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株式投資、アプリが練習台に 仮想通貨で取引実践

2016/3/4 日本経済新聞 夕刊

株式投資に興味があるが、実際に取引を始めるのは少し不安――。そんな人が安心して株取引の知識や手法を学ぶことのできるアプリが増えてきた。アプリでは株価の動きを予想したり、架空の通貨を使って取引体験をしたりできる。投資を始めたい人は、アプリを練習台にしながら、まずはゲーム感覚で自分の「目利き力」などを試すのも一案だ。
「株女子会」で交流するアプリ「あすかぶ!」のユーザー(東京都千代田区)

「今おすすめの株主優待は?」――。都内のカフェで開かれた「株女子会」。参加した20~30代の女性4人はお茶を飲みながら、こんな話題で盛り上がった。株価を予想するアプリ「あすかぶ!」を通して知り合った株取引の初心者たちだ。

■毎日1銘柄を予想

アプリは毎日1銘柄ずつを指定。ユーザーはその銘柄について翌日の株価の値動きを予測する。選定した企業の基本的な経営データのほか、関連する注目ニュースや参加者のコメントなどを集約しているため、株価の動きを予想しやすい。10~20代の若年層や女性を中心に、株初心者のユーザーが増えているという。

開発したのは、金融とITを融合した「フィンテック」のベンチャー、Finatext(東京・千代田)。同社経営企画室の高橋充氏は「あえてシンプルな内容にして、株を知らない人たちに対しても“ささる”アプリにした」と話す。

ユーザーはそれぞれマイページを持ち、過去の予想と結果を集計した正解率を見ることもできる。さらに正解数は全ユーザーでランク付け。ユーザー同士が自由にコメントし合うタイムラインも用意している。高橋氏は「アプリを株に興味を持つ人が仲間をつくる場にしたい」と話す。ユーザーが直接交流するオフ会も開き、株取引の初心者同士の交流をサポートする。

冒頭の女子会に参加したメンバーは「これまで周囲の友達とは株の話がしにくかった。しかし、アプリでは投資に興味を持つ人が集まるので、何でも質問できる」と話す。メンバーの1人は、アプリのタイムラインでほかのユーザーに「初めて買った株は?」と質問するなどしながら昨年秋、実際に株取引を始めた。

■大会で資産増加競う

さらに実践的な形で株取引について学びたい人には、投資情報サービスのK―ZONE(東京・中央)が提供する「トレダビ」がある。東京証券取引所の日々変動する実際の株式データを使いながら株の売買をシミュレーションするゲームだ。

ユーザーは登録時に「1000万円分の仮想マネー」を受け取り、ゲーム上で取引を繰り返しながら増やしていく。ゲームとはいえ、本物の株価データを使いながら行うため、実際の取引に近い体験ができる。

同社は全ユーザーを対象に年4回、資産の増加を競う大会を開催。トップ10までのユーザーには、賞品を授与する。トップのユーザーには、実際の取引を開始するための資金として現金10万円を贈る。池野雄人常務は「投資の練習の場として活用してほしい」と話す。同社のデータでは、アプリ登録者の約85%は投資未経験だが、全ユーザーの約6割は2年後に実際の取引に向けて口座を開設している、という。

まずは株式投資の基本的な知識からじっくり身につけていきたいという人には、「株初心者説明書」もある。「株とは何か」という基本的な質問や、株を始める手順などをわかりやすく学ぶことができる。ユーザーが一通り学び終わった段階で、クイズ形式で復習できる機能も備えている。

アプリならば、日中も株価の値動きを確認しやすいため、取引の感覚を身につけやすい強みもある。株式取引に興味があるならば、まずは試してみてはいかがだろうか。

(電子編集部 中山美里)

[日本経済新聞夕刊2016年3月3日付]

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