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2015年4月に始まる「子ども・子育て支援新制度」は、幼稚園や保育園にかかわる戦後初の大きな制度改革といわれる。一部の自治体で新制度に対応した手続きが始まるなど、全国各地で準備は急ピッチで進む。しかし、子どもを持つ親たちからは、肝心の新制度の中身が複雑でわかりにくい、と不安の声があがっている。スタートまであと5カ月。新制度の変更点と課題を解説する。

新制度の支給認定手続きが始まった(京都市保育課の支給認定等業務センター)

新制度の支給認定手続きが始まった(京都市保育課の支給認定等業務センター)

「来年4月、新しい子育ての制度が始まります」。10月27日午後7時、東京都台東区が開いた新制度の説明会には、区民約140人が集まった。半数弱が子ども連れで、仕事帰りの親たちの姿も多数あった。参加した母親の一人は「制度が変わるとは知らなかった。保育園の入園申し込みの前に理解しておきたい」と、担当者の説明に耳を傾けていた。

消費増税が前提

高齢者に偏った社会保障の財源を子育て分野に――。来春から始まる子ども・子育て支援新制度は、消費増税で得られた財源を集中的に振り向け、子育てしやすい環境を整備することが目的。消費税率の10%引き上げを前提に、毎年の増収分から7000億円を子育て分野に充て、保育の受け皿を増やし、質を向上させる。保育園の待機児童をなくすため、幼稚園と保育園の役割を1カ所で担う幼保一体型施設「認定こども園」を増やしたり、0~2歳児を預かる施設を認可施設に組み入れたりする。

実施主体の市町村は準備に大わらわだ。相模原市では、現在64園ある認可保育園に加え、新たに制度の枠に入る幼稚園や小規模の保育園が計20施設を超える予定。「このままでは新制度に対応した条例制定などに集中できないほど事務作業が多くなる」(同市)。そのため膨大に増える事務作業をパソナに業務委託することを決めた。

現在、子が保育園に通う家庭を対象に、9月から新制度の手続きを開始した京都市も、事務作業を外部に委託した。同市によると、市民からの新制度に関する問い合わせ電話は、1カ月で800件を超えた。「保護者に新制度を理解してもらい、きめ細かい対応をするには事務の効率化が必要」(同市)

短時間は割安に

では新制度になると、保育園や幼稚園を利用する親からみて何が変わるのか。

まず、施設を利用するときには、自治体から「認定」を受ける必要がある。これは、新制度の枠に入る施設であれば、幼稚園も保育園も変わらない。子どもは1号、2号、3号と区分される。

保育園を利用する場合は、パートタイマーなど短時間で働く人のために「保育短時間」という仕組みもできる。短時間の利用料は少し安くなる。

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