フルーツウオーターで旬の香り楽しみたい

果物を水に漬け込んだフルーツウオーターをご存じだろうか。見た目の爽やかさに加え、ほのかな香りや甘さが楽しめると人気だ。ジュースより低カロリーで食事との相性もよい。ミネラル豊富な旬の果物を賢く選び、料理研究家お薦めの、果物やスパイス、ハーブを組み合わせたオリジナルレシピに挑戦してみよう。

ハーブ加えアクセントに

フルーツウオーターを作る料理研究家の福田里香さん(東京都新宿区)=写真 井口和歌子

発祥は米国西海岸とされる。水に溶け出た果物のビタミンやミネラル分などが一緒に取れることから「デトックスウオーター」とも呼ばれ、美容や健康面での効果も期待されている。

ハリウッド女優やモデルが愛用し、日本でも注目を集めている。スポーツを楽しむ女性の中には、ボトルに詰めて携帯する人も多い。だが、酸味だけで味がいまひとつなど、うまくいかないこともある。

「どんな素材を組み合わせたらいいのか知りたい」と話すのは、千葉県在住の加藤忍さん。テニスで汗をかいた後に飲むために、スポーツ飲料以外で手軽に水分とミネラル分が取れるものを作りたいという。

著書に「フレーバーウォーター」がある料理研究家の福田里香さんは「米国西海岸のスパでは、かんきつ類を漬け込んだ水をサーバーで提供している」と話す。福田さんから夏の果物を使ったフルーツウオーターを教わった。「基本は果物を切って水を注ぐだけ。でも、おいしくするためのコツがある」(福田さん)

お薦めの1つ「モモとミント」で使うのは、完熟モモ。表面積が大きくなるようそぎ切りにする。ミントは漬ける前にたたき、香りを出しやすくする。作った直後から飲めるが、冷蔵庫で一晩置くと香りがなじむ。24時間以内を目安に飲みきるとよい。漬けた後の果物も、取り出しておいしく食べられる。

ミントのほか、バジルやシナモンなど、アクセントになるハーブやスパイスを組み合わせると、果物だけを使うよりもあか抜けた味に仕上がるという。砂糖やハチミツなしでも飲みやすい。

香り付けに紅茶を使うと、フルーツの風味たっぷりのしゃれた水出しアイスティーが手軽に作れる。お薦めの「かんきつミックスと紅茶」で使うのは色の出やすいミルクティー用の茶葉。水に茶葉を入れ「一般的なアイスティーより薄めに抽出。ごくごく飲めるように仕上げる」(福田さん)

器などの演出も楽しみたい。専用サーバーやピッチャーなどがあればよいが、蓋付きのガラスの保存容器で構わない。小さめの容器に入れ、ストローをさせばそのまま楽しめる。

「食事中や運動・入浴後のビールやジュース、スポーツドリンクなどを置き換えれば、健康面でもプラスになる」(福田さん)という。

余り物で気軽に挑戦

おいしく作るには、まず素材から。選ぶコツを知りたい。料理研究家や料理人から評判のスーパー「オオゼキ下北沢店」(東京・世田谷)で青果を担当する富田力樹(りき)チーフは「完熟の果物が、水に溶けやすいという意味でベスト」と話す。

完熟フルーツを見分けるには色に注目する。モモは裏返してお尻までピンク色をしていることが目安になる。「まんべんなく日光が当たっている証拠」(富田さん)。スイカはしま模様がくっきり濃い方が甘い。

最近は「そのまま食べるのではなく、ドリンクや菓子に使うために果物を買う人が増えている」と富田さん。果物は少し高いから、と思う人は、「手ごろな価格の見切り品でも、色が変わった部分を取り除けば十分に活用できる」という。

皮ごと使うかんきつ類は、防カビ剤などが無添加のノンケミカル(化学物質不使用)の物を選びたい。「レモンは輸入品がこれから旬を迎える。この時期は国産品よりも香りが良い」(富田さん)

まずは食べ切れなかった果物を使って、気軽にトライしてみてもいいだろう。

(ライター 糸田 麻里子)

[日経プラスワン2015年8月15日付]

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