰が治ったくらいです(笑)。

家事と育児、そして仕事の両立の大変さも思い知らされました。

洗濯を始めて「男の子だから服は汚しても平気」が「汚すなよー」に

それまでは、子どもたちが服を汚して帰っても、特になんとも思いませんでした。むしろ、男の子なんだから服が汚れるくらい元気なほうがいいくらいに考えていましたが、実際に自分で洗濯するようになると、汚れものが増えるともう大変というわけで、子どもたちには「汚すなよー」と言ってみたり。

そして、料理だけは難しかった。妻みたいに毎日いろいろと献立を考えられないし、僕自身、好き嫌いが多いので、作る料理がどうしても偏ってしまう。そのくせ、自分の頑張りに対する評価がはっきり分かる営業職に携わっていた身としては、自分の料理に対する評価は欲しいという面倒なところもあって(苦笑)。最後のほうは子どもたちが気を使って、「今日もおいしいよ」なんて言ってくれる始末。ちょっと鬱陶しいお父さんだったと思います。改めて、毎日バリエーション豊かな食事を作ってくれる妻に感謝できるようになりましたし、日々の家事・育児の大変さは、やってみないと分からないものだなと思いました。

評価されなくなって、自分の存在価値が分からなくなった

主夫生活は楽しかったのですが、後半、自分自身の存在価値が、ふと分からなくなる瞬間がありました。一つには、ずっと家で家事や育児に没頭していて、社会とのつながりを感じることが減ってしまったこともあると思います。

加えて、会社での仕事と違い、"評価されること"がなくなりました。子どもたちは「今日のごはんおいしい」と言ってはくれるけれど、それは「生きていてよかった」とか「この仕事をしていてよかった」という達成感とはまたちょっと違います。最後のほうは、コンビニでレジを打ってもらっている間に、「この方はちゃんと仕事しているのに僕は……」なんて変に意識するようになっていって。主婦の方が悩むというのはこれかと、すごくよく分かりました。

主夫生活を1年続けた後、僕は再就職して、妻と共働きになりました。

仕事復帰を決めた理由は、一つは収入です。収入的なことを考えると、やはりキャリアにブランクがある妻よりも、当時15年近く会社勤めをしていた僕のほうが条件のいい会社に就けた。いろんな夫婦の形があっていいと思いますが、収入のことを考えると、もっと男女の働き方を根本から考え直さないと難しい部分があるのだなと感じました。妻は主夫生活も応援してくれていましたが、これから子どもたちの学費もかかってくる時期、やはり、僕も働いたほうがいいのかもしれないね、ということに。

もちろん、主夫をしながら大好きな歌を歌っていく生活も幸せですが、僕は歌を歌いたいだけではありません。いくら好きな歌が歌えても、家族が幸せじゃなければ本末転倒です。僕は家族の笑顔が見える中で歌っていたい。そのためにも、生活の軸となる収入は大事だと考え、会社員として働くことを選択しました。

子どもたちの本音は「なんでお父さんは家にいるの?」

また、子どもたちにとっては、「父親が家にいる」ということに違和感があったみたいです。僕に直接は言わないけれど、妻に「なんでお父さんは家にいるの?」「なんでお父さんが買い物に行くの?」とよく聞いていたみたいなんです。父親が家にいて、母親が働くというスタイルも、うちの子たちは気にしないのではとどこかで思っていましたが、それまでと生活が変わったことが不思議だったのでしょうね。「父が働く」ということが子どもたちにとっては"普通"だった。その普通が変わったことにすぐにはなじめなかったのかもしれません。子どもにとっては"普通"であること"の心地良さというものもあるのかもしれないなと思いました。

今の会社は、歌手活動に対する理解もあり、残業もそこまで多くなく、土日は休めます。家族との時間も持てます。妻も働いているので、家事はできるほうがやるようにして、ほぼ半分ずつ分担しています。料理だけは苦手なので妻にお任せですが、それ以外は何でもやります。

歌手デビューして8年目。会社員との二足のわらじ生活はこれからも続ける予定です。

木山裕策(きやま・ゆうさく)
 1968年10月生まれ。大阪府大阪市出身。2007年、テレビの歌番組に出演したことをきっかけに、2008年2月にシングル「home」でデビュー。同年の『第59回NHK紅白歌合戦』に初出場する。2016年3月2日、ユニバーサル ミュージックからアルバム『F 守りたい君へ』を発売した。 ■ オフィシャルウェブサイト http://tearbridge.com/kiyama/index.php

(ライター 松田亜子)

[日経DUAL 2016年4月13日付記事を再構成]

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