仕事のミス、モレを撃退 できる人のメモ&ノート術
期待されていることをメモ しっかりやれば評価アップ
「やることを忘れないためにメモを取る」ことは多いはず。それにもかかわらず、仕事でミスをしたり、メモした紙をなくしたり……。困った経験はないだろうか。
ノート・メモ術の著書が多数ある美崎栄一郎さんは、ちょっとした工夫で、メモの効果はさらにアップすると話す。
「納期はいつなのか? 書類は誰に渡すのか? 確認して必ずメモするのです」。ポイントは、自分に期待されていることを正確に把握すること。例えば、頼まれた書類をメールで送付したけれど、本当は上司は印刷して渡してほしかったという場合もある。メモを取るときに作業内容をしっかり確認して、書き留めよう。「頼んだ仕事を期待通りにしてくれる人は、確実に評価が上がりますよ」
美崎さんに教えてもらった、ミスを減らすメモ術、仕事のモレをなくすノート術を紹介しよう。「メモとペンは机の定位置に。上司に呼ばれたら、パッと手に取ってすぐ行き、言われたことをメモすれば印象は良い。基本的なことですが、できていない人もいるのでは」
細かな作業が必要な仕事は、ノートに書き出す。日々のルーティンはエクセルでTO DOリストを作る。内容に合わせてメモ、ノート、エクセルを活用し、仕事でぐんぐん評価される女子になろう。
メモを使ってミスなし女子になる
1.メモ帳とペンは必須
メモ帳とペンを机の定位置に常備しておく。メモ帳は縦に開くコンパクトなサイズが美崎さんのおすすめだが、裏紙を活用してもよい。
2.仕事は必ずメモ
上司に呼ばれたらメモとペンを必ず持っていく。表紙を立ててメモすれば、他の人に内容が見えないから、多少乱雑に書いてもOK。
3.仕事が発生したらメモに書き留める
メモは箇条書きで簡潔に。メモを書いた日付と仕事の納期を明記するのがポイント。仕事の内容は、「出勤簿」だけでなく「出勤簿を提出する」と動詞を含めて書くのがコツ。何をするべきか明確になり、ミス防止に。
【POINT】メモ1枚に1つの要件を書こう
【POINT】日付と納期をしっかり明記
4.メモはやる順番に並べる
取り外したメモは1枚、1枚確認し、優先順位の高いものを上に、急ぎではない案件は後ろに並べてまとめよう。
【POINT】書いたメモはメモ帳から取り外す
5.終わったら色づけ
終わった仕事は蛍光ペンでラインを引いたり、×印を付けたりして終わったことの印にする。この時点でメモは捨てずに保管しておく。
【POINT】色をつけてタスク完了
美崎さんのおすすめ
「仕事が終わった印として、淡色が特徴のゼブラ『マイルドライナー』の緑色や青色、灰色を活用しています」。カラフルな蛍光色は強調したい点や、注意点用にして使い分けを。
6.メモは一定期間取っておく
メモはクリップで留めて、メモ帳に挟んで保管しよう。仕事が終わっても、メモはしばらく取っておく。「時々見直せば、こんなに仕事やったじゃん、と達成感が得られますし、業務の振り返りにもなります」
ノートを使って仕事のモレを撃退する
「ノートに記録しておけば、次に同じ仕事をするとき役立つんです」。飛行機のチケットなら、利用したサイト名や、登録したIDなど必要な情報を記録。「次に同じ仕事を頼まれたとき、このノートを見直せば、『どこで予約したっけ?』と1から調べることがなくなり、効率良く作業ができるのです」
美崎さんが日ごろ活用するのはA5サイズの方眼ノート。「でも、自分が書きやすいものでOK」。表紙にはノートを最初に書いた日付を必ず入れる。その日付を基にノートに書いた内容を探しやすくなる。
メモした作業で、やることが多数ある業務はノートの出番。やるべきことを書き出せば、モレ防止になる。「例えば、出張のチケットを手配するなら、飛行機や新幹線の確保から、宿泊先の選別、予約など、やることが多数あります」。上のように1つの仕事に対してやることを、ジャンルに分ける。そこからやることを細かく分けて、列記しよう。書き漏らしたことは後で追記するなど、全部リストアップする。
エクセルを使って日々のルーティンをTO DOリスト化
毎日必ずやること、月初や月末にしなければいけない業務など、決まった作業はエクセルでTO DOリスト化しよう。「作ったリストは、必要枚数を印刷して束ねておく。毎日のTO DOなら1カ月分を印刷して用意。仕事がすべて終わったら捨てるんです」。毎回TO DOを書き起こす必要がなくなるので、仕事のモレ防止になる。
リストは、出社前の準備リスト、出張前の荷造り用リストなど、さまざまなシーン別に作っておくと役立つ。
この人に聞きました
美崎栄一郎さん
花王で日用品や化粧品のプロジェクトリーダーを経験。在職中に出版した『「結果を出す人」はノートに何を書いているのか』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)がベストセラーに。11年に退社後は、ビジネス書執筆や講演、商品開発コンサルタントなどとして活躍。
[日経ウーマン 2016年4月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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