服や小物、おしゃれに整理する収納テクニック
長さ別にかけ 空間作る
「クローゼットにかけるときは、ブラウスなどトップスと、スカートやパンツなどボトムス、ワンピースやコートなどそれぞれの長さ別に分けて」と住まい方アドバイザーの近藤典子さんは話す。「ズボンは専用のハンガーに二つ折りにすれば、下の空間が有効に使える」という。
一般的なクローゼットの場合、パイプは床から170センチのところに設置されている。どんな順序で洋服をつるしているだろうか? 洋服の長さなど気にもせず、よく着る順などで掛ける人が多いかもしれない。
だが、それでは雑然とし、洋服の下に収納ケースを置くスペースはほとんど生まれない。試してほしいのは、コートやワンピース、ジャケット、ブラウスやシャツ、ボトムスと、それぞれ同じ長さの物を集めてかけるやり方だ。そうすれば服の下には高さ25センチの収納ケースを3~4個重ねて置くほどの空間ができる。
もっとたくさん、かける服があるなら、下に自前でハンガーラックを入れてつるすといい。形崩れが心配という人に近藤さんが薦めるハンガーの太さは「肩の部分の幅が2~3センチ」。つるしても大丈夫だという。
アイテム別に分けてかけるメリットはもう一つ。厚みのあるジャケットなどの間にズボンやスカートをつるすと埋もれてしまう。長さ別に整理すると、忘れていた服を発見できたという、うれしいこともある。また、1枚ずつ洋服を手に取ることが、本当に必要な服かどうか考えるきっかけになり、期せずして不要な服を処分できるようになる。収納ケースの使い方も一工夫を。「下のケースに今の時期着る服、枕棚の上にはオフシーズンの服と分けよう。出しやすく、衣替えのときも収納ケースの中身を差し替えるだけで簡単だ」(近藤さん)
クローゼットを整理しても、まだ収まりきらない服があるときは、室内にハンガーラックを置く。このときも「長さ別にかけることが基本」というのは、IKEA港北店(横浜市)インテリアデザイナーの早雲美菜さん。室内に出すときは見た目も大事。「服の色もまとめると、よりすっきり見える」と話す。
壁に額縁、絵になる収納
ハンガーラックやハンガーの色も、室内をおしゃれに見せる重要なポイントだ。「基本は家具の色に合わせること。家具がモノトーンなら、ハンガーラックやハンガーも同じに。ポップな感じの家具なら、プラスチックのハンガーもかわいい」(早雲さん)
「ハンガーラックの上も大切な収納空間。箱型の収納棚を取りつける場合は、天井との間を空けると、棚の上にも収納空間が生まれる」(早雲さん)
靴入れが小さくて靴が収まりきらないなら、廊下の壁を活用しよう。「人がスムーズに通るのに必要な幅は60センチ。廊下の幅が80センチあるなら、20センチは収納空間に使える」(近藤さん)
廊下にフックを取りつけてコートをかけ、通行の邪魔にならない上部に棚をつければ靴箱も置ける。「部屋をすっきり見せるには、収納ケースは2種類ぐらいに。箱の正面に中身がわかるようイラストなどを描くといい」(早雲さん)
壁にアクセサリーやお気に入りの小物を飾るときは額縁がおすすめ。「枠を作ることでまとまりが生まれ、すてきなインテリアになる」(早雲さん)という。部屋が片づきおしゃれになるなら、苦手な片づけにも取り組めそうだ。
(ライター 中川 いづみ)
[日経プラスワン2015年12月26日付]
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